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世界経済どうなる!?〜その6.2009年はどうなる?〜

2008年も残すところ、あと4日 本年も当ブログをご愛読頂きありがとうございました:P (←ってまだ早い!?)
予てから基軸通貨ドルの崩壊、金融破綻を示唆し続けてきた当ブログ運営者である私たちにとっても、(実際に)金融危機を目の当たりにした2008年は、大転換の年であると同時に感慨深いものでもありました
さてプロローグはこの位にして、一部シリーズでお送りしている「世界経済どうなる!?」ですが、これまでは、
世界経済はどうなる!? 〜その1.この金融危機下で資産が増えている機関とは?〜 [1]
世界経済はどうなる!?〜その2.まだまだ増加中 FRBの資産について [2]
世界経済はどうなる?!〜その3.金利と為替から見る経済状況〜 [3]
世界経済はどうなる!?〜その4.バクチ経済はなぜ起こったか [4]
世界経済はどうなる!?〜その5.市場主義の背後にある意識の変化(日本)〜 [5]

とお送りしてきました
そして年の瀬を迎えた現在、やはり気になるのは今後(来年)どうなっていくのか?という点だと思います。そこで、今回からは今後の予測・展望について、現在進行形の世界情勢から分析していきたいと思います。
初回の今回は、直近の経済ニュースから関連性を追いかけいきます。
まずは、2009年の経済予測から・・・
[6]
いつもありがとうございます♪
     


■1.2009年世界経済の見通し
上の図表は2009年の経済予測です(画像はAFPBBNews様から頂きました)

IMF(国際通貨基金)のドミニク・ストロスカーン(Dominique Strauss-Kahn)専務理事は21日、各国政府が十分な財政出動を行わなければ、来年は今年に増して厳しい年になるとの見解を示した。
ストロスカーン氏は英BBCラジオで、各国政府が十分な金融危機対策を取らない場合、2009年の世界経済は予想以上に悪化するとの「非常に暗い」見通しを示した。
同氏は、「見通しはすでに非常に暗いが、十分な財政出動が実施されなければいっそう暗いものになる。これまでにいくつかの施策が発表されているが、十分だとはいえない」と語り、先進国では景気後退が、新興国では成長の鈍化が加速するとの見方を表明した。
IMFは、世界全体の国内総生産(GDP)の約2%、金額にして約1兆2000億ドル(約108兆円)規模の財政出動が必要だとしている。
一方、スペイン銀行(Bank of Spain、中央銀行)のミゲル・フェルナンデス・オルドネス(Miguel Angel Fernandez Ordonez)総裁はさらに悲観的な見方を表明。銀行間で資金の融通をし合うインターバンク市場はすでに機能しておらず、消費者や企業、投資家、銀行の間での経済活動が凍結するという「悪循環」が生じており、市場の信用は「完全に失墜した」と指摘した。
【AFPBBNewsより】 [7]

世界全体で−0.4%、欧・米・日の先進諸国も軒並み−1.0%超マイナス成長の予測です。2008年の金融危機の影響は世界規模に及び、その市場の穴埋めのために、財政出動が余儀なくされる・・・来年もまだまだ国家による救済措置が必要との見方です。
■2.国家財政は?
この世界的なマイナス 成長=市場の「縮小」の中にあって、国家財政に救済するだけの余裕はあるのでしょうか?そもそも市場が縮小していくのですから、歳入(国家の収入)の主な財源である税収が落ち込むのは必至です。
となれば、もう「例の手」しかない。

中川昭一財務相兼金融担当相が20日の臨時閣議に提出した2009年度予算財務省原案では、一般会計の総額が88兆5480億円と08年度当初予算から5兆4867億円拡大し、過去最大に膨らんだ。厳しい経済情勢のなか税収の大幅減に加え、景気対策に伴う一般歳出が膨らみ、新規国債発行額は33兆2940億円と4年ぶりに30兆円の大台を突破。公債依存度も37.6%に悪化し、着実に進展してきた財政健全化路線に急ブレーキがかかった格好となった。
【ロイター通信より】 [8]

つまり、新規国債の発行=借金です。それが33.2兆円分、さらに一般会計 [9]が、過去最大の88.5兆円です
金融危機対策を含めた国の運営に金はかかる〔=歳出(支出)△〕が、景気低迷により歳入(収入)が大幅に減、不足分は借金で・・・という絵に描いたような破綻構造です。企業や家庭がこんな状況だったら、間違いなく倒産・破産です。
■3.企業はどうか?
一方、市場側ではこの状況に追討ちをかけるように、貿易収支が2234億円の赤字に・・・↓

財務省が22日発表した11月の貿易統計速報(通関ベース)によると、輸出額が前年同月比26.7%減と1980年以来となる過去最大規模の減少幅を記録し、輸入額から輸出額を差し引いた輸入超過額(貿易赤字)は2234億円となった。
国別では、対米輸出が同33.8%減で過去最大の落ち込み、欧州連合(EU)向けが同30.8%減、アジア向けも同26.7%減少した。
【AFPBBNewsより】 [10]

貿易収支の2ヶ月連続赤字は1980年以来とのことで、日本が誇る輸出産業もこの間のドル暴落→円高により、大幅に輸出額を減らし、国内景気も低迷。世界に誇るTOYOTAも2009年3月期決算の営業損益が1941年3月期の決算発表開始以来初めて1500億円の赤字になると発表(ちなみに2007年の営業利益は)。社長の人事も、現在の渡辺氏から来年4月より、創業家である豊田章男氏に変わるそうです:リンク [11]
[12]
(画像は、AFPBBNewsより)
■4.まとめ
以上の大きな流れをまとめると・・・
バクチ経済発の金融危機
   ↓
市場(資産)に穴 → 国家による救済措置 → 借金増大
   ↓            ↑           ↑
企業の体力▼  →    税収減    ───┘
 |  ↓           ↑
 | 倒産・リストラの増加 |
 ↓  ↓           |
家計・企業とも消費▼ ──┘
↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
     本格的な景気低迷
・・・と、2009年は、米国発マネー(バクチ)経済の歪みがいよいよ実体経済に影響を及ぼし始めかなり厳しい年になっていくことが予測されます。
う〜ん、暗いですねぇ・・・ 😥
しかし、別の観点から見れば、この一連の流れは、現代まで連綿と続いた市場システムの(必然的)崩壊・終焉を示唆していると言えます
この逆境下でこそ、新たな展望を見出していくこと。新たな経済システムをつくり上げていくこと、当ブログではその可能性を今後も追求していきます。

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