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米国がCO2政策を急変させた本当の理由

●>「CO2の排出は犯罪だ」。2007、4月米国連邦最高裁判所は米国環境保護局(RPA)が自動車から排出される温暖化ガスの規制を強化すべきとの判決を下した。<「選択」’07年5月号より。
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あれほど京都議定書の批准を渋っていた米国が態度を急変した!
これは何か裏があるぞ、と思うのは私だけではないはず。
そうです、やはりその急変の理由がちゃんとありました。
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●米環境保護局(EPA)が、2007モデルについての燃費ガイド [1]を発表した。トップ10のうち5つのモデルをトヨタが占める結果となった。
EPAでは独自に燃費測定テストを行っており、この指標はユーザーの購入行動に影響すると言われている。
◎ご存知のように米国は京都議定書を批准していません。
>これは米国自動車業界のビッグ3を筆頭とする産業界が「経済活動を停滞させる」と猛反発をしているからです。<
それに対し、連邦最高裁が「温暖化ガスは米国の現行法の枠内で汚染物質を定義できる」と規制強化の判決を下したのは、司法がブッシュ政権の環境政策を「米国の良心」に従いノーを突きつけたと思うほど、これまで米国の策謀をいやというほど目にしてきた僕らもお人よしではない。
🙄 その裏の理由を解説した記事がありました(前述「選択」)以下紹介します。
実はこの規制はむしろビッグ3を筆頭とする産業界が望んで、ブッシュ政権に要請したことが暴かれている。(判決直前の3月、大統領とビッグ3首脳が会談し、ガソリンとエタノールの両方で走行可能なフレックス車を量産し、今後10年以内に国内ガソリン消費量を20%削減することで合意している。これはビッグ3からの働きかけだったことが判明している)
では米国自動車業界は規制を要請したのか?
1 現在自動車業界のCO2削減策は大きく3つある。
>日本のハイブリッド車、欧州のディーゼルエンジン車、南米で普及しているフレックス車。
このうち最も技術レベルの高いのはハイブリッド車、逆に最も技術開発の敷居が低いのがフレックス車。環境対策投資を怠ってきたビッグ3が、このフレックス車に飛びついたのが真相。
2 そんな低技術はすぐに他社に追随される疑問がある。
しかし、
>①原料のトウモロコシは米国が世界最大の生産地であり、エタノール原料を低価格で提供できるという利点がある。そのため原料を輸入に頼らねばならない日  本や欧州は石油より割高になる可能性がある
②そのため日本と欧州のメーカーは北米・南米市場でしか売れないフレックス車に本腰を入れるとは考えられない
3 しかしフレックス車の普及にも課題がある。
>それはエタノール燃料を給油できる燃料スタンドが圧倒的に少ないことと、ガソリン車に比べて割高なこと。最近の販売不振に悩むビッグ3にとって、新たな環境技術投資は目先の利益を追う株主から反発を買い、下手をすると経営陣の首が飛びかねない。そこで経営陣は「政府による規制強化」という大儀名分で環境技術に対する株主の反発を抑えようとしたのである。
4 更に政府による環境規制にはもう一つの大きなメリットがある
>それは、「第3勢力」である韓国車・中国車対策である。
水面下でクライスラーの買収に動いたといわれる韓国車や中国車メーカーが本格的に米国生産を始めたら、日本車とは比べ物にならない低価格販売で、ビッグ3は壊滅的な打撃を受ける。しかし、韓国車・中国車メーカーの弱みは環境対応でそのレベルはまだ、ビッグ3以下である。そこで、CO2などの環境規制強化で米国市場から締め出そうとの魂胆である。
8) しかしこのビッグ3の深謀遠慮は彼らの意図どおりになるでしょうか。
>かつて、ビッグ3の圧力で排ガス規制のマスキー法を廃案に追い込み、結果米国車の環境対応を遅らせ、後に日本車のシェアーアップを許す遠因となった。
それに懲りず、またもや目先の私益を優先するビッグ3が、家電製品のように今度は本当に自国の市場から消える日が来るかも知れない。
すでにトヨタは米国市場へのフレックス車の投入を検討している。計画では、2008年にピックアップトラック「タンドラ」を設定。
トヨタのフレックス車 [2]はガソリンで走るのはもとより、エタノールの比率が最大85%の「E85」という混合燃料でも走行可能。
人々の求める地球環境課題に正面から取り組むことなく、寄生虫 [3]のごとく時の政権に寄りかかるだけの産業が衰退するのは決してありえないことではない。

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