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スティール・パートナーズと村上ファンドの関係

明星食品、サッポロにつづき、ブルドックソースにもTOB(株式公開買い付け)を開始、日本企業を震撼させているスティール・パートナーズですが、彼らの正体は意外なほど明らかにされていません。
「それでは」と、ネットで調べていたところ、タイトルのとおり、興味深い情報を得ましたので、まとめてみます。


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では、まず彼らの出自から。(今回は九州の企業情報を提供くださっている、「ネットIB [1]」さんのHPから引用させていただきました。貴重な情報、どうもありがとうございます。)

スティール・パートナーズは2人のユダヤ系米国人の手によって旗揚げされた。1人はウォール街出身で、複数の米国上場企業の取締役を務めているウォレン・リヒテンシュタイン。もう1人は、野村証券の米国現地法人に勤務経験のあるトム・ニーダーマイヤーである。2人は1990年代にタックスヘイブンのケイマン諸島に複数の投資ファンドを設けた。その1つがスティール・パートナーズであり、もう一方がスティールの別働隊であるリバティ・スクエアである。


冒頭の場違いな写真?がケイマン諸島 [2]です。タックスヘイブン(tax haven) [3]とは、「税の避難所」と言う意味。要は、税金が免除されたり、著しく軽減される場所、ということですね。
その後の彼らの興味深い行動が次に書かれています。

 彼らがファンドを設立して間もない2000年春、2人は来日し、ある小柄な男を訪ねている。小柄な男とは、昭栄への敵対的TOBで華々しいデビューを飾ったばかりのM&Aコンサルティング(通称、村上ファンド)代表の村上世彰だった。
村上が後に周辺に語ったところによると、2人は「時価総額が純資産を下回る割安な株に注目している」と村上に言った。要するに村上ファンドがやっていることと同じようなことを日本でもやってみたい、というのである。2人が本格的に日本株を買い進めるのはこの村上対談の直後のことだったが、自分たちの動きが悟られないよう、証券取引法上の大量保有報告のルールに抵触しない5%未満の範囲内で少しずつ日本株を買い進め、じっと静かに潜行していた。


2000年、結構最近の会社なんですね、スティール。そんなんに蹂躙されてる日本って、、、おっと感情的になってもしょうがないので、報告を続けますね。
で、彼らは拠点にするために日本法人を設立、下の引用に出てくる黒田という人はそこに雇われた日本人です。

 この当時のスティール・パートナーズは明らかに村上ファンドを意識し、ある程度意思を通じていた。スティールは03年11月、明星食品の株式を10%取得したことを表明し、代表の黒田が明星の永野博信社長と面談。後に黒田は大株主として明星の社外取締役につき、資産の有効利用や株主価値の増大を助言していくことになるのだが、実はこのときスティールが手にした株とは、それ以前、村上ファンドが買い進めていた分を買い取ったものだった(村上が市場で放出したのをスティールが拾ったとみられる)。
村上は明星食品が資産リッチである半面、株価が安いことに気づき、明星食品株を買い進めて経営改善を提言していた。このとき(04年7月)村上がクレディ・スイス・ファースト・ボストン証券をアドバイザーにして構想していたのは、明星(チャルメラ)、サンヨー食品(サッポロ一番)、東洋水産(マルちゃん)の3社が合併するというラーメン業界大再編だった。東洋水産の井田純一郎社長は村上側と数度の秘密交渉を持ち、明星を飲み込む形で再編に乗り出すことにゴーサインを出したといわれるが、最終局面になって井田の実父の会長が猛反対し、再編構想は挫折している。
こうしてみると、スティール・パートナーズが昨年11月に明星にTOBを仕掛け、最終的に日清食品がホワイトナイトとして傘下に収めた経緯は、その出口戦略(イグジット)を含めて、村上ファンドを相当程度真似ているといえよう。
 あるいはスティール・パートナーズの別働隊リバティ・スクエアは大阪の朝日放送の株式を大量取得したが、これも村上がニッポン放送株を買い進めていることを見習ったものだろう。日本の放送局は資産リッチな半面、株価は低迷。経営陣の能力も低く、攻めやすかったからである。


ふむふむ、村上ファンドを真似て一儲け成功 ですね。
で、その直後に村上逮捕
彼らはどういう行動に出たか?
 

ところが、06年1月のライブドアへの強制捜査が始まった後、スティールの内部では、今後の戦略をめぐって激論が戦わされたようだ。在日代表を務めてきた日興証券OBの黒田は、あまり戦闘的なことをすると、自分たちが真似てきた村上ファンドのように当局の目をひき、つぶされかねないと穏健な意見を主張したとされる。
黒田は、明星の社外取締役を務めていたことから分かるように、投資対象企業と一緒になって企業価値をあげること、つまり長期保有による投資を力説したのだが、リヒテンシュタインとニーダーマイヤーは違った。「村上ファンドがなくなった以上、日本でアクティビストファンドとして活動できるのは我々しかない。
むしろ敵対的買収を辞さないで積極作で行くべきだ」。結局、黒田は放逐され、現在ハワイに脱出し、自ら普賢キャピタルマネジメントを設立している。スティールは村上ファンドのこわもての遺伝子を継承することになったのだ。
この黒田追放後の06年夏以降、スティールの攻撃が本格化した。明星食品、そしてサッポロビール。次に狙われるのは、以下の保有銘柄の中からであることは間違いないだろう。アデランス(25%)、ノーリツ(15%)、江崎グリコ(14%)、シチズン時計(10%)、ブルドックソース(10%)、キッコーマン(5%)、ハウス食品(7%)。保有銘柄から見て、ソースと醤油の合併や食品業界の再編あたりが今後話題になる可能性が高いと思われる。


な、なんと、ちゃっかり村上の後釜にはまっているではありませんか。
もしかすると、村上を失脚させたのも、、、おっと、この先は憶測になってしまうので、機会があれば調べてみますね。
ま、なんにせよ、スティールは、
①村上ファンドの手法をほぼそのまま踏襲。
②村上ファンドなき日本で、アクティビストファンドとして大活躍。
③日本企業の株式を保有、今後も大活躍の予感。

は間違いないようですね。
儲けそのものだけでなく、儲ける手法をも略奪していく彼らこそ、
「現代版カリブの海賊」 [4]
というしかありません。
😈 ケイマン諸島 [2]には、今も昔も海賊がいる、ってことです:twisted:
日本人として祖国の防衛をどうするか、本気で考えるとき だと思います

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