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経済破局は来るのか2 〜金貸しの登場〜


経済破局は来るのか1 〜古代市場の誕生〜 [1]
経済破局は来るのか2 〜金貸しの登場〜 [2]
経済破局は来るのか3 〜中央銀行制度・基軸通貨の誕生〜 [3]
経済破局は来るのか4 〜不換紙幣〜 [4]
経済破局は来るのか5 〜金貸し支配の構造と弱点〜市場社会に代わる新しい可能性とは?〜 [5]

金融不安が待ったなしになった今、多くの人が経済問題を知る必要があるということを感じ始めており、更には漠然とではあるが、『全ての社会問題は経済問題(市場)と接点がある』と感じているのではないだろうか?
るいネット [6]

そこで、なんで屋露店で人気上昇中の冊子『グランドセオリーvol.4 経済破局は来るのか』 [7]の要点をシリーズで紹介していくことによって、経済の歴史を基本から押さえなおしていきます。
 
前回の「古代市場の誕生」 [1]に続き、今回は「金貸しの登場」にスポットを当てます。
 
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◆国家による鋳造貨幣
 
 古代市場誕生期、交易集団は王侯貴族に対して幻想を描ける物を売り、これと引き換えに地位や物資を受け取っていましたが、やがて交換の媒介物が必要となってきました。
 そこで交換の指標として用いられたのが幻想価値の代表である金や銀で、紀元前3000年頃(5000年前頃)のメソポタミアで既に銀が流通していました。
 当初は、金銀が塊や粒状のまま用いられていましたが、やがて国家が貨幣流通を支配するために、国家による鋳造貨幣が造られるようになりました。
 
 
◆金の預り証=紙幣の誕生
 
 その様な中、中世ヨーロッパにおいて、財を蓄え始めた商人の中から金貸し業を営む者が登場しました。
 当時の商人は大量の金貨や金を保有していましたが、泥棒に奪われないように堅牢な金庫を持つ金細工師や両替商に預けていました。金貨や金を預けると預り証が発行されますが、いちいち預り証を持っていって金を引き出す手間を省くため、預り証そのものが決済の手段として使われるようになりました。これが紙幣(兌換紙幣:金との交換が保証された紙幣)の起源です。
 
  
◆金貸しの登場
 
 金の預り証(紙幣)が流通し紙幣による決済が広まると、金庫内の金の一定量は引き出されず残り続けることになります。そこで、この余剰金を他の商人に貸し出すことを考えついた「金貸し」が登場します。元はといえば他人の金であるにもかかわらず、その金を貸し出して「利子」を取り始めたのです。これが後の「銀行(業)」の起源です。
 
 
◆貸すことで、原資以上に発行される紙幣 〜貸し出し膨張(信用創造)〜
 
 預かった金と同額の預り証がすでに紙幣として流通していますが、金貸しが預かっている金を貸し出すことにより、その金も貨幣として流通します。
 それを受け取った別の商人が金貸しに金を預けて預り証(紙幣)を受け取ると、金の量以上の預り証(紙幣)が流通することになります。金を預けている人が一斉に金を引きだそうとしなければ、この仕組みに気付くことはなく、自分の持っている預り証(紙幣)が「いつでも金と交換できる」と思ってしまいます。これが「信用創造」の正体です。 
 
 
◆最も旨みのある相手は国家
 
 金貸しが相手にしていたのは、商人だけではありません。商人は倒産し貸した金が返ってこない可能性がありますが、倒産の可能性がない相手がいます。それが「国家(国王や支配階級)」です。だから『金貸しは、国家を相手に金を貸す』のです。
 金貸しは国家を相手に金を貸す仕組みを築く一方、国家をそそのかして「金を借りざるをえない状況」へと追い込んでいきます。国家にとって最も莫大な費用が必要となるのは「戦争」です。だから、金貸しは国家に戦争をするようにそそのかし、巨額な資金を貸し出すことで、国家を相手に莫大な利益をあげていったのです。
 
このブログ名『金貸しは、国家を相手に金を貸す』は、まさにここからきているのです
 
 
 
今回の内容を、もっと詳しくお知りになりたい方は、ぜひこちらの冊子を読んでみてください。
 
『GRAND THEORY Vol.4 経済破局は来るのか?〜金貸しが創りあげた近代市場の崩壊〜』 [7]
(リンク先のページから購入できます

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