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中国経済の意外な不安要因

 現在9%の成長を維持している中国経済に、意外な不安要因が懸念されている。
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 大量の人口が高齢化して、その割合を拡大しているため、崩壊した中国の年金制度は前例のない難問に直面している。
 中国では現在、全人口の11%を占める1億4000万人以上が60歳以上の高齢者で、アジアの高齢者全体の半分を抱えている。
 とりわけ厄介なのは、中国は比較的豊かになる前に高齢化が進展するということである。先進国では高齢化社会突入時の1人あたり国内総生産は、5千〜1万ドル超であるのに対し、中国の現在の1人あたり国内総生産は、わずかに1千ドルを超える程度である。

http://www.nikkeibp.co.jp/news/biz06q4/516088/ [1]


 中国で出生率の高かったのは1950〜1960年代。その後は一人っ子政策の導入や、若い世代の少子化傾向により、子どもの数は減少していった。
 その頃の生まれた人々はもう50代になりあと数年で定年を迎えようとしている。彼らを支える若い世代の数が圧倒的に足りていない。現在は引退者1人を、現役3人が養っているが、この比率が2030年には1:1になると言われている。
 
 中国の年金制度は、国営企業が運営している。しかし、多くの企業は市場競争の圧力のなかで、資金的余裕を失っている。
 また、中国の年金制度は腐敗が深刻化している。年金基金の使い込み、流用が相次いでいる。基金を原資にした企業融資が失敗したり、株式投資の損失補填に利用され、使い果たしてしまった基金もある。相当な額の基金が既に失われていると言われている。
 このまま高齢化が進めば、極貧の老人があふれ、大きな社会問題になる可能性がある。
参考:
「官僚が食べ尽くす? 中国の年金基金」
迫る超高齢化社会、庶民の手には雀の涙
http://business.nikkeibp.co.jp/article/world/20061019/111994/ [2]

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