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G20の可能性を探るシリーズ【番外編】BricsとNEXT11の名づけ親はゴールドマンサックスの調査部長

○G7やG13、G20ってどうやって選ばれたんだろうという素朴な疑問がありますが、新興国バブルのキーワードで有名な「Brics」はゴールドマンサックスのアナリストであるジムオニール [1]が普及させた概念です。
ゴールドマンサックスと米政権は切っても切れない関係が有りそうです。%E3%82%B8%E3%83%A0%E3%82%AA%E3%83%8B%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%80%80%E3%82%B4%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%83%89%E3%83%9E%E3%83%B3%E3%82%B5%E3%83%83%E3%82%AF%E3%82%B9%E3%81%AE%E3%82%AD%E3%83%A3%E3%83%94%E3%82%BF%E3%83%AB%E3%83%88%E3%83%AC%E3%83%BC%E3%83%80%E3%83%BC%E9%A1%94%E5%86%99%E7%9C%9F.jpg
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ジムオニール [2]はゴールドマン・サックス・インターナショナル グローバル経済調査部長(2007年12月1日現在)で、1995年にゴールドマン・サックスに入社。2001年より現職。グローバル経済の調査・分析を手がける有数のエコノミストである。以下「ジムオニールインタビューより [3]

○ジム・オニールの調査チームか2001年11月に発表したのがこの『Building Better Global Economic BRICs』。BRICsという言葉はこの中で初めて登場し、世界中の新興国投資のキーワードにまで普及した。このレポートには以下の3つに代表される衝撃的な内容が示されていた。
①40年足らずでBRICs経済は、米ドルベースでG6(米国、日本、ドイツ、フランス、イタリア、イギリス)を凌ぐ!BRIC%EF%BD%93.gif
②BRICsの米ドル建てGDP増加の約3分の2は実質成長率の加速で、残りはBRICs各国の通貨高でもたらされる!
③所得の増加によるBRICsの消費支出パターンの変化は、様々な商品・サービスの生産・消費の創出や拡大をもたらす!
○——現在、地球温暖化や水・食料の枯渇の問題が声高に叫ばれていますが、このことは新興国の成長にプラスの影響があるのか、それともマイナスの影響があるのでしょうか。(という記者の質問に対し)
そうした事象は、BRICsにとっては、大きな成長のチャンスと言えるでしょう。例えば地球温暖化の問題は、ブラジルにとっては、成長のための“ボーナス”のようなものでしょう。バイオエネルギーを生み出し、それを売っている国なのですから、その恩恵は非常に大きいと思います。
また、中国にとっても、温暖化や大気汚染は大きな問題で、いずれ代替エネルギーの開発を余儀なくされるでしょう。その時には、大きな投資が行なわれる可能性が高いでしょう。
○更に2005年12月のレポートで発表されたのがこの「ネクスト11」(イラン、インドネシア、エジプト、韓国、トルコ、ナイジェリア、バングラデシュ、パキスタン、フィリピン、ベトナム、メキシコの11カ国)。next11.gif
今のところBRICsの4カ国ほどの成長は期待できないが、将来的にその可能性を秘めている11の国を指す。BRICsと比較してもリスクは高いが、この中から大きな成長を見せ、G7を脅かす存在になる国が出てくる可能性は決して低くない。GDPなどの今後の動向に注目しておく必要があるだろう。

★ところでゴールドマンサックス(GS)は元法務・行政担当責任者であったジョシア・ボルテンをブッシュ大統領の主席補佐官として、元会長のポールソンをブッシュ政権の財務長官へ、長官を支える財務次官に元株式責任者のロバート・スチールを送り込むなど、米国の政権中枢と深い関係を築いてきた。
そのほか米商品先物取引委員会のルーベン・ジェフリー委員長ランダル・フォート国務次官補ウイリアム・ダットリーニューヨーク連銀副総裁がゴールドマンサックスの人脈に連なるという。
・切った張ったが専門の株式担当者が金融当局側の責任者になるとは「泥棒」が「警察官」になったようなものである(この項「ブッシュ政権ゴールドマンサックス人脈」 [4]

☆また次期オバマ政権中枢には元クリントン政権の財務長官であったロバート・ルービン氏の旧部下が占めることになった。
財務長官になるニューヨーク連銀総裁のティモシー・ガイトナー氏は財務省スタッフ時代にルービン氏と財務副長官のサマーズ氏に抜擢され財務次官にまでのぼり詰めた人物である。
サマーズ氏は今回国家経済会議(NEC)議長に就任する。
☆ルービン氏は元々GSの共同会長であり、ウオール街のビジネスモデルのいわば創設者であった。
1993年にクリントン政権に入ると証券化商品の保険になるデリバティブ(金融派生商品)の証券会社での店頭と取引に道を開き、デリバティブの爆発的な増加に道を切り開いた張本人である。
その延長戦上に今回の金融危機を招いた「サブプライムローン」がある
・そして今度は自ら蒔いた悪性腫瘍が招いた金融危機の建て直しに励むというのである。
その厚顔無恥さからして、日本・中国等黒字国に対しては恫喝と恐喝と懐柔を織り交ぜながら圧力をかけてくることになるだろう
・そしてその一方でGSの調査部長がBRICsやネクスト11といった次代の「投資銘柄」を売り込み、有望な投資先として煽るのである。
・バイオブーム、ITブーム、最近ではWeb2.0など投資案件をしこんでから、将来像を喧伝し、予言を自己実現的に成就させ更には過剰に盛り上がったところで売り抜けるのがシリコンバレーのベンチャーキャピタリストの常套手段である
・こう見てくるとG○○という国際協議機関の裏側にも「金融マフィア」の影が無いと考えるほうが難しい
※今回の金融危機が無ければ、オニールの目論見通り、BRICsは高い成長率を上げ、ゴールドマンSはしてやったりと巨額のキャピタルゲインを手にしたことであろう。
危機により一旦はその目論見は中断したが、しかし既に次のターゲットとしてオバマ政権が最重要視する環境ビジネスに狙いを定めているようだ。
今後も米政権とGSとの関係を注視する必要がある

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