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秋葉原の事件を契機に、「人材派遣業=ピンハネ搾取業」という認識が、一気に広まりつつある

東京の秋葉原で痛ましい事件が発生してしまいました。
お亡くなりになられた方々には、その無念さを考えると言葉も見つかりません。
心よりご冥福をお祈り申し上げます。
先日、30代〜40代の若手経営者が集まり情報交換をし、日々の経営姿勢を反省・改善する場がありました。わからないところや到らない部分は、先輩経営者たちに相談したり、指導を受けたりもします。かなりまじめな姿勢、かつ真剣な場でした。
その場で話題になったもののひとつが、先日の秋葉原での無差別通り魔殺人事件です。
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老若男女50人くらいの第一線のまじめかつ前向きな経営者たちが集まったのですが、全員が異口同音に「同じような事件がまた起こる可能性が高い」というのです。
この感覚は、なにも彼らだけの所感ではなく、社会全体の感覚ではないでしょうか。
そして、今回の事件で特徴的なのは、「加害者もまた被害者である」「こんな事件が、決して一度ではなく何度も起こる社会になってしまった」という感覚です。
「彼をあそこまで追い詰めた人材派遣業をはじめとする社会制度も悪いのではないか」「小泉・竹中の政治経済背策による悪法・悪性度を黙認している社会全体にも責任があるのではないか」という社会全体に向けられた眼差しです。
もっと言えば、背後には、アメリカの日本に対する影響力が、日本の社会をこのような状況に追い込んでいるのではないかという視点です。
もちろん、だからといって容疑者が犯した罪が許されるということはありません。
しかし、これらの声は、多数の人たちから挙がっていたのです。
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若い世代が多数いる会社の、若い経営者たちの集まりだけあって、若者たちの感覚には敏感です。同世代感覚です。
実際、その場にいた経営者たちが所属する会社の従業員や、アルバイトなど関係する若者たちと言う意味では、数万人規模になると思います。ですから、それら多数の若者たちの声を代弁していると考えていいのではないかと思います。
実際、先日あった経営者の集まりの場でも「人材派遣業というのは何だかんだ言っても“ピンハネ”業でしょ」という声が、他の経営者たちから多数ありました。そして、人材派遣業を営む経営者たちや、そこで働く正社員たちも、本音の部分では同様なことを思っているというのです。
小泉政権時代に、法律が変わって製造業まで認められたのが大きかった、ラッキーだったと言っていました。
そして、先日の場にはいませんが、酷い経営者になるとそのピンハネした金を毎晩のように六本木や銀座などの盛り場での豪遊に浪費をして、後先も考えない経営をしているとのことです。
従業員や会社を下支えしてくれている現場に派遣される人たちのことなど微塵も考えない経営者も多数いるのが、人材派遣の業界であるとのことです。
もちろん、いかなる理由があろうとも、人を殺していい道理はないし、お亡くなりになられた方々の無念を思うと、本当にお悔やみを申し上げることしかできません。
しかし、容疑者の
「人生に疲れた。生活に疲れた」とか「生きるのに疲れた」という発信や、
「世の中が嫌になった」とか「社会が悪い」
という言葉を責めきれないというか、共感を覚えた若者たちが多いのも現実です。
そして、容疑者も非常にかわいそうな若者であるという感覚持つ若者が多いのもまた、今の日本の厳しい現実なのです。
若者が起こす無差別殺人事件は、発生するたびにテレビ・新聞・週刊誌などのマスコミが一斉に取り上げて、メディアスクラムが発生してきました。そして、このことの問題性は、類ネットでも度々取り上げられてきました。
http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=400&m=178904 [2]
http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=400&m=178800 [3]
http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=400&m=178590 [4]
マスコミも視聴率や売り上げだけを追求するのではなく、社会的な共認を形成する重責を担っているのだから、そのことをもう少し意識して、社会に眼差しを向けたらどうだろうかと思います。
精神分析医や学者、文化人などのコメンテーターの分析でお茶を濁すのではなく、本格的な取り組みが、今の日本社会全体から強く求められているのではないでしょうか。

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