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温暖化と経済(3)〜省エネ製品にだまされるな〜

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省エネ製品、エコ製品と呼ばれる物が巷に出回っています。省エネ製品は環境に優しいと言うことで、多くの人に受け入れられ、評価を得ているようです。でも、省エネ製品の普及には隠された意図があります。それは、市場拡大です。

ちょっと古いニュースですが、こんなニュースを発見しました。

環境・循環型社会白書:技術開発と省エネ製品購入を強調 [2]

 政府は5日の閣議で、07年版の環境・循環型社会白書を了承した。地球温暖化防止対策で二酸化炭素(CO2)など温室効果ガスの排出削減のため、技術開発の重要性を強調した。さらに「人々に広く使われて初めて排出削減効果を発揮する」として、省エネ製品の購入を訴えた。

 白書では、築10年の一戸建てに住む夫婦と子供2人の典型的な家庭を例に、既存の製品を省エネ性能の高い製品に買い替えた場合のCO2削減効果を試算した。エアコン、冷蔵庫、照明器具、ガステーブル、テレビ、洗濯機、衣類乾燥機、温水暖房便座、給湯器などを買い替え、窓ガラスを断熱性能の高い複層ガラスに取り換えると、1年間で、CO2排出量は約4割(約2トン)減少し、光熱費は約15万円節約できるとした。

 このため「既に実用化された省エネ技術や製品を、社会の隅々に行き渡らせることのCO2削減効果は大きい」と結論付けた。

 また資源を有効活用する循環型社会の構築のため、ごみの減量、商品の再使用、再利用の「3R」でも技術開発が重要だとした上で、「もったいない」という日本の文化にふさわしい形で技術を生かし、ライフスタイルを見直すことが大切だと述べた。【江口一】

毎日新聞 2007年6月5日 11時04分

政府の発言でありながら非常に矛盾していると思います。

>省エネ製品の購入を訴えた

とありますが、製品を選ぶとき、省エネ製品を選択するのは確かに省エネには有効です。しかし、

>「もったいない」という日本の文化にふさわしい形で技術を生かし、ライフスタイルを見直すことが大切だ

と言っておきながら、

>エアコン、冷蔵庫、照明器具、ガステーブル、テレビ、洗濯機、衣類乾燥機、温水暖房便座、給湯器などを買い替え、窓ガラスを断熱性能の高い複層ガラスに取り換える

ことを奨励しているというのはおかしい。この発言は、これらを買い換える時に発生する大量の廃棄物や、新しい製品を生産するときに消費されるエネルギー等を完全に無視しています。これは省エネを隠れ蓑にし、消費拡大→市場拡大を狙った発言だと思います。

それに、本当に省エネを考え、ライフスタイルを見直すのなら、衣類乾燥機、温水暖房便座、テレビなどは、本当に生活に必要なのでしょうか?さらに、少々我慢すればエアコンもなくても生活していけますし、洗濯機も・・・。言い出したらキリがないですが、他にもエコ製品と言われているものの中には、「本当に必要なの?」っていうものがいっぱいあるように思います。

エコという言葉がつけば、「地球に優しいので売っても大丈夫、使っても大丈夫」という意識が生産者・消費者に生まれます。これまで様々なエコ製品が普及してきましたが、その結果、消費は拡大し、結果として環境負荷は増大してしまっています。

政府やマスコミは、環境よりも市場拡大を優先した発信をしています。このような発信で国民をだまし続けるのは問題ですし、犯罪的と言ってもいいのではないでしょうか?

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