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中国の自動車産業は2010年(あと3年)で日本を抜くてほんと?

中国上海の自動車ショーが大盛況らしいが、中国の自動車産業は景気のいい話題が並んでいる。2002年にWTO加盟を果たして以来、中国の自動車産業は、2003年には早くもフランスを抜き世界第4位の自動車生産国になっている。このペースでいけば、2010年には、中国の自動車総生産台数は1000万台を超えるとみられている。そして日本を抜きアメリカに次ぐ世界2位の生産国になると言われています。中国自動車産業発展研究報告 [1]
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写真は、自動車普及により渋滞する高速道路。写真右は、自動車でいっぱいの北京大学構内。(引用先は、『人民中国』特集:戦国時代に突入した自動車産業から。

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しかし、中国の自動車産業を制約する三つの大きな問題も言われています。
1)現地生産を行っている外資の自動車メーカーが軒並み高い利潤を上げている。
自動車産業は「国内の市場を海外の技術と交換する」という産業政策の典型。中国の市場は完全に外資企業に占領され、いまだ技術を獲得できていない。日本、アメリカ、ドイツの自動車メーカーとって、最も収益性のよい中国子会社となっていること。
2)自動車産業の分散した状況がいまだに改善されてない
世界の自動車産業の発展の歴史は、自動車メーカーの数は絶えず減少し、そして少数の独占企業に集中するという発展傾向がある。1964年から2000年までの36年間、世界の乗用車を生産する主要な企業数は52社から一気に10社前後にまで減少した。しかし現在、中国の自動車メーカーは100以上もあり、多くの地方政府が高い収益性を見込んで、新しい自動車プロジェクトを次々と立ち上げるていること。中国が世界一の自動車生産国になる前に、中国の自動車メーカーが全部淘汰されてしまうかもしれない。
3)自動車消費環境の改善が要請されている
自動車ローンに関する規制緩和や、自動車価格の自由化などの政策が相次いで実行されたことで、自動車が中国の一般家庭に入る時期が明らかに早まった。しかし、高すぎる税負担と不合理な費用の徴収といった現象は依然として深刻であること。
また、自動車の暴利を抑制し、国際慣例への移行及び消費者権益を保護するためのリコール制度などは、自動車業界の反対に遭い、幾度も却下されている。国家機関の公務用車に対する改革も多くの抵抗に直面しており、自動車産業政策にはまだ一貫性が欠けたままであること。
自動車大国に向かう中国 [2]

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