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炭素税をめぐる議論3 〜CO2削減に有効な政策は?〜

続いて、「このブログ応援団!」さんの提起
http://www.kanekashi.com/blog/2007/11/000383.html [1]
③炭素税の議論だけでなく、どうすればCO2を削減できるのかについての政策とセットで考える(自然エネルギー・公共交通の整備など)
についてです。
いろんな論考が出回っているけれども、一番象徴的というかアツくなっている(パンダでおなじみの) WWF の報告書を見てみました。
WWF のシミュレーションは排出量6%削減を実現するために、温室効果ガス削減コストとして20%の追加的従価税(30ドル/炭素トンにほぼ相当)を掛けたとしても、日本市場はその技術革新により  GDPが473億ドル増加するとしています。その中心にあるのは技術革新→新技術生産による機械産業の伸びだそうです。だからこのチャンスをみすみす逃すのは愚行だと主張しています。
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http://www.wwf.or.jp/activity/climate/lib/kyotoprotocol/motarasukaj.pdf [2]
より転載しました。
そして、
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また、 WWF が有効とする政策、方策をたくさん並べて提言しています。

利用効率の高い最新技術の積極的普及
ハイブリッドカー、 燃料電池自動車、高効率蛍光灯、LED(発光ダイオード照明)、インバータ制御モータ、燃料電池コジェネレーション、アモルファストランス、高性能工業炉、太陽電池、風力発電、バイオマス発電など
サービス経済への移行
リフォーム・ビジネスの奨励、レンタカー・ビジネスの奨励(カーシェアリング・ビジネス)、自動車メンテナンス、家電製品の修理・リサイクル、オフイス・レンタルサービス、ESCO(モータの効率的利用サービス・ビジネス)、効率の高い照明灯配布計画
ライフスタイルの変革
軽・小型自動車の奨励、環境定期券、エコドライブ・ライセンス、過剰な照明・冷房・暖房の抑制
CDM/JI
天然ガス発電所の建設、太陽電池、風力、バイオマス・バイオガス発電の設置、省エネルギー技術の移転

http://www.wwf.or.jp/activity/climate/kyoto/japan.htm [3]
上記を推進するとCO2削減と同時に機械産業が伸びてGDPが上昇するというのは本当なのでしょうか?
確かに有効だろうと思われる政策もありますが、結果GDPが上昇、消費拡大するんだとしたら製造業が息を吹き返して生産しまくり、輸出入が拡大、国内輸送エネルギーも大幅増、またまた新道路建設なんてことになりかねません。
それに例えば風力発電、太陽光発電が現在の火力発電にとって代わるにはどれだけの生産量が必要か想像も及ばず、そのために排出されるCO2でまた大騒ぎになるでしょう。
環境ビジネスは市場拡大のチャンスなどと浮かれずに、市場拡大抑制を模索しなければ環境問題は解決しないのでは?
逆に上記シミュレーションの前提になっている「20%の追加的従価税を掛ける」ということは産業界にとって大打撃、個人消費も一気に縮小し、新技術開発に掛けるエネルギーも出てこないということになるでしょう。
皮肉なことですが増税が最もCO2削減にもっとも有効な政策
だとも言えます。無論、その税収をCO2排出産業に投下しないことが前提ですが・・・。
で、あまり具体的ではありませんが、ふと思いついたCO2削減方策を並べてみました。
・消費税を引き上げる→不必要な消費抑制
・生産コストより処理コストが大きくなる産業の抑制
・誰もが是と信じるリサイクルも・・・せめてサーマルリサイクルからマテリアルリサイクルへ
・効率的なbio fuelの推進・・・日本の余剰米は使えないのか?
・家電製品も昔のように電気屋さんが修理しながら使い続ける

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とか・・・。
やっぱり、贅沢をしないライフスタイルに変えていくしか方法はないと思うのは私だけでしょうか?

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