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CO2で稼ぐ中国

e0031500_7275655.jpg中国はCO2削減に否定的だとばかり思っていましたが、なんとこの『負の財産のはずのCO2』を活かして稼いでいるという記事が目に留まりましたので紹介します。
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以下、2007.12.17付けの毎日新聞 [1]より引用です。

 先進国が途上国で二酸化炭素(CO2)などの削減事業に投資し、見返りに排出権を得る「クリーン開発メカニズム(CDM)」。中国は大排出国だが、CDMを排出削減と資金獲得の打ち出の小づちに使っている。
「なるほど、天から金が降ってくるようなものだ」
 今月4日、中国陝西省西安市のゴミ処理業「陝西省中建実業」の会議室。石宝峰社長(63)がひざをたたいた。議題は、焼却場の余熱を有効活用する発電所の建設計画。CO2を削減するCDM事業として、先進国が建設資金を貸してくれるし、排出権の売却で、返済資金と利益も得られる。「CO2が金になる? そんなうまい話があるのか」。陝西工業技術研究院の提案を石社長ははじめ疑ったが、この日の担当者の説明に納得した。
 04年に中国でCDMをまとめた三菱商事の担当者も、いぶかる中国側を「出世払いみたいなもの」と何度も説明して口説き落とした。しかし、今やCDMで生まれた排出権の半分が「中国産」。中国にはエネルギー効率の悪い工場が多く、改善しやすいためだ。他の途上国は「チャイナ開発メカニズムだ」と皮肉る。
 山西省臨汾市の民間発電所建設現場を6日、日本の投資家らが訪れた。近くの製鉄所が出す高炉ガスを捨てずに燃やして発電し、CDM認定を受ける計画の説明を受けた。数年後には年間35万トンの排出権が生まれる見通しだ。日本の環境関連企業「PEAR」のCDM担当、佐々木一雄さん(57)は「巨額資金が武器の欧州勢が、よく気付かなかったものだ」と漏らした。中国では05年ごろにCDMブームが到来、数十万トン規模の有力案件は、ほぼ買い手が決まっている。
 日揮や丸紅は05年、共同で計4000万トンの排出権を得られる世界最大級のCDMを中国でまとめた。日本企業に250億〜300億円で転売する方針だが、売り上げの大半は中国側への支払いに消え、「赤字にならない程度」(日揮幹部)という。
 一方で中国は、排出権価格が1トン8ユーロを下回らないよう事業者を指導し、最大の売り手の強みを生かして価格維持を図っている。

ここで外務省のエネルギー基礎統計 [2]で、ちょっとCO2排出量の現状を見てみましょう。
2004年のデータでは、中国はアメリカについで世界2位。シェアは17.8%
世界全体排出量は約26,000百万トンなので、中国だけだと約4,600百万トンになります。
なるほど、大排出国ですね。
この「削減しやすい大量のCO2」をCDMというシステムを通すと、
中国の近代化+大量の資金流入という結果が生み出されています。
このCDM(クリーン開発メカニズム) [3]は、京都議定書に盛り込まれているらしいんですが、誰が何のために作り出したのか、追究してみる必要がありそうです。

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