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地方財政がヤバイ・・・財政再建に向けた各自治体の取り組み

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福島県矢祭町のHPより
地方財政再建に向けて、各自治体がどのような取り組みをしているのか?特に注目されている市町村をいくつか調べてみました。
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1.福岡県・大牟田市
2007年度、職員の給料とボーナスを計約5億7600万円削減。このほか時間外勤務の縮減などにも取り組み、人件費を中心に総額約7億円を削り込む。具体的には、給料を一律4・5%削減(計約2億9500万円)するほか、ボーナスの役職加算を全廃したうえで、0・25〜0・9175か月分減額(計約2億8100万円)する。
市長は給料のみを40%(年間計640万円)、助役は25%(同320万円)、教育長は15%(同170万円)それぞれ削減。市の説明によると、現状のままでは08年度の累積赤字が約55億円に達し、財政再建団体転落の目安である約52億円を上回る。転落を食い止めるには07年度以降、新たに年間15億円の財源対策が必要とされ、古賀市長は昨年10月、07年度一般会計の総額を今年度当初比で10%(約6億円)削減する方針を明らかにした。
市長査定でさらに約2億円を削り込んだものの、なお約7億円の不足が見込まれるため、人件費の大幅な削減は避けられないと判断した。08年度以降については「未定」。(2007年2月9日 読売新聞より)
2.鳥取県・日野市
日野町は2005年9月22日、2006年度から予想される財政赤字を建て直すため、準用再建団体の道を選択することを明らかにした。推計によると、赤字額は二〇〇六年度決算で約一億二千万円、〇七年度で約三億五千万円、〇八年度で約五億五千万円。ピークの一一年度は約八億円に上る。一二年度からは行革効果で単年度ベースで黒字転換し、一七年度で累積赤字を解消する見通しだ。推計に盛り込まれた見直しは
▽職員給与の10%削減(現行5%削減)
▽固定資産税率0・1%の引き上げ(現行1・5%)
▽下水道使用料などの三割増
▽職員定数を十年で二〇減らす(現行定数八〇)−などだ。
(2005年9月24日 日本海新聞より)
3.福島県・矢祭町
矢祭町(やまつりまち)は、近年では、市町村合併ブームで小規模町村が切り捨てられるとの懸念から、「合併しない宣言」を出して話題になった。今も全国自治体から多数の視察団が訪れている。独自の財政の歳出削減をあげると
○職員・人件費と削減
・新規採用停止(2003年以降)、嘱託職員削減、「収入役」廃止。
・議会定数削減(18人→10人、02年9月)
・町重要職・議員報酬削減(職員は人数は減らしたが、給与削減は行わず)
○職員削減に伴う、職員の職務兼務・組織変更
・七課体制を五課体制に。庁舎の清掃も、町長・助役・教育長も行う。トイレ清掃も管理職が行っている日もある。
・役場窓口業務にフレックスタイム導入
・年中無休の役場
・窓口平日は7時半〜18時半まで
○出張役場制度の創設
・役場職員の自宅を出張役場として利用。町民は職員自宅で各種届出・納付可能に。
○保育所・幼稚園の一元化
・保育時間は平日7時25分から18時45分まで。土曜日は7時45分から12時45分まで
○町税等の公共料金の支払いをスタンプ券で支払い可能に。
・地元商店街が発行する、スタンプ券(買い物の際に2万7000円で500円分)で、介護保険料含む各種公共料金を支払うことが可能になった。
○役場職員消防隊の結成
・役場職員が消防員として、有事の際に消火活動にあたっている。
○税金滞納対策
・職員自ら回収にあたる。夜は超過勤務手当のかからない課長クラスが担当。
○住基ネットに非接続
・2002年7月 全国で最初に離脱を宣言。個人情報保護の観点と、利用者が年10人足らずだったことから。
○その他
・2006年には図書館設立のため、蔵書の寄贈を一般に募り、全国から20万余冊の寄贈を受けた(現在も引き続き寄贈を募集している)。
・削減するだけでなく、住民サービスは格段に向上している。また、大規模で破格的な条件で企業・住宅誘致を
 行うことで町税の増収を図っている。
・介護保険料は福島県一安い。 (ウィキペディア(Wikipedia)より)
これらの自治体の例からみえることは、今まで全国の各自治体が概ね政策として揚げてきた、産業構造転換→産業振興→観光開発(→工業誘致)や公共施設整備などによる財政再建は難しく、ならば、支出をいかに減らすかという視点に立てば、
どこの自治体も結局、人員の削減、人件費の削減しか、現段階では可能性がないということが分かる。

政府は、この地方財政の再建に向けて様々な政策を掲げているようだが、どうも地方の実態との温度差があるように感じられる・・・
BYシロハナミズキ

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