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鉄鉱石値上げの裏に鉄鉱石メジャーあり

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鉄鉱石の値上がりが過去最高となっているようだ。

伯ヴァーレと鉄鉱石値上げ妥結。原料調達コスト高騰で来09年3月期を減額 [1]

 新日本製鉄など国内鉄鋼大手は、ブラジル資源大手ヴァーレ(旧リオドセ)との間で2008年度の鉄鉱石購入価格を決定した。値上がり率は前期比65%増で05年度(同71.5%増)に次ぐ過去2番目の水準。値上がり額としては過去最高となる。

原油価格を始め、主要原材料の高騰が続き、日本の貿易収支も過去3ヶ月連続で赤字となっている中、鉄鉱石の高騰が日本経済に与える影響は大きい。

鉄鉱石の埋蔵量は他の資源に比べて圧倒的に多く、1470億トンあり、資源寿命としても、130年と言われている。そのような豊富な資源が、なぜ今値上がりしているのだろうか。


一つの原因としては、世界的な需要増があるだろう。中国では、空前の建設ラッシュが巻き起こっており鉄が圧倒的に不足している。他の国々でも鉄の需要は大きい。そんな需要に生産が追いついていないのだ。

だが、もう一つ注目すべき点は、鉄鉱石メジャーという存在だ。

鉄鉱石は主にブラジル 、オーストラリア、中国、インド、ロシアの5カ国で世界の70%が産出されているのだが、その生産・販売を主にになっているのが、鉄鉱石メジャーと呼ばれる3社である。その3社とは、ヴァーレ(旧リオドゼ)、リオ・ティント、BHPビリトンである。

今回の鉄鉱石の値上げは、この中でもシェア1位のヴァーレが新日鉄を始めとする世界の数社との交渉結果なのである。他のリオ・ティント及びBHPビリトンは、まだ価格交渉が終わっていないが、先行したヴァーレの結果と概ね近い結果になるだろうと予測されている。どうも、鉄鉱石の価格は、鉄鉱石メジャーによって決められているようだ。

さらに気になるニュースがある。

BHPビリトン、リオ・ティントにTOB——買収条件引き上げ [2]

 【シドニー=高佐知宏】英豪資源最大手BHPビリトンは6日、英豪資源大手リオ・ティントに対する買収条件を引き上げたと発表した。リオ株1株に対する交換比率を従来の3株から3.4株にした。買収額は1474億ドル(約15兆7400億円)に達する。統合が実現すれば世界の鉄鉱石市場で7割のシェアを握る資源業界の「スーパー・メジャー」が誕生するが、リオのスキナー会長は同日、「(BHPの提案を)慎重に検討する」と述べるにとどめた。

 BHPのクロッパーズ最高経営責任者(CEO)は同日、買収条件を引き上げたことで「リオの株主にとって受け入れざるを得ないものになった」と強調。米、豪、南アフリカなどの競争当局の認可を得た上で「12カ月以内に100%の取得を目指す」と語った。

なんと、鉄鉱石メジャーの2位と3位が買収により統合されようとしている。そうなると、ヴァーレを抜いて最大手となるのだが、なんとこの2社、両方共がロス・チャイルド系企業なのだ。上記の統合が成立すると、ロス・チャイルドは、世界の鉄鋼資源を抑ることになる。そうなると、鉄鉱石の価格も、より自由に決定出来るようになり、さらなる値上げが予想される。

国際金融資本家による資源支配というと、ロック・フェラーの石油が注目されているが、実はロス・チャイルドも資源支配を進めている。上記2社は、鉄鉱石の他にも、鉄、ダイヤモンド、石炭、石油、ボーキサイト等の資源を扱っており、さらにロス・チャイルドは、金・白金等の世界シェアが1位のアングロ・アメリカン社もロス・チャイルドが資本支配している。

資源の独占化が進むことによって、これからもあらゆるものが値上がりしていく可能性があるだろう。

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