最近、世間を騒がせている談合事件の報道を見ていると、あたかも談合が社会悪の根源であるような扱いである。談合が犯罪であることに異論はないのだが、社会的な影響力に関しては悪の根源となり得るのだろうか?
以下は、建設投資の国内総生産に対する比率を示したものである。 参照:建設統計月報 2006.7 No.523 国土交通省総合政策局 情報管理部建設調査統計課 監修
*************建設投資の国内総生産に対する比率************* 年代 (単位:%) 前年比(単位:%)
昭和56 19.2
57 18.2 △1.0
58 16.6 △1.6
59 15.8 △0.8
60 15.3 △0.5
61 15.7 0.4
62 17.1 1.4
63 17.2 0.1
平成元年 17.6 0.4
2 18.1 0.5
3 17.4 △0.7
4 17.4 0.0
5 17.0 △0.4
6 16.2 △0.8
7 15.9 △0.3
8 16.3 0.4
9 14.7 △1.6
10 14.2 △0.5
11 13.8 △0.4
12 13.2 △0.6
13 12.4 △0.8
14 11.6 △0.8
15 10.9 △0.7
16 10.6 △0.3
17 10.6 0.0
18 10.3 △0.3
***************
上記の推移を見ると、昭和56年の建設投資が国内総生産の約20%を占めていたものの、その後の比率はバブル期前後(昭和60〜平成2年頃)で一時上昇するも、年々下がり続け、現在は約10%と建設投資の社会的影響力が低下し続けていることがわかる。 さらに、最近の建設投資は、民間が増加傾向にあるものの、公共においては 15年度 −14.1%16年度 −13.9%17年度 −2.9% と(出来高前年比)3年連続減少しており、建設投資10%に占める公共の比率はさらに小さなものである。 参照:「建設投資の概況」 国土交通月例経済(平成18年9月号) [1]
かつてのような建設投資の社会的影響力が大きい時代では、投資案件の成否がそのまま国内総生産に反映されるため、談合もある程度は目をつぶられてきたと推測できる。 しかし、社会的影響力が低下してきた今、談合は、地検やマスコミにとって叩きやすい対象なのである。昨今の談合事件にはそんな要因があるのではないだろうか。 そして、社会的な影響力から考えると、旨みを吸っている諸悪の根源は、未だ見えない他にあると思われる。
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BY オリメン