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原子力発電所の現状

中越沖地震による柏崎原子力発電所の予想を超えた被害が耳目を集めています。
そこで世界と日本の原発の実態を少し調べて見ました。
先進国の発電手段比較 [1]」を示します
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まず2003年現在 先進国の発電所の数は次の通りです。
アメリカ:103基(10243) フランス:59基(6613) 日本:53基(5935) ロシア:33基(2556) 韓国:26基(2452) ドイツ:18基(2169) 世界合計:498基(43549)
既存の基数では圧倒的にアメリカが多い。しかしアメリカは1979年のスリーマイル島の大事故以来、原発の建設を凍結していました。
しかしブッシュ政権2001年それを解禁する決定を発表しました。
日本もそうですが、その背景には地球温暖化ガス規制に対する対策が遅々として進まないことと、原発の経済性の良さ、があるといわれています。
日本の原子力発電が背負った重い課題 [2]」に拠れば、
世界一の原子力発電国アメリカは原子力が総発電量の20%を占め、2010年迄の新規発電所建設を含めた「原子力2010プログラム」を発表している。核兵器から取り出すプルトニウムをプルサーマルに利用する計画もある。昨年の世論調査では国民の60%以上が原子力発電に賛成している。  
・フランスは、総発電量に対する原子力の割合は76%と世界一で、プルサーマルを実施している。
・中国も原子力発電所の建設は活発で、今後も発電能力は急速に伸びると予測されている。  一方、
・ドイツでは2002年に「改正原子力法」により、原子力発電所は32年間分の発電をした後に閉鎖する>事となった。
・ベルギーも40年後には廃止の方針である。
・スウェーデンは1980年の国民投票で、2010年迄を期限に全原子力発電所の閉鎖を決めたが、その後、達成の見込みがないとの理由で期限を撤回している。

日米の発電量内訳比較 [3]は以下の通り。
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次に 建設コストを見ると(以下ウイキペディア [4]
発電所建設費の例・原子力 泊発電所3号機 約2900億円 91.2万kW(出力)平成20年10月運転開始
・水力(揚水型)  神流川発電所  5250億円 270万kW(最大出力)1997年5月工事開始、2011年7月工事完了予定
・天然ガス 市原発電所 約100億円 11万kW (出力)平成16年10月運転開始
・石炭 敦賀火力発電所2号機 1275億円 70万kW(出力) 平成12年9月運転開始
ということは、100万KWあたり原発は約3000億、水力は2500億、火力は1800億という建設費で、原発と水力ではそれほど大きな差はありません。
一方、平成11年に通産省資源エネルギー庁が発表した 1KWhあたりの発電コストは以下の通りで、原子力と火力はほぼ同等。水力は倍以上となっている。
原子力:5.9円
LNG火力:6.4円
石炭火力:6.5円
石油火力:10.2円
水力:13.6円
次に 1kWhあたりの二酸化炭素排出量「温室効果の原因となる二酸化炭素の排出量が少ないことは、原子力発電の利点の一つとされている。電力中央研究所が平成12年に発表した試算によれば、原子力をはじめとする各種発電方式について、発電所の建設から廃止までの発電量と二酸化炭素排出量を考慮した、1kWhあたりの二酸化炭素排出量は以下の通り。」
原子力22グラム
水力 11グラム
LNG火力608グラム
石油火力742グラム
石炭火力975グラム
確かに、火力に比べると圧倒的に水力と原発の排出量は少ない。
しかし、経済性、温暖化ガスの少なさだけに目を奪われることなく、先送りされている核廃棄物処理の問題と併せて、今回の柏崎の原発事故に見られるように、そもそも原発は現在も将来的的にも本当に安全・安心なのか実態解明を進めていく必要があります。

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