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北京レポート(速報)

街全体がオリンピックムードになっている中国の首都北京からのレポートです。
オリンピック開催に向けて、北京は今大きく変貌を遂げつつある段階にあります。
オリンピック関連の超ハイテクの巨大建造物が旧い街並みの中に突如姿を現す様子や、全面ガラスの高層ビル群が街の至る所で乱立される様子は、今までの北京の風景を一変するほどの勢いがあります。
しかしその一方で、旧い昔ながらの地縁社会(コミュニティー)が同時に失われつつあることも急速に起きています。
画像の確認 [1]←表側(高層ビル群が乱立する)
画像の確認 [2]←裏側(旧い住居郡は取り壊される)


中国国家統計局は前年同期比で13・9%増加したとは発表を行っていますが、北京市統計局の調査では六割の市民が市全体の平均収入を下回っているとの発表があります。
しかし、多くの市民が収入が増えたという実感は持っていません。
 中国で1970年代から推進されてきた改革開放政策に基づいて社会主義市場経済※が提起され、経済特区・経済開発区の設置、人民公社の解体、生産責任制の導入、郷鎮企業の育成の推進などの政策により、成果をあげてきています。
年平均10%もの成長率を記録したが、沿岸部と内陸部、都市部と農村部の経済格差の問題などが深刻化し、近年では、こうした不公平是正への配慮に重点が置かれつつあります。
「市場経済が即資本主義であるとは言えず、社会主義にも市場はある」
という鄧小平の考えがこの政策の基礎となっていますが、旧い住居群が取り壊され、新たに巨大な商業施設や高層ビル群が建設されていく様子をいる限り、街が資本主義という市場社会に飲み込まれていくかのように見えてしまいます。
※社会主義市場経済
社会主義条件下での市場経済。政治的には社会主義を維持しつつ、経済的には市場経済への移行を進めるというもの。
byぴんから北京体操

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