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統一通貨ユーロって何?どんな効用があるの?

1999年に11カ国の国が、そして翌年にギリシャが参加して計12カ国が、通貨を統一してユーロという貨幣を作る事にしました。
このユーロという統一した貨幣を自国の貨幣として使用する国はドイツ、フランス、イタリア、ベルギー、ルクセンブルグ、オランダ、アイルランド、ギリシャ、ポルトガル、スペイン、オーストラリアオ、フィンランドの12カ国です。
2002年には140億枚のユーロ紙幣と500億枚のユーロ硬貨を流通させ、自国の貨幣は廃止して共通の貨幣に切り替わりました。フランスのフランやドイツのマルクなどがユーロという共通の貨幣に置き換わったのです。


では具体的にどんな効用があるんでしょうか?
こんな記事を見つけました。
駐日欧州委員会代表部のサイトです。
ユーロと経済通貨同盟について・はじめに [1]  

単一市場はすでに欧州の貿易環境を一変させていますが、ユーロの誕生は単一市場をさらに強化します。ユーロ導入の効果として、以下の4点が挙げられるでしょう。

まず第1点は、経済通貨同盟(EMU)参加国の各国通貨がユーロに置き換わったため、ユーロ圏では為替取引のコストがなくなる点です。

身近な例を挙げると、外国旅行なんかするときに銀行なんかに行って円をドルに代えるみたいな手間がなくなる事ですね。

第2点は、ひとつの通貨を共有することで、ユーロ圏が巨大な金融・資本市場へと発展することです。それによって市場の流動性が高まり、ユーロ建ての新しい金融商品の開発につながり、企業にとっては資金調達と投資の新たな可能性も広がることになるからです。

単純に言えば市場規模がGDPに比例するとすれば、貨幣を共通とする12カ国分のGDPの規模に膨らむということですね。

第3点は、価格の透明性が増すこと。消費者にとっては、商品やサービスの価格の比較が、企業にとってはコストの比較が簡単になり、その結果競争が促進され、価格がさらに下がります。

同じお金が使えたらフランスのルノー5がいくらで買えてドイツのベンツがいくらなのか簡単に比較できちゃうし、その分競争が激化するんでしょう。

さらに第4点は、為替相場の不確実性がなくなり、貿易と投資の増加につながる点です。企業レベルでは資金調達コストが下がり、マクロ経済の観点からは、成長に弾みがつくことになるのです。

輸出に頼る日本企業は円高や円安ですぐ利益が上下し、その為替リスクが大きいですね。同じ通貨なら安定して貿易や投資の利益が計算できるし、企業もリスクが少ない分安心して投資することにも繋がるのでしょう。
その他にも

ユーロの導入は大きく分けて3つの恩恵をもたらします。つまり、欧州における真の意味の単一市場の確立、欧州連合(EU)経済の健全なファンダメンタルズの醸成および国際通貨体制のより一層の安定化、に貢献するのです。

同じ貨幣が使える事で市場が統一されるから単一の大きな市場になるし、ユーロを導入するためには、それぞれの国が物価上昇率、財政赤字、為替のの安定、金利の変動幅など基準を満たす必要があるそうですから、その分ユーロが安定した基軸通貨となるようです。
ちなみに紙幣のデザインですが、紙幣には、ユーロ圏で共通のデザインが用いられています。
欧州の歴史における建築様式の発展を、人と人をつなぐ「窓」と「橋」という図柄によって表現しています。
デザインなどの紹介記事が下記でわかります。
ユーロ紙幣のデザインは? [2]

[3] [4] [5]