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最近の外資の動向

お久しぶりのコスモスです。
 
シリーズ [1]を終了してから新しいテーマを探しているわけですが、世の中が騒がしすぎてどうにも焦点が定まらない...などというのは言い訳で、単に忙しくて御無沙汰しているだけですが、昨年8月からの金融不安もしぶとく土俵際で粘り続けており、ドル下落も目立ってきたのでもう少ししたらどっかが介入などして水入りしたりして、あと半年ぐらいはグダグダ状態が続くかもしれないな〜〜などと考えながら、1929年の世界恐慌の時もこんなんだったのかも知れないと調べようかと思いつつ、中東も不安げだし、オバマvsヒラリーも役不足だし、日本の政治は終わってるし、世界金融資本家は何を考えているのかわからんけど、原油を上げられるだけ上げといて、ボロ儲けを企んでるのだけは見え見えで、好き勝手やるのもいい加減にしてちょ、と言いたい今日この頃ですが、最近の外資は日本でどうしているの?という声があったものですから、今回は『外資ウォッチング』です。
 
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  デフォルトしたカーライル・キャピタルのロゴ 
 


 
 
サブプライムの影響を受けて資金繰りに苦しい弱い外資は手持ちの資産を手放し中で、そこそこ余裕のある外資は先を見据えてボチボチ資本投入という構造だと思うんですが、昨年8月以降の日本で活躍する外資の動向をメモっときます。(目新しい情報があるわけではないんですが、まとめて書いとくと背景が何となく見えてくるもんですから)
  
 
■ゴールドマン・サックス【元気度◎】
 
・2007/9/21
 大手投資銀行の米ゴールドマン・サックスによるインドへの投資額が、2006年2月以降の合計で約8億ドルに達した。ゴールドマン・サックス・インディアのL.ブルックス・エントウィスル社長兼CEOの話として9月20日付PTI通信が報じた。
 
・2007/12/14ロイター
 米紙ウォールストリート・ジャーナル電子版は13日、関係筋の話として、米投資銀行大手のゴールドマン・サックス・グループが、サブプライムモーゲージ(信用度の低い借り手への住宅ローン)を担保とした証券のショート戦略に成功し、この戦略に関連して2007年11月末までの1年間に40億ドル近くの利益を上げたと報じた。
 WSJは、ゴールドマンが純利益ベースで110億ドルを上回る「過去最高」の通期利益を発表する見通しだと伝えている。
 
・2008/1/10ロイター
 米紙ウォールストリート・ジャーナルは10日、関係筋の話を引用し、米証券大手ゴールドマン・サックス・グループが、中国の合弁会社会長の立ち上げるプライベートエクイティファンドに3億ドル投資する計画だと報じた。
 
・2008/2/12東京レポート
 昨年12月下旬に行われた大東建託の買収入札。一次入札を経て残った買い手候補は、(1)ゴールドマン・サックス、(2)モルガン・スタンレー、リーマン・ブラザーズの2社連合、(3)米不動産ファンドのエートス、不動産会社の森トラスト、国内買収ファンドのユニゾン・キャピタルの3社連合−−の3グループ。(→この件はエースト連合で決着する模様)
 
・2008/2/29ロイター
 運用会社のジャパン・ホテル・アンド・リゾートは米ゴールドマン・サックスグループの100%子会社。同社が運用するREITであるジャパン・ホテル・アンド・リゾートが、ゴールドマンのグループ会社が保有する建物を取得した際、看板の設置費用を売主のグループ会社側が負担する契約になっていたにもかかわらず、買い取った後にREIT側が負担した。建物のテナントから未発注の看板の設置を求められたため。証券監視委は、REITがグループ会社に代わって看板の設置費用234万円を負担したことによる利益相反を認め、運用会社とREITの両社に行政処分の出すよう勧告した。
 
・2008/3/6cybozu.net
 不動産投資額が230億ドルを超えるゴールドマン・サックスは、ロシアの開発プロジェクトに対する投資を開始した。コメルサント紙によると、ゴールドマン・サックスは、BRICs諸国(ブラジル・ロシア・インド・中国)の不動産投資を専門とした40億ドル規模の不動産投資フォンドを設立する。ロシア国内不動産市場では、他の投資機関による投資は減少傾向にあるが、ゴールドマン・サックスが40億ドルのうち半分をロシア不動産に充てる予定である。
 
・2008/3/6産経ニュース
 米証券大手ゴールドマン・サックスは5日、1億ドル(約104億円)を投じて今後5年間、発展途上国や新興国などの女性約1万人を対象にビジネスに関する学習機会を提供する事業を始めると発表した。欧米の大学と途上国の教育機関の連携を通じて実務的な知識を伝達し、実業家や管理職の育成を進める。
 同社は「途上国、新興国が経済発展を遂げるため女性の教育強化が不可欠だ」と指摘した。
 
・2008/3/8nikkansports.com
 【ニューヨーク7日共同】米証券大手ゴールドマン・サックスが経営トップ5人に対して支払った2007年の報酬額が合計で約3億ドル(約310億円)に達することが7日分かった。
 同社は米サブプライム住宅ローン関連の資産担保証券の急落を見込んだ「逆張り」投資で07年11月期に年間最高益を挙げたため、経営陣が受け取る報酬額も高額となった。
 米紙ニューヨーク・タイムズによると、ロイド・ブランクファイン最高経営責任者(CEO)が6850万ドルを受け取った。共同社長ら残る4人の報酬は4400万−6750万ドル。
 
 
■モルガン・スタンレー【元気度△】
 
・2007/12/19共同
 米証券大手モルガン・スタンレーが19日に発表した9〜11月期決算は、米国の低所得者向け高金利型住宅ローン(サブプライムローン)関連の金融商品などの評価損失が94億ドル(約1兆600億円)に急拡大、最終損失が35億8800万ドルとなり、1986年の株式公開以来、四半期で初の赤字に転落した。
 
 同社は自己資本を増強するため、中国が外貨準備の効率運用のために設立した国有投資会社「中国投資」から約50億ドル(約5650億円)の資本を受け入れると発表した。
 
 
・2008/02/15
 サッポロホールディングス(HD)は15日、2008−09年の業績目標などを盛り込んだ経営計画を発表した。「エビス」ビールをはじめとする主要商品の販売に重点を置く一方、原価低減や合理化も進めて収益体質を強化し、連結営業利益を07年12月期の123億円から09年12月期には155億円に引き上げる。また、米モルガン・スタンレーとの協力や新規物件の取得などを通じ、不動産事業をてこ入れする方針。
 
・2008/2/18<NIKKEI NET>
 傘下の不動産ファンドを通じ、米シティグループが保有する東京・天王洲の大型オフィスビル「シティグループセンター」を約480億円で購入したことが18日わかった。シティは保有資産の圧縮をめざして昨年から同ビルの売却を検討。日本の不動産市況の先行きを依然として強気にみるモルガンへの売却を決めた。
 
・2008/2/22日刊ベトナムタイムズ
現行規定では、ベトナム企業の株式購入する外国投資家は全員ベトナムドンで精算しなければならない。しかし、1月25日ベトナム石油・ガス公社(ペトロベトナム)はモルガン・スタンレー社が外貨で石油・ガス金融会社から株式を取得できるよう政府に許可申請した。
 
・2008/2/26
 シンガポール政府投資公社(GIC)の不動産部門であるGICリアル・エステートは26日、米モルガン・スタンレーと米スターウッド・キャピタルが共同保有するウェスティンホテル東京(モルガンが運用する不動産ファンドが2004年、サッポロホールディングスから501億円で買収)の買収手続きを完了したと発表した。取得金額は770億円。GICは同ホテルの営業を継続し、長期保有により資産価値を高める戦略とみられる。
 
・2008/3/13nikkeiBPnet
 新生銀行は3月13日、東京都千代田区にある本店不動産を、米証券大手モルガン・スタンレーが運用する不動産ファンドに1180億円で売却すると発表した。新生銀は米国の低所得者向け住宅ローン(サブプライムローン)問題の影響を受け、2008年3月期の経常利益が従来予想を大幅に下回る見込みとなったが、本店売却により純利益は従来予想を上回る見通し。
 
 
■ブラックストーン【元気度△】
・2007/10/25産経ニュース
 世界最大の投資ファンド、米ブラックストーン・グループが日本に初進出することが明らかになった。近く東京・丸の内のAIGビルに日本法人の株式会社「ブラックストーン・グループ・ジャパン」を設立、日本での事業計画などを来月正式発表する。同グループは中国政府が出資するファンドで知られるが、米ニューヨーク証券取引所に上場し、自社株を対価に日本企業を買収する「三角合併」も可能となる。巨額の資金を動かせる最大手ファンドの上陸は、日本のM&A(企業の合併・買収)市場を大きく揺るがすことになりそうだ。
 
・2008/1/11livedoorニュース
 1月10日、中国国家発展改革委員会は、米国系投資ファンドのブラックストーングループ(Blackstone Group L.P).が国有企業の中国藍星(グループ)会社の株を、20%買収することを許可したことを明らかにした模様。今回、ブラックストーングループ側が総額6億ドルの投資に同意したという。
 
・2008/2/29時事通信
 世界最大の投資ファンド、米ブラックストーン・グループが大手ホテル「チサンホテル」グループの買収に名乗りを上げたことが28日、明らかになった。ブラックストーンは昨年秋に東京都内に事務所を開設し、日本市場に本格進出。今後、チサンホテルなど優良不動産物件への投資拡大を狙うほか、企業の大型買収案件も順次手掛けていくとみられる。 
 
2008/03/13NIKKEI NET
 米投資ファンド、ブラックストーン・グループが10日発表した2007年10—12月期決算は、米一般会計基準ベースの最終損益が1億7000万ドル(約170億円)の赤字だった。昨年6月の新規株式公開に伴う費用の一部や、信用力の低い個人向け住宅融資(サブプライムローン)による市場の混乱が響いた。
 
 
■サーベラス・キャピタル・マネジメント【▼】
 
・2007/12/27
 米建設機械レンタル大手ユナイテッド・レンタルズ(URI)に対する70億ドルの買収提案を巡る交渉が難航し、買収見送り。
 ここ数カ月の間に、ユナイテッド以外にも2件の買収案件が流れたほか、数件の投資は期待外れに終わり、米自動車メーカーのクライスラーや米金融会社GMACフィナンシャル・サービシズといった大型投資先の問題は悪化する一方だ。
 関係者によれば、信用収縮が最悪な状態にある今、260億ドルの運用資産を持つサーベラスは買収を手控えている。ポートフォリオの見直しにも積極的に取り組んでいる。中には投資先にしてやられたケースもあるようだ。
 
・2008/2/21金融業界
 あおぞら銀行は21日、会長兼最高経営責任者(CEO)の能見公一氏(62)がCEOを退任する人事を発表した。後任にはフェデリコ・サカサ社長(57)が就任する。能見氏と大株主の米投資ファンド、サーベラスとの間で経営方針をめぐる対立があったことが理由とみられる。能見氏は農林中央金庫専務理事などを経て平成19年2月、あおぞら銀の会長兼CEOに就任。昨年11月の住友信託銀行との包括提携など中長期的視点で成長戦略を進めていたが、早期の投資回収を狙うサーベラスとの対立が表面化したもようだ。
 
・2009/3/10NIKKEI NET
 人材派遣大手グッドウィル・グループの主取引銀行であるみずほ銀行は10日、同社向けの貸出債権1000億円程度を米大手ファンド、サーベラスと米証券大手モルガン・スタンレーの2社連合に売却する方針を固めた。2社は買い取った貸出債権の一部を株式に転換、筆頭株主としてグッドウィル再建を主導する。筆頭株主の折口雅博会長は退任、新社長には社外取締役の堀井慎一氏が就く。
 
■ローンスター【▼】
 
・2007/11/22
 米系投資ファンドのローンスターはホテルチェーン「チサンホテル」を売却する方針を固めた。12月上旬に買い手を決める入札手続きを開始する。2002年に経営破綻した不動産会社の地産が運営していたチサンホテルはローンスターの傘下で再建。収益の成長を評価し、国内外の不動産ファンドや不動産会社が買い手に名乗りを上げる見通しだ。
 
・2008/2/5フジサンケイ ビジネスアイ
 国内系最大手の買収ファンド、アドバンテッジパートナーズ(東京)と第二地方銀行の東京スター銀行は4日、東京・赤坂のANAインターコンチネンタルホテル東京で共同記者会見を開き、アドバンテッジによる東京スター銀へのTOB(株式公開買い付け)を5日から3月6日まで実施すると発表した。アドバンテッジは東京スター銀の全株取得を目指しており、TOBで95%以上を取得すれば東京スター銀株は上場廃止となる。
(注:東京スター銀の筆頭株主はローンスター)
 
 
■カーライル【△→▽】
 
・2008/2/26毎日新聞
 米投資ファンドのカーライル・グループが、日本板硝子とHOYAが折半出資で設立した液晶テレビ用ガラス基板メーカー、NHテクノグラス(横浜市港北区)を買収することが26日分かった。買収総額は1000億円以上になる見通しだ。
 
・2008/2/22ロイター
 米投資ファンドのカーライル・グループは、日本で高齢者向け住宅で構成する10億ドル程度のポートフォリオを構築し、2年以内に不動産投資信託(REIT)に分離して上場させたい、との考えを示した。
 カーライル・ジャパン・リアルエステートの責任者、リオ・ミナミ氏は、ロイターの電話インタビューに対し、同社は今後2—3年に20件から30件の「シニアリビング」を建設もしくは取得し、保有資産の額を現在の約2億5000万ドルから10億ドル程度に引き上げたいと表明した。
 カーライルは、高齢者向け住宅を運営している東京海上日動サミュエルと提携している。先月には、グッドウィル・グループから約1億3600万ドルで高齢者向け住宅を取得している。
 
・2008/3/10News CHINA
 プライベートエクイティ投資の世界大手・米国カーライルグループ・上海代表処の趙寧董事長は、中国循環能源公司が「カーライル・アジア・グロス・パートナーズⅢ」とこのほど、総額2500万ドルの非公開融資協議を結んだことを明らかにした。これはカーライルグループにとって中国で初となる循環エネルギー分野での投資となる。
 
・2008/3/14
 米プライベートエクイティのカーライル・グループは、声明を発表し、傘下のカーライル・キャピタルが約166億ドルについて債務不履行(デフォルト)となったと明らかにした。債権者との協議が合意に至らず、残りの資産が差し押さえられる見通しとなった、としている。
 
 カーライルは、カーライル・キャピタルを支援するため「非常な努力を払った」としている。カーライルは、カーライル・キャピタルは法律上・業務上、カーライルとは別会社であり、カーライルのほかのファンドやポートフォリオに大きな影響はないと強調。カーライルの借り入れがクロスデフォルトになることはない、との認識を示した。
 
 
■スティール・パートナーズ【?】
サッポロHD、アデランスと攻防中
 
■リップルウッド【?】
・2007/11/16
新生銀行(旧日本長期信用銀行)の再生で一躍日本で有名になった外資系投資ファンドのRHJインターナショナル(旧リップルウッド)が、代々木アニメーション学院の金融支援に乗り出すことが明らかになった。
 
・2008/1/24日経
 米系ファンドのRHJインターナショナル(旧リップルウッド・ホールディングス)は東証1部上場の音響機器メーカー、ディーアンドエムホールディングスの保有株を売却する方針を固めた。RHJIは約49%の株式を保有する筆頭株主。同業他社やファンドを買い手候補として募り、月内にも入札手続きに入る見通し。交渉がまとまれば、買い手はTOB(株式公開買い付け)でRHJI持ち分を含む全株取得をめざすとみられる。
 
・2008/2/20ロイター
 20日付のフィナンシャル・タイムズ紙(ドイツ語版)によると、米投資ファンドのリップルウッド・ホールディングスは、サブプライム(信用度の低い借り手向け住宅ローン)関連投資の失敗で経営難に陥ったドイツ産業銀行(IKB)への出資か買収に関心を寄せている。
 リップルウッドはIKBに対し、買収か一部株式の取得を打診しているが、いずれにしても投資家が出せる資金の額次第と同紙は伝えている。
 
by コスモス

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