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韓国の経済どうなる?②〜紙幣を刷る中央銀行が赤字?

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本来、各国の中央銀行は非常に少ない費用で紙幣を刷り、莫大な鋳造差益を上げる。
また刷った金を貸すと利子を受けることから、赤字を出すというのは極めて異例なこと。
なのに、韓国の中央銀行である韓国銀行(韓銀)は、世界で唯一の赤字中央銀行に陥っている。
2004年から赤字に転落し、その後毎年赤字を計上し続けており、今年も大幅な赤字を出せば、「世界唯一の赤字中央銀行」のみならず、資本金割れを起こした「破綻銀行」に転落する恐れもある。
どうしてこんな事態に陥ったのか?
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韓国の経済どうなる?①でとり上げられていたように、1997年タイバーツ下落に端を発したアジア通貨危機で、外貨準備高がそこを尽きた韓国は、それ以降IMFの管理下にある。
IMFの管理下にある国は、財政健全化のための厳しい規制(構造調整計画)により、自由に国債を発行する事ができない。
その為韓国の中央銀行は、国債の代わりとなる通貨安定証券を発行し、資金集めを行なった。

■通貨安定証券とは?
 韓銀が通貨政策を行う過程で市中に流通させる資金を回収する際に発行される債券のこと。
 同証券を発行する韓銀が利子を負担する。
 韓銀は2003‐05年にウォン高防止のために同証券を大量発行したため、大幅な赤字を抱える事となった。

韓国経済は、「素材や基幹部品を日本から輸入し、主に中国で製造して米国や欧州に最終製品を輸出する」という、いわゆる「パス・スルー経済」。
表面的には大きく成長しているように見えても、実態経済は育っていないというのが韓国経済の実情である。
このパス・スルー経済は、won高になれば輸出が不振になり、won安になれば輸入品の価格が上昇するといった、為替の変動をもろに受けるため、その許容レンジ(為替変動幅)はきわめて狭い。
従って、通貨安定のために、積極的に為替介入する必要がある。
以上のことから、韓銀は為替介入の為の資金を中央銀行が発行する債券で集め、政府は国家が発行する債券(国債)ではないとの理由で国家債務に含めなかった為、隠れ負債として赤字が膨らんでいったのである。
(赤字額)2004年   1502億ウォン(約118億円)
2005年 1兆8776億ウォン
2006年 1兆7597億ウォン
2007年   4447億ウォン
(積立金残高)2003年末 5兆9676億ウォン
2005年末 3兆7748億ウォン
2008年末 1兆4926億ウォン
韓銀は、通貨安定証券の利払いによる赤字の穴埋めの為に、毎年のように積立金を取り崩している。
積立金が底をついたとき、世界で初の破綻中央銀行が誕生し、その負債は結局国家の負債となって、国家破綻を招くという状況が、今の韓国に忍び寄っているのである。

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