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地域ブランド…最近の動き

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最近、日本企業の体力が回復の兆しを見せ、地方での設備投資が始まり、各自治体では企業誘致に積極的に取り組みはじめているようです。
そして、もうひとつの地域振興への取り組みとして「地域ブランドを確立して町おこし」を目指す取り組みが挙げられます。
今回は、その状況をレポートします。
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まず、地域ブランドに関する国の戦略「JAPAN BRAND」というものがあります。(リンク [1]
そのコンセプトはなかなかの優れもの。

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地域ブランドの振興に取り組もうとする活動に対する情報提供や補助金などの国からの支援措置が用意されています。
一方、地域での取り組みは以下のような状況のようです。(リンク [2]

1. 約6割の自治体が「積極的に取り組んでいる」
・「積極的に取り組んでいる」が38自治体(構成比62.3%)で最も多かった。
2. 自治体は「地場農作物のPR」、商工会・商工会議所は「新たな地域ブランドの計画・育成」
・自治体では「地場農作物のPR」が56自治体(選択率91.8%)で最も多かった。
・商工会・商工会議所の最も多かった回答は「新たな地域ブランドの計画・育成」で、25商工会・商工会議所(同61.0%)が回答した。
3.地域ブランド育成・振興に欠かせないもの〜 「地場企業それぞれの自助努力」
・ともに「地場企業それぞれの自助努力」が最も多く、選択数はそれぞれ、46自治体(選択率75.4%)、27商工会・商工会議所(同65.9%)であった。
・「助成制度」をあげた企業は、1割弱にとどまる122社(同9.5%)だった。
4.自治体、商工会・商工会議所の共通の問題点は「販路・物流ルート開拓が行われていない」「予算が少ない」
・自治体の回答で最多(43自治体・選択率70.5%)の「販路・物流ルート開拓が行われていない」は、商工会・商工会議所でも2番目(27商工会・商工会議所・同65.9%)に多く選択された。
・商工会・商工会議所の回答で最多(29商工会・商工会議所・同70.7%)の「予算が少ない」は、自治体では3番目(36自治体・同59.0%)であった。

上記の調査の結論は以下のようになっています。

地域ブランド形成のプレーヤーは地場企業、自治体には地場企業のサポートが望まれる
2割前後の自治体が「グランドデザインが定まらない」「どの産品に競争力があるか分からない」を選択しており、取り組みを始めたもののいまだ試行錯誤の自治体が多いという現状が浮き彫りとなった。
また、地域ブランド育成・振興に欠かせないものとしては、自治体・商工会・商工会議所ともに「地場企業それぞれの自助努力」を挙げている。
(中略)
このように、「地場企業それぞれの自助努力」は地域ブランドに欠かせないものであることは間違いないが、地場企業1社で実現できることは限られている。このため、自治体は地場企業が地域ブランドに取り組もうとした場合に地場企業間の連携をサポートする、または、地域一丸となった取り組み実現のため地域住民を巻き込むような意見交換の場を設ける、などの役割を積極的に果たしていくことが望まれる。

一般的な地域ブランドについての考え方は、地域の特産品や観光資源などの市場価値を高めることを目指し、その成果として地域経済の振興や地域の人々の活力を高め、ひいては地域の人口回復などを目指す戦略として位置づけられるものだ。
リンク [3]
それはそれで一定の効果はあると思われるが、それだけでは何か一味足りない感じがする。
目指すところは、地域の人々が自分たちのまち・地域をいかにしてよくしていくか考える当事者になっていくことだろう。
地域ブランドはそのひとつの足がかりとして位置づけられるものであって、市場価値の達成をもって終わりにしている限りは目先でしかないだろう。
地域の課題とは単に経済だけでなく、教育、高齢者、環境などあらゆることが含まれている。それらを縦割りにして目先的に対処する限りは今までと大差ない。
地域の人々が当事者になって、自分たちが生きる場をどうしていくかを考え、協働して実現していくことが目標であることを忘れてはならないと思う。
by わっと

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