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サブプライムローンは米政府とマスコミ・金融機関・不動産業界の結託により作り上げられた

サブプライムローンの破綻による影響は世界経済に大きな爪あとを残し、まだまだその負債処理に多額のお金が費やされています。「国内金融のサブプライム関連損失、2兆4360億円 3月末 [1]
しかし、詐欺そのものであるこのシステムが金融工学を駆使してオブラートを被せられたとはいえ、殆ど購買力のない米国の低所得者がどうして高額住宅を購入しようとしたのでしょうか?
それを解明するサイトがありましたので紹介します。
アメリカ不動産投資の考え方 [1]
その仕組みを引用します
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引用

不動産投資における収入に対しては減価償却が認められます。アメリカでは不動産に占める土地の価格が小さいがゆえに、償却対象となる改良部分(建物、駐車場など)への価格配分が大きくなること、さらに償却期間が日本と比べるとはるかに短いこと(住宅物件27.5年)により、不動産購入後の数年間は所得税がゼロになることも珍しくありません。 これをタックスシェルターといいます。
不動産投資はアメリカ税法上残された数少ないタックスシェルターです。

これに加え、究極的タックスシェルターとも呼べるのが交換と呼ばれる売買方法です。上の例の貸家を5年後売った場合には通常47,000ドルのキャピタルゲインに対して20%のキャピタルゲイン税がかかるのですが、「交換」と呼ばれるルールに基づいて投資物件を買い換えていく限りこのキャピタルゲイン税を払わずに先送りすることができます

したがってこの貸家を5年後に売った時にローンを返済して残る約67,000ドル(元の頭金2万ドルとキャピタルゲイン分47,000ドル)をすべて頭金として次の物件購入に当てることができ、それが20%の頭金であれば335,000ドルの不動産 (実に5年間でもとの貸家の3.3倍)を買えることになるのです。
それではどこまでキャピタルゲイン税を先送りできるのか? 交換を続けている限り永久に先送りできるのです
そして交換を続けてきた投資家が他界するときには、その相続人が相続時点でのマーケット価値でその物件を相続することになります。すなわち10万ドルの貸家が20年後に2億ドルのアパートになっていたとすると相続人はそのアパートを2億ドルで相続します。もしそのアパートが必要でないというなら、その時点で売却すれば所得税はゼロとなります。

★そしてなんとアメリカでは税収の手段にはなりにくいと言う理由で2001年以来遺産相続額の控除額は引き上げられ、かつどんどん遺産相続税率は減小し、ついに2010年を目途に廃止されることになっています(次表 [2]
年 最高税率 生涯控除額$
2001 55% 675,000
2002 50% 1,000,000
2003 49% 1,000,000
2004 48% 1,500,000
2005 47% 1,500,000
2006 46% 2,000,000
2007 45% 2,000,000
2008 45% 2,000,000
2009 45% 3,500,000
2010 0% 0

実際この方法を繰り返していくと不動産の価値は想像以上に大きくなっていきます。私はこの方法を不動産投資の倍々ゲームと名づけました。
私の書いた本、「アメリカ不動産投資の考え方」、の中では、年10%の税引き後利回りと年4%のキャピタルゲインという控えめな前提に基づいても、5年ごとに「交換」を繰り返すことにより、10ユニットのABCアパートが20年間で実に300ユニット以上のアパートになることを証明しています。

※上の本の例のように、頭金の2万ドルさえ何とかさせれば(恐らく頭金も甘い話を持ち掛け、別ローンを組ませることはたやすいことでしょう)、倍々(売買)ゲームの末5年後には3倍以上になり、かつそのローンを組んだ本人が死ねばその相続人は殆ど無税でその家が手に入ることになる。
※3・4年ほど前アメリカに行ったとき、TVのワイドショウでは司会者が、住宅を買い替えた結果この人はこんなに豪華な家に住んでいるといったことを紹介し、盛んに住宅投資を煽っていた。
毎日毎日こんな風にTVで煽られ、僅かな頭金で夢の住宅が手に入ると誘われれば、これに乗らない庶民を探すほうが困難であろう。
当然のことながら、このやり方が通用するのは不動産価格が永遠に右肩上がりであることを前提にしている。
※そもそも破綻することは必然であるにも拘わらず、その事実を覆い隠し、目くらましする役割としてこのタックスシェルター(税逃れ)の存在は大きく、結果としてサブプライムローンの「詐欺行為」には米政府の税制が大きく後押しし、マスコミ・金融機関・不動産業者と完全にグルであったことが分かる。

[3] [4] [5]