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格差があるのはなんで?-2

格差があるのはなんで?-1のつづきです。
 
前回の記事をおさらいすると、
 
格差がなくならないのは、先進国が「援助」の名の下で収奪して、人工的に貧困を作り出しているから!!
 
資本家による搾取の構造を問題にする人は多いです。でも賃金をいくらか上げさせれば問題は解決するかというと、そんな気はしないですよね。市場の住人であることを強いられている以上、あの手この手で出費がかさむように仕向けられ、とことんむしりとられてしまうのが現実です。
その典型的な手口の一つである「緑の革命」を通じて、その構造を見ていきます。
 
そもそも緑の革命って?
 
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http://econgeog.misc.hit-u.ac.jp/excursion/00bengal/column/hyv.html [1]より引用しました。

「緑の革命」の始まりは、「赤の革命」に対抗するためのものであった。中国において、1949年に共産党が権力を握ると、地方の農民組合が土地を取り戻し、借金を帳消しにし、富を再分配するように促した。それに啓発されたアジア新興諸国の農民運動も、共産党が浸透し、土地を取り戻し、それを基盤として平等な農村を作ろうと、もりあがった。この運動に対抗し、この政治状況を「安定化」させるための手段として、アメリカの財団、アメリカ国際開発局、世界銀行などが、共産主義の魅力を抑えるために集結し「緑の革命」が導入された。


なるほど〜、発端は政治目的であって、困っている国を助けるためではなかったんですね。
ではその仕組みは?
るいネットhttp://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=400&m=176105 [2]にわかりやすくまとめてあったので、紹介します。

緑の革命って何?
これは、農業技術の革命で、アメリカ、ロックフェラー傘下のカーギル=モンサント社が開発した魔法の種F1種。
例えば米では、もともと台風で倒れたりして天候により被害甚大。対してF1種は茎が太く、短く、葉ふりが細いので密に植えても太陽の光が差し込んでよく育つし、風にも強い。この品種改良はまさに農業の革命で、単位収量が2〜3倍アップし、自給率を達成。途上国は諸手を挙げて喜んだ。


ふーむ、一見良さそうだけど?

しかし、イイ事ばかりじゃありません。
まず、F1種には罠がある。この種はただでは育たなくて、大量の化学肥料と農薬と水が必要なんです。
さらに、ODAは水の確保のため灌漑施設や、道路や圃場のインフラ整備など土木工事に資本投入します。
そして、規模も収量も拡大すれば、人手を補うために高度な農業機械をお薦めします。
要は先進国は、この品種の導入に、化学肥料、土木工事、農機具を3点セットで途上国に売りつけたわけです。
これで誰が潤うのか・・・そう、欧米の種苗メーカー、肥料メーカー、機械メーカー、ゼネコンです。特にF1種を独占販売するカーギル=モンサント社はぼろもうけ。


。。。それまで現地で自前でやってきた農業をことごとく解体して、その上で自分たちが作る商品を売りつけたんですね。

それだけではありません。
いつまでも、収量が増え続けるはずもなく、導入時に2倍、3倍に増えた収量やがては頭打ち。さらに化学肥料の投入は土壌汚染を引き起こし、窒素過多や塩害をもたらし、作物が育たなくなってしまいます。一度犯された土壌はもう元には戻らない。こうして耕作地減少。
農民は種や肥料や機械の購入で借金地獄。金持ちでなければ農業を続けることはできません。
追い討ちを「かけるように、収量が増えると農作物の価格が下がって儲からなくなる。こうして農業放棄、貧民はさらに貧民に。
まだまだ続いて、F1種の導入は自給自足の雑多な食物の栽培から単一品種の栽培に転換させ、主食を作ってるならまだしも、綿花やコーヒーやタバコなんてものに転化した日にゃあ、食べるものさえ自前で作れなくなる。
まさに、お金がなければ生きることさえ出来なくなってしまったんです。
これらは欧米が途上国から金をむしりとって、ぼろもうけする巧妙な収奪システムだったんです。


ここまで徹底的に収奪していたとは、本当に驚きです。
最新の農業方法を導入すれば豊かになるよと騙して、
商品を売りつけ、
出費⇔借金のスパイラルから抜け出せないようにして、
伝統農法を根絶させ、
金が無いと生きていけないようにして、
 
そのようにして国家も借金漬けにされてしまい、植民地化されてしまったのですね。。。
 
このような絶望的な状況を克服することはできるのでしょうか?
 
一つの可能性があります。
http://www007.upp.so-net.ne.jp/tikyuu/opinions/shiva.html [3]より引用します。

・メキシコのチアパスのマヤの農夫たちは、1エーカー当たりトウモロコシをたった2トンしか生産しないので、非生産的として特徴づけられています。しかし、マメやカボチャ類、野菜や果樹などの多様性を計算に入れると、総生産高は1エーカーあたり20トンになります。
・ジャワでは、小規模農家は家庭菜園で607種を栽培しています。サハラ以南のアフリカでは、女性が120種類の異なった植物を栽培しています。タイのある家庭菜園には230種、アフリカの家庭菜園には60種以上の木があります。
・東ナイジェリアの研究で、1世帯の農地のたった2パーセントしか占めない家庭菜園が、その農場の総生産の半分になることが分かりました。インドネシアでは、家計収入の20パーセント、国内の食物供給の40パーセントが、女性が管理する家庭菜園からです。 


なんと!!欧米が押し付けた最新農法よりも、古くから行われてきた伝統農法(小規模多品種作物農法)の方が、はるかに生産性が高いんです!!
自前でやったほうが生産性が高く、低コストで、しかも農地も破壊しないのであれば、先進国が押し付けた農法が実は騙しであったことがはっきりします。
 
ではこれらをヒントに、これからどうしたらいいのか考えてみます。
 
 
まず格差が拡大したのは、市場経済に取り込まれてしまったから。
そして市場とは騙しの世界であり、資本家の手口を見抜くことはなかなか難しい。
 
⇒そのためには、市場社会だとこういう問題が起きている!という事例、あるいはこうやってうまくやっている!という事例=事実をできる限り集めて、社会がどうなっているのかを整理すること。
 
⇒さらに、事実を伝えないマスコミに替わって、社会に発信していくこと
今や世論は大きな社会的圧力となっており、世論によって企業も廃業に追い込まれるような時代。人々を騙して搾取する資本家はオカシイ!さらには市場経済そのものがオカシイ!という世論が高まれば、格差問題も解消に向かっていくのではと思います!!
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