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病院に行って考えたこと。このままじゃヤバいんじゃないか!

最近、体調を崩し、久しぶりに病院のお世話になっているohmoriです。
驚かされたのは、今の病院、かなりシステム化されてるってこと。
受付→検診→会計→処方と、なんとゆうか、オートメーション化されてる。
会計なんか、自動精算機になってる。
働いてる医者の方や看護士の方も、高速回転。
ま、そんななかでも、医者の方や看護士の方や薬剤師の方との会話もあり、元気付けられて快方に向かってるわけですが、あんまり安穏とはしてられないようです。
えっ?なんで?
と思った方、クリックしてからよろしく!cmnow2007_9_10-4.jpg


ありがとうございます。では、行ってみましょう。
危機意識の発端はアメリカ医療の惨状
行き過ぎた民営化がその原因。
患者側・病院側に分けて状況を整理してみたいと思います。
事例は「ルポ貧困大国アメリカ」 [1]から拝借させていただきました。
【患者側の惨状】
高い入院料
盲腸手術入院でかかる一日あたりの費用は以下のとおり。
  ニューヨーク:243万円
  ロサンゼルス:194万円
  サンフランシスコ:193万円
  ボストン:169万円

ちなみに、日本では4〜5日入院しても30万円を超えることはまずなく、
香港でも4日で152万円、ロンドンでは5日で114万円。
アメリカの入院費の高さに驚かされる。
こういう状況なので、一回病気になっただけで借金漬けとなり、
貧困層に転がり落ちる人が多いそうだ。
保険会社の独占状況
「入院費、保険で払えばいいじゃん」と考えがちだが、それも難しいらしい。
保険会社に請求をすると、あれこれ難癖をつけられ、音声ガイダンスをたらい回しにされて、
心身ともに疲れ果てて請求をあきらめる、といった例が報告されている。
こういうことが可能になるのは、特定保険会社の市場独占が背後にある。
全米294の都市のうち、その地域の保険市場の50%以上をたった1社が独占している都市は166ある。
そこでは、その保険会社のやりたいほうだい。
支払いなどのサービスを低下させても大丈夫だし、
高い保険掛け金を設定することも彼らの思いのままなのだ。
【病院側の惨状】
株式会社化する病院
競争原理の中に放り込まれた病院は、それまでの非営利型から、株式会社型への転換を強いられる。
その成功?例が全米一の巨大医療チェーンに成長したHCA社。
現在、全米に350の病院を保有、年商200億ドル、従業員28.5万人を抱える世界最大の医療企業。
同社は、コスト削減のために、採算の合わない部門や高賃金の看護士などを次々に切り捨て、患者には高額の請求をして利益を上げてきた。
通常の医師ならば、患者の健康や命を2の次にすることになるこうした経営方針に違和感を感じるものの、徹底した競争原理に組み込まれてしまうと、次第に思考を停止させることになる。
高額なボーナスか、退職かを迫られれば、前者を取らざるをえないのは理解できる話だ。
多忙→ミス爆発
人員削減による影響は真っ先に看護士を直撃する。
業務が増加し、ミスが続出。また、疲労困憊が常となり、患者に接する心のゆとりが失われ表情から笑顔が消えてゆく。
医療事故も増加。
1999年のレポートによれば、毎年4.4〜9.8万人が医療事故で死亡しているという。
年間4万人の自動車事故死数を上回って、社会問題化している。
こうして高騰する医療費は患者に負担をかけ、
病院側では過当(市場)競争によるサービス低下という問題を引き起こす。
結果、人々の「いのち」や「こころ」を守る医療制度はズタズタにされ、
大多数の人々の犠牲の上に、一握りの資本家が儲ける構造ができあがる。

コイズミ改革における「民営化」「規制緩和」も言うまでも無く、同じ流れ。
冒頭の日本の病院の状況に、それが垣間見えた。
このままではヤバイ。
間違った流れに飲み込まれないように踏ん張りつつ、
事実構造を解明し、発信、なんとか流れを変えて行きたい。

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