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内部統制がやってきた!さぁどうする?

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内部統制と一言でいっても企業側の意識と対応の仕方でかなり明暗が分かれるようです。
〜内部統制で会社が壊れる!?〜
ひたすら社内管理の強化に向かった例でいくと・・・

・出社時、会社の入り口で金属探知機とX線探知機のゲートをくぐらないと入れない。私物を職場に持ち込ませない。(大手ソフト開発会社)
・送信メールの検閲。社内パソコンの操作記録(準大手証券会社)
・1つの支払い案件に、10以上の階層の決裁が必要
・鍵をしまう引出しにさらに鍵をかける
・隣りの部署にいくにもセキュリティカードが要る
・社内報告のための文書が多すぎて実務に割く時間が減った

日経ビジネス編「会社を強くする正しい!内部統制」より

と、笑うに笑えない 🙁 事例も多く、
また、社内管理に関するあるアンケートによると

・自分の会社で社内管理の強化が進んでいると思う…77.7%
・社内管理の強化に負担を感じたことがある…56.0%
・社内管理の強化で仕事の効率が低下していると(よく・たまに)感じる…90.6%
日経ビジネス編「会社を強くする正しい!内部統制」より

と、大部分の企業が社内管理の強化に向かい、しかも、その結果、仕事の効率がどんどん低下 しているとなれば、何のための内部統制かわかりません。
リスク管理強化 →社員の活力が低下 →業務効率・精度低下 →リスク増大 →リスク管理強化 →・・・
と悪循環に陥っており、それは“会社を守ること”を第一義に、上から規範を押し付けるだけとなっている。それでは、うまくいくはずありません。
しかし、一方では・・・
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〜内部統制を活力に変える!〜

アメリカで上場しており米SOX法に対応する必要があったコマツでは、内部統制構築メンバーが反発のあった現場へ足しげく通い、何度も説明を繰り返すといった地道な努力を積み重ねた結果、現場の協力も得られるようになり、さらには「2007年には団塊の世代が大量に退職する。その前に内部統制を整備することで、彼らのノウハウを次の世代に伝える仕組みまで作り上げることができた」(内部統制部長)という副産物も得られた。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/manage/20060511/102064/ [1]

コマツの2006年3月期の売上高は約1兆7020億円で、営業利益は約1764億円となり売上高営業利益率は10.4%に達した。ここ数年は建設機械の需要が世界的に好調で、コマツの業績は3期連続で最高益を更新している。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20060721/106684/ [2]

という好成績も内部統制の整備と無関係ではないでしょう。
また、現在形で内部統制の整備を進めているファミリーマートでは、

「内部統制への取り組みは、1部署が通常業務の1つとして行うものではない。社長から社員、パートまで総勢15万人が共通の意識を持って取り組まなければならない。」
「統制を押し付けては絶対に駄目だ」
「全社員と6800余りの加盟店全体で取り組んでいくからには、“内部統制”なんて堅苦しく難しい言葉ではなく、普段着の言葉を使わなくてはいけない。そこで、“楽しくやる”ということを大方針としている」

という社長の言葉が示すように、内部統制という枠を超えて全社的な活力上昇を考えています。
ここら辺で、本質部分が見えてきましたね。
『全社的な課題共認が十分になされていること、そこから社員の活力が上昇し、能力が引き出され成果を上げる、そしてそのノウハウが次世代へと継承される』
リスク管理や内部統制という目先に捕らわれず、“社員の活力”をいかに引き上げるかという本質的な取り組みが結果として、リスク管理も内部統制もうまくいく!ということですね。
参考:日経ビジネス編「会社を強くする正しい!内部統制」

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