- 金貸しは、国家を相手に金を貸す - http://www.kanekashi.com/blog -

経済破局は来るのか4 〜不換紙幣〜


経済破局は来るのか1 〜古代市場の誕生〜 [1]
経済破局は来るのか2 〜金貸しの登場〜 [2]
経済破局は来るのか3 〜中央銀行制度・基軸通貨の誕生〜 [3]
経済破局は来るのか4 〜不換紙幣〜 [4]
経済破局は来るのか5 〜金貸し支配の構造と弱点〜市場社会に代わる新しい可能性とは?〜 [5]

金融サミットG20は期待されたほどの成果なく閉幕してしまいましたね。
特に基軸通貨の見直しについては、ほとんど扱われなかったようです。
さて、今後の経済動向を考える上でも、市場の仕組みと歴史の勉強は欠かせません。
そこで、なんで屋露店で人気上昇中の冊子 『グランドセオリーvol.4 経済破局は来るのか』 [6]の要点を紹介してゆくシリーズ、前回の「中央銀行制度・基軸通貨の誕生」 [3]に続き、今回は「不換紙幣」にスポットを当てます。
まずは、応援のクリックをお願いします
ありがとうございます


<不換紙幣>
◆原資以上の紙幣を発行し続け、不換紙幣となる
第二次世界大戦後、基軸通貨国となったアメリカの過大な輸出入は、世界中にドルを浸透させ、他国への支配を強めることにもなりましたが、同時に金も他国へ大量に流出させることになってしまいます。
その結果、アメリカは金の流出を止めるため、遂にドルと金との交換を停止します(1971年ニクソンショック)。これにより世界中の銀行券は、実物と交換できない=実物との関係を全く持たない「不換紙幣」となってしまいました。
◆債務から通貨を創造する
ドルと連動していた全ての通貨が不換紙幣となった後も、通貨流通量は増え続けています。この通貨はどこから生み出されているのでしょうか?
実は、この通貨は、国家による借金から生み出されているのです。
例えば、アメリカ政府がドルを必要とすれば、FRB(アメリカの中央銀行)はアメリカ政府から米国債を受け取る代わりに、同額のドルを発行し政府の口座に振り込むシステムとなっています。ここで発行されたドルには、実物の裏づけは無く、国家の借金(国債)を担保にしてドルを印刷しているだけでなのです。
◆膨らみ続ける通貨流通量
国際貿易の過半は、基軸通貨であるドル建てで行われるため、アメリカは、ドルへの信用が失われない限り、ドルを刷った分だけいくらでもモノを輸入できます。
ドルを刷り続ければ、ドル安が進みます。ドル安が進むと、例えば日本では円高となり、輸出に不利です。そこで日本政府は、ドルを買う為替介入を行ってドル安の進行を防ぎます。この介入資金を得るために、日本も国債を発行する必要が出てきます。この国債を(民間銀行を介して)日本銀行が買い取れば、今度は円の流通量が増加します。
このようにして、世界の通貨流通量は増加する一方となり、この仕組みは、ドルが信用されている限り、半永久的に続くのです。
◆実物経済からマネー経済へ 〜バブルが発生しては、はじけるのは、なぜか?〜
このようにして、債務から創造される通貨の発行量は増加し続け、世界中で大量の通貨が出回ることになりました。
一方、先進国では1970年代に豊かさを実現し、モノが売れなくなっていきます。そして、実物経済での通貨流通量が減少していった結果、大量に発行された不換紙幣は株や債権、土地などの「マネー経済」に流れ込みます。このマネー経済下では、バブルを作り出し続けることでしか、市場は拡大しません。従って1970年以降の市場は、必然的にバブルを作り出し続け、バブルを崩壊させ続けてきたのです。
今回の記事、「おもしろい!」「もっと知りたい!」と思われた方、ぜひこちら の冊子も読んでみて下さい。たとえば中央銀行の仕組みや、為替の仕組みも、図版入りで分かりやすく紹介 されています!
『GRAND THEORY Vol.4 経済破局は来るのか?〜金貸しが創りあげた近代市場の崩壊〜』 [6]
(リンク先のページから購入できます

[7] [8] [9]