金融工学の名の下に商品化された「不動産投資信託」(REIT)が、破綻していっている。
東京証券取引所のREIT指数は、10月6日(月)に944.11ポイントとなり、東証REIT指数のスタート時点での1000ポイントを割り込んだ。更に、10日(金)には、734.10ポイントと急落した。
前週10月3日の終値1010.55から一週間で(5日間)の下落率が27%。9日→10日の下落は834.14→734.10の24%。この週の株式市場の下落率を上回る、とんでもない下落率となっている。
(14日は、世界的な株反転の流れを受け、800ポイント近くまで戻しているが。)
東証REIT指数は、東京証券取引所に上場されている個々のREIT、例えば『森ヒルズリート投資法人投資証券』の取引価格をもとにして、上場REIT全体の値動きを指数化したものである。
2003年3月31日に、指数1000ポイントとしてスタートした。
不動産投資がバブル化するに従い、REIT指数は急上昇し、2007年5月31日には、2612.98の最高値となった。
それが、わずか1年4ヶ月で、最高値の28%となってしまったのである。
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このようなREIT市場の破局は、不動産流動化(REIT化)を想定した開発業者を直撃し、バタバタと倒産して行っている。
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以下、東証上場の不動産開発事業者の倒産である。
株式会社ゼファー:7月18日、民事再生申出(東証1部、負債総額949億円)
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株式会社アーバンコーポレイション:8月13日、民事再生申出(東証1部、負債総額2558億円)
リンク [3]
創建ホームズ株式会社社:8月26日、民事再生申出(東証1部、負債総額339億円)
リンク [4]
株式会社リプラス:9月24日、破産手続(東証マザーズ、負債総額326億円)
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シーズクリエイト株式会社:9月26日、民事再生申出(東証1部、負債総額114億円)
リンク [6]
ランドコム株式会社:9月29日、民事再生申出(東証2部、負債総額309億円)
リンク [7]
ニューシティ・レジデンス投資法人:10月9日、民事再生申出(東証REIT、同日上場廃止)
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ランドコムまでは、不動産開発事業者の破綻です。開発した不動産を買い取るREITがなくなり、倒産した。
ニューシティ・レジデンス投資法人の倒産は、不動産運用を行う投資法人そのものの倒産であり、一段と崩壊が進んでいる。
最後に不動産投資信託(証券)、REITについて、東京証券取引所の解説をのせておきます。
REITって何?
REIT(不動産投信)とは、たくさんの投資家から資金を集めて「不動産」を購入し、そこから生じる賃料や売却益を投資家に配当(正確には分配)する商品です。
投資家には投資証券(株券に相当するもの)が発行され、「株」と同じように4桁の証券コードが割り当てられていて、東証で売買が可能です。
このREITの登場により、個人では困難だった不動産投資が、比較的無理のない金額で可能になりました。(leonrosa注:一口50万円)