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崩壊したWTO体制とインドのプレゼンス

■崩壊したドーハ・ラウンド
 2001年以来続いてきたWTOの貿易交渉であるドーハ・ラウンドの行き詰まりを打開するために、6月、ポツダムで会議が行われた。出席国は、米国、EU,インド、ブラジル。結果は決裂。これをもって、ドーハ・ラウンドは事実上、崩壊したといってよい。
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 これまで、WTOは、欧米諸国の主導権により動いてきた。しかし、2003年のカンクン(メキシコ)でのWTO閣僚会議において、途上国が連合し、決裂にいたって以来、現在、G20と呼ばれる主要途上国が、他の発展途上国を含めた利益代表者として発言力を強めている。

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■G4ブロックの発言力
 G20は、G4ブロックと呼ばれる、中国、インド、ブラジル、南アフリカの4カ国の動きが注目される。中国を除く3カ国は、IBAS(India-Brasil-Africa do Sulの略)と呼ばれ、首脳レベルの会合を続けている。
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 IBASは、経済分野での協力に止まらず、軍事、貧困などの政治協力も掲げている。
 インドは、これまで、平和共存の立場から、非同盟外交の立場をとり続け、外交面では、消極的であった。が、そのスタンスは反転しつつある。
■日本のエネルギー安全保障の行方
 インドは、サハリン、オーストラリアの原油、ガス、金属資源に対して官民一体で資源外交を進めている。豊富な鉱産資源、宝石類が眠るミャンマーに対しては軍事協力も進めている。
 日本に関していえば、インドなどの主要途上国が発展することで影響がでるのは、例えば、資源確保の点である。世界の資源需給は逼迫する方向にあり、オイル・ショックの再来もありうる。
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 これまで日本の外交は、アメリカの後ろ盾で行われてきた。しかし、世界経済における主要途上国の台頭によって、アメリカの存在感が相対的に薄れていくなかで、このままでは日本は孤立しかねない。文字通り、国家の存続をかけた選択が迫られている。

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