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経済破局は来るのか1 〜古代市場の誕生〜


経済破局は来るのか1 〜古代市場の誕生〜 [1]
経済破局は来るのか2 〜金貸しの登場〜 [2]
経済破局は来るのか3 〜中央銀行制度・基軸通貨の誕生〜 [3]
経済破局は来るのか4 〜不換紙幣〜 [4]
経済破局は来るのか5 〜金貸し支配の構造と弱点〜市場社会に代わる新しい可能性とは?〜 [5]

金融不安が待ったなしになった今、多くの人が経済問題を知る必要があるということを感じ始めており、更には漠然とではあるが、『全ての社会問題は経済問題(市場)と接点がある』と感じているのではないだろうか?
るいネット [6]

 経済不安は高まる一方。とは言え目先の情報、断片的な知識に留まっていたら、経済の先行きを見通すことはできません。
 そこで今回、なんで屋露店で人気上昇中の冊子『グランドセオリーvol.4 経済破局は来るのか』 [7]を使って、経済の歴史を基本から押さえなおしていくことにしました。本ブログ上で、その要点をシリーズで紹介していきたいと思います。
 第1回目の今回は、市場の起源、「古代市場の誕生」にスポットを当てます。
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◆生活必需品の物々交換が市場の起源、って本当?
 
 縄文時代の黒曜石(道具の材料)やヒスイ(装飾品の材料)などの広がり方を見ると、そこで発生した物流網は、物々交換ではなく、貴重品を中心とする“贈与関係”であったと考えられます。
 
 弓矢の発明以降、各部族(原始共同体)が規模を拡大し、縄張りを接する緊張状態が生まれました。緊張関係が前提となっている以上、集団の存続に関わる食料それ自体を他の集団にゆだねるような“物々交換”は成立しようがありません。生活必需品でなく希少価値の高い物を贈ることで、集団間の緊張関係を緩和させようとしたのです。
 
 
◆戦争の勃発
  
 約5500年前の乾燥化をきっかけに、牧草地を失った遊牧集団の中から、贈与による共存共栄を破棄し、(自集団を第一とする理屈を立てて)他集団への略奪を開始した部族が登場します。この略奪が玉突き的に波及し、支配被支配の関係が構築されるとともに、国家への富の集中が進みました
 
 
◆序列闘争の抜け道として登場した古代市場
 
 武力支配の下で、支配階級以外は自らの富(私権)を拡大する可能性が完全に閉ざされてしまいました。そこで、強大な武力を持たない者たちが、新たに私権を獲得する可能性を生み出す突破口(=身分序列の抜け道)として、市場が生み出されたのです。
 
 つまり、富が集中した王侯貴族に、(他の場所や集団でタダ同然で手に入れた)自らの交易品を「珍しい、高級だ」と信じ込ませることによって、実態は1のものを100として売る。このようにして、王侯貴族などの支配階級に蓄積された富をかすめ取っていった交易集団によって、市場が生み出されたのです。
 
 
◆価格格差の秘密
 
 市場では宝石や絹、毛皮など「珍しく高級だ」と信じ込ませることができるものには高値=「幻想価値」がつき、逆に普段から食べている米や麦など幻想を描けない農産物は高く売れません(今でも同じですね)。
 この「幻想価値」が生み出す「価格格差」の引力によって、人々は農産物よりも珍しく高級なものを集めたり、作ったり、売ったりするようになっていきます。
 
 
◆市場拡大の原動力は、略奪とダマシ
  
 略奪により富が集中すること、そしてその富をだまし取ることが市場の本質であり、また市場拡大の原動力なのです。
 
 実際、中世ヨーロッパの海賊、十字軍遠征、大航海時代、第一次・第二次世界大戦、イラク戦争など、私権や富の略奪のための戦争は、挙げればきりがありません。
 
 
今回の内容を、もっと詳しくお知りになりたい方は、ぜひこちらの冊子を読んでみてください。
 
『GRAND THEORY Vol.4 経済破局は来るのか?〜金貸しが創りあげた近代市場の崩壊〜』 [7]
(リンク先のページから購入できます
 

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