- 金貸しは、国家を相手に金を貸す - http://www.kanekashi.com/blog -

病院の営業マンって何するの?

モノが売れない時代 ・・・・。

どの企業でも 営 業 が重要視されています。どんな優れたモノでも売れなければ話にならない。
この論理は今や 病 院 にもいえることなのです。
今回紹介する医療法人鉄蕉会亀田総合病院は、「患者力で選ぶいい病院」(扶桑社:2002年4月発刊)で総合ランキング1位に選ばれるなど、メディアでしばしば登場する病院です。

その亀田総合病院では、2005年3月に竣工した病棟(通称:Kタワー)のオープンを契機に
営業業務「カスタマーリレーション部」一本化しました。

亀田といえば「柿ピーやん」という人も、亀田といえば、「ボクシングの亀田三兄弟やん」という人も、応援クリックポリ、ポリ、バシッとお願いします。


クリックありがとうございました

それまで亀田総合病院では

・地域医療機関との病院・診療所連携等の促進について・・・・「地域医療NW室」
・院内アメニティサービスの提供について・・・・・・・・・・・・・・・・「院内サービス係」
・患者向けイベント、医療機関向け集会について・・・・・・・・・・・「経営企画室」
・各種刊行物の出版、案内資料作成について・・・・・・・・・・・・・「広 報 課」
・療養型病院、介護施設の連携、医療・福祉相談について・・・「総合相談室」
 
・入院予約、受付、案内業務について・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「医 事 課」

と横の連携が図りづらい状況にあった。

これらを「カスタマーリレーション部」に統合し、さらにそこに元ホテルマンの山田剛士氏を中心人物に据えた。
彼が打ち出した営業活動方針とは

①営業ターゲット(地域、患者、医療機関、行政、保険者、企業など)を明確化しそれに応じた商品(治療方法や検査など)・営業方法の決定
②マーケティング分析を行い、各診療科の特性を生かした営業展開を行うこと
③富裕層の取り込みを行うこと

10021925640.jpg
まさにthe営業ってとこですね〜

この方針をもとに、一般企業や健保組合、及びその成員を対象とした渉外活動を診療圏である南房総地域から、千葉市や幕張エリア、都内まで足を運び、一般企業の“営業マン”同様に営業活動している。
具体的には大型百貨店やショッピングセンターでの「健康フェア」で無料医療相談や医師による講演会を開催。
またビジネスマンやその家族を対象とした幕張副都心での健康教室相談会、乳がんや子宮ガンなどを話題を解説し検診の大切さなど患者啓発活動も積極的に行っている。
06年に「はとバスツアー」 を企画し、亀田総合病院の見学とKタワー最上階にある房総の旬の食材を生かした展望レストランでの食事をパックにし、多くのツアー客を呼び込んだ。

この結果、診療圏とする南房総地域以外の来院患者数の推移は、
外来患者数では 04年4.5%→05年 5.3%→06年 6.4% と年々上昇。
入院患者についても 04年7.9%→05年10.7%→06年12.2% とこれまた上昇
という成果を生み出している。

しかし闇雲に患者をかき集めているわけではない。
2008年4月に義務化される特定健診・特定保健指導という巷で言われる大きなビジネスチャンスについては、「あくまで急性期中心の病院なので健診を今以上受け入れると急性期医療提供に支障が出る。」という判断で、積極的ではない。

なるほど、様々な営業の場作りを戦略に応じて展開しているようです。


では、具体的な折衝場面ではどうしているのでしょうか?
亀田病院では、現在“ウリ”にしている乳腺科や脳神経外科、婦人科、さらに腫瘍内科などの診療科については、上記のターゲットを明確化した営業展開の中で対象となる患者(特に高度医療が必要な患者)を遠方にも出向いて積極的に招致しているのです。

まさに医師の技術をパンフレットに入れて客をゲットしているということなのです。

顧客の獲得は先進的な治療や手術を行なう医師自身の意識の低下を防ぐのと同時に、優秀な医師を招聘するときの、”先生の望む適応症例を集めます”という口説き文句につながる。

巷で問題となっている医師確保においてもこの営業活動は大きなプラスをもたらしているようです。

病院業界内の序列が崩れ 、一方で医師・看護師不足や診療報酬の減収による経営の悪化という二重の圧力に晒されている病院。
それを打破するには、患者による新しい序列(ヒエラルキー)の形成とその上位に位置することが必要となります。だから病院において営業がクローズアップされてきているのでしょう。

企業において、営業活動は外圧(みんなの期待)を鮮明にし、それと内圧(所員の応望)をつなぐ最も重要な機能。

それを鮮明に役割として打ち出し、実践する組織が病院においても企業においても勝っていけるのだと思いました。

(参考:2007年7月フェイズ・スリー)
byコバヤシ

[1] [2] [3]