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アメリカの身勝手な地デジ戦略

いよいよ12月1日に、地デジが全国で視聴可能になりました。
前回、国内の地デジが国際的な地デジ化の波に影響されていることに触れましたが、今回は世界の地デジ状況を調べて見ました。
(↓これは、米連邦通信委員会(FCC)のキャラクター。掲載理由は後半で明らかに・・・)
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まず、各国のデジタル放送開始状況を示します(ウィキペディアより)。
1998年/イギリス(BBS放送(9月)、ON Television(11月))
同年 /アメリカの20都市(42放送局)
1999年/スウェーデン
2000年/スペイン
2001年/オーストラリア、フィンランド、大韓民国
2006年/オーストリア
その他/中国(2008年北京オリンピックに合わせて開始予定)、ブラジル、イタリア、フランス
日本では地デジ化に悲観的な見方がありますが、初めに開始したイギリスは地デジ化が成功したと言われており、アメリカは失敗と評されています。
成否の背景には、地デジ化の2つのメリットと各国のそれに対する戦略判断があります。
2つのメリットの一つは『多チャンネル化』が可能なこと、もう一つは『高画質化』が実現できることです。
イギリスの成功は、『多チャンネル化』に力を入れたことによります。もともとチャンネル数が少なかった(民放3局?)ものが、一気に数十チャンネルが可能になったことが受け入れられた原因として大きい。国民は喜んだわけです。イギリスは高画質化には力を入れていませんので、高いテレビを買う必要もありません。欧州各国は概ねこの流れ。
他方アメリカは、元々相当多くのチャンネルを持ってましたので、多チャンネル化のメリットはありません。そこで『高画質化』に走りました。『高画質化』は放送局側の設備投資が莫大に掛かり、受信側も高い高画質デジタルテレビが必要となりますから、なかなか普及していないのです。それでも、経済が好調なことが幸いして富裕層を中心に何とかなっている訳です。
では、なぜアメリカは無理をしてでも地デジ化を推し進めたか・・・(ここからが本題!)
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アメリカが放送のデジタル化に踏み切った契機はなんと『日本』にあります。NHKが世界に先駆けて『ハイビジョン(アナログ)』を開発したことを当時のアメリカは驚異に捉えました。「ヤバッ!先越された!市場が奪われる...潰さなアカン!となったアメリカは、「世界をデジタル化して日本のハイビジジョン(アナログ)をダメにしろ!」という戦略に打って出た訳です。
アメリカはなんと!日本政府に働きかけて、日本もデジタル化に向かわせました。NHKは当時なんのことやら訳が分からなかった様です(しかし、日本政府のアメリカ言いなりにも程がある・・・)。そこから日本は地デジ化に向かう訳ですが、既に失敗しているアメリカの後を追うことになってしまうかも知れない....
さて、あのアメリカがさほどのメリットも無い地デジ化を進める筈はないので、更に調べてみると、なんとアメリカ政府(アメリカ財政)は儲かる仕組みになっていました。
アメリカの放送業界は米連邦通信委員会(FCC)が管理しています。FCCはアメリカ合衆国政府の独立機関で、委員は大統領が任命するほど中枢に近く、1934年通信法によって設立されラジオスペクトル (ラジオ及びテレビジョン放送を含む) を使用するすべての非政府組織、並びにすべての州間電気通信 (wire、人工衛星及びケーブル) 同じくアメリカ合衆国内で発信または着信するすべての国際通信を規定して管理を行っています。また、FCC は Interstate Commerce Commission から有線通信規定をも引き継いでおり、FCCの権限は全米50州、コロンビア特別区、及びアメリカ合衆国占有地にわたっています。要は通信のほぼ全てを握っている訳です。
そのFCCがデジタル化を強引に決定したので、放送業界は儲からなくても従わざるを得ません。アメリカも地デジ化は国策なのです。
何でもできるFCCですから、FCCが儲かる(=政府財政が儲かる)仕組みが作られているのです。
今、アメリカの放送は今までのアナログチャンネルとデジタルチャンネルの2つを持っていることになっていますが、いずれアナログチャンネルはFCCに返還することになっています。FCCは返還されたアナログチャンネルを競売にかけて売る予定にあります。そのお金は政府の財政均衡に使われることになっている様です。
米政府はこの競売に263億ドルの収入を見込んでおり、もしこの額に満たなかった場合は、不足分をデジタルチャンネル使用料として放送業者から徴収することも考えているといわれていますから驚きです。
引用元はこちら  [1]
日本の技術が邪魔になったら潰しにかかってきて、自国の放送業界がどうなろうとも財政は確保するという傲慢勝手な自己中アメリカの姿がここにもあった!(トホホ・・・)   (by コスモス)

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