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地価の行く末は?

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9月20日に平成19年度の基準地価が発表された
地価の回復傾向が進んでいる、全国商業地が16年ぶりに上昇に転じる
などの見出しが新聞紙上をにぎわした
昨年も今頃の時期に基準地価が発表されたが、そこでの分析はどうだったか…
それらを踏まえて、地価の先行きがどうなるのかを考えてみたい
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●平成19年度の基準地価について、概ね以下のようなポイントが各紙から発信されている。
昨年来の地価の回復傾向が進展
3大都市圏は2年連続上昇、福岡、札幌、仙台の商業地は平均10%を超える上昇で、地方に波及
全国商業地は1.0%上昇し、1991年以来、16年ぶりに上昇に転じた
全国住宅地は16年連続の下落傾向だが、4年連続で下落幅が縮小し、0.7%とほぼ横ばい
都心の一部では上昇傾向が沈静化する傾向が出はじめており、ミニバブルの様相に実需が追いつかなくなりつつある(国交省)といった分析も
地方圏は人口過疎化で、一部を除き下落傾向に歯止めがかかっていない
●一方、平成18年度の基準地価について、1年前に発信された内容は概ね以下のような内容だった
・「三大都市圏 16年ぶり上昇 脱・土地デフレ色濃く」といった見出し
東京23区では全て上昇、大阪も上昇に転じており、名古屋の商業地の値上がりも注目すべき
地方圏では下落幅が縮小しているものの未だ水面下にあり
大都市圏の上昇原因としては、以下のようなポイントが挙げられていた
(1)景気の回復・拡大、企業の好調な業績によるオフィス・店舗需要の高まり
(2)雇用環境の好転(所得の増加・失業率の低下)による住宅に対する需要が堅調であり、更に増加の兆も見えること
(3)再開発によるインフラ整備・利便性の向上(社会的集積性)で大型・高層オフィスビル・マンション等に対する需要が非常に高いこと
(4)不動産投信(REIT)等、数兆円に及ぶ投資マネーが流入(一部、地方にも向かい始める)
どうやら、昨年からの地価動向が継続しているようだ
全体としては、地価の回復傾向が続いているが、二極化の様相
都心では、ミニバブルともいえる状況も出現し、急激な上昇は沈静化の兆し
地方はいまだに下落傾向が継続
●次に、これからの地価がどうなってゆくのかを考えてみたい
・まず、昨今の地価上昇の一番の要因は投資マネーの流入によるもの だから、永続するものではないはずだ。
あまったマネーが投資先を求めて不動産市場に流入したが、それは他の市場に比べて利幅が大きいという理由だから、状況が変わればそれらのマネーは引き上げてゆく
実際、サブプライム問題で発生した米国での赤字を埋めるため日本国内での資産を売却する動きもあるようだ
・現在は、輸出で稼いでいる一部の企業の業績が好転しオフィス需要が高まっているが、いつまでも続くとは限らない。今後のアジア各国などの成長に乗ってゆければしばらく継続する可能性はあるが、いつまでも続くとは言えない。
国内の人口が減少過程に入っており、今後オフィスも住宅もあまってくるはずで、長期的に地価が上昇することはありえない(1999年が労働人口のピーク、2004年が人口のピーク)今は、世帯数がまだ増加しているので住宅の需要もあるが、いずれ頭打ちになるはずだ。
地方の人口減少は今後も継続する可能性が高い から、一部を除いて地方での地価の上昇はほぼなさそう
基礎的な条件を踏まえると、長期的に地価が上昇してゆくことはありえないだろう。
このことをどう受け止めるかが重要だ。
経済は右肩上がりでなければならない、と信じ込んでいる人たちにとってはゆゆしき問題かもしれないが、そのような考え方が間違いの元であったことを自覚すべきだろう。
むしろ、これからの社会にとって必要な施設整備や開発などがやりやすくなり、可能性が広がると受け止めるべきではないだろうか。
by わっと

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