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おから工事はなぜ蔓延したのか?

四川大地震では学校建築が多く倒壊し、多数の子供たちが犠牲になった。
なぜこのようなことが起きたのか、今後防止するためにはどうすればよいのか、少し考えてみた。
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日本では、学校建築は避難場所。
他の建物が損傷を受けた場合でも、しっかりと建っている必要がある。
しかし、今回の四川大地震では違った。
四川省では学校全体の4割以上に及ぶ6900棟の校舎が崩壊した [1]ようだ。
余震段階で崩壊した校舎もあった [2] という情報も、ネット上では目にすることができる。(中国ではネット上の検閲が進んでいる [3]のでかなりの情報がカットされていると思われるが)
■おから工事の蔓延
なぜ学校建築の崩壊確率が高いのかということになるが、中国でいう「おから工事」の蔓延が原因、というのが現時点で支配的である。
おから工事というのは、文字通りおからのように脆い建物を作る工事。
鉄筋の代わりに針金を使ったり、本数そのものを大巾に削減したり、コンクリートに混ぜるセメントの量を減らしたりするそうだ。実際に倒壊した建物の写真からもその実情を伺い知ることができるだろう。
中国では、役人と建設業者の癒着がひどく、建設業者が工事費を抑えるために役人に賄賂を渡し、構造規準に満たない建設工事を見逃してもらうことが常態化している。
もちろん、役人が使用する施設は規準どおり丈夫に作るので、癒着の犠牲になるのは今回倒壊の多かった学校施設など、一般の人たちが使用する施設となる。
今回の地震でその腐敗構造がはからずも浮き彫りになったというべきだろう。
■どうしてゆくか?
この現実を目の当たりにした大衆のあいだでは、
おから工事の原因である、役人と建設業者の癒着を即刻やめさせるべき。
とりわけ、役人の浄化が必要だ。
つきつめると、中国共産党の一党独裁体制に問題あり。
という論調が多くなってきているようだ。
権力にあぐらをかいた役人と、そこに取り入ろうとする業者の癒着をなくさせるためには、長きに亘る独裁をやめさせ、おかしなことをする役人は民主的に裁かれる社会にすべし、ということなのだろう。
■中国共産党の力の基盤はなんなのか?
確かにその通りで、これが可能ならば中国の政治・経済も変わっていく気はする。
しかし、そのためには中国共産党はなぜ一党独裁が可能なのか?という疑問に答える必要があるだろう。
言い換えれば、彼らの力の基盤はなんなのか、ということだ。
結論からいうと、飛躍的な経済成長、ということになるだろう。
しかし、中国の経済発展は決して自力によるものではなく、金貸し勢力の補助あってのものだ [4]
金貸しが、ある国を金づるにしようとする場合、その国の政治家に色々便宜を図ってもらえるように工作する必要がある。
日本における構造改革=日本売り政策がそれに該当する。日本には少なからず金貸しに反抗する勢力がいたため、そのような政治家(田中角栄など)はあの手この手で葬り去られ、変わって売国奴(中曽根・小泉)を政権にすえたのは周知の通りである。
そのような視点で見た場合、中国という国はどうなのか?
一党独裁なので、トップと手を握ればこと足りる。日本の時のようにあれこれ策を弄する必要はない。
また、共産党には、いまや社会主義の理想などかけらもなく、私腹を肥やすためなら言論統制をはじめ、大衆の意思など無視してどんなことでもやってのける。
おまけに人口=市場規模はアメリカの数倍。
すなわち、金貸しにとって中国という国は、極めて理想的なパートナーだと言うことができるだろう。
そのように押さえてゆくと、金貸しと中国共産党のトップが手を組んでいる可能性は極めて高いといえるのではないか。
だとすれば、壮大な癒着構造ともいえるその事実を突きとめ、広く周知させることが突破口になるだろう。

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