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’09年の経済状況と今後の見通し 〜経済破局が意味すること〜

始まったばかりの’09年ですが、今年はどんな年になるのでしょうか、そして今後日本はどうなっていくのでしょうか
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車の売れ行き30%減、家電・住宅・販売等15%減、食料品でさえ節約で5%減・・・
 
’70年に貧困が消滅して以降40年近くになりますが、これほど需要が落ち込むことは今までありませんでした。
 
アメリカでは最大手自動車企業が倒産に直面しており、日本が誇るT社も赤字決算。’09年はほとんどの企業が赤字決算を避けられそうにありません。
 
この危機に対して、各社派遣社員の切り捨て、正社員首切りor給与カットを余儀なくされるでしょう。
 
 
日本はこれからどうなっていくのでしょうか・・・
 
 
あたふたしてもしょうがありません。起きていることはすべて正しい [1] 」ではありませんが、現実をそのまま受け入れることから始めましょう。
 
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【いったい何が起きているのか?】
 
’70   貧困の消滅
         ↓
      借金(国債)による人工的需要創出
         ↓
’85年  金余りからバブル経済へ
         ↓
’90年  バブル崩壊で私権活力衰弱
         ↓          ↓
’96年〜 性活力の急激な衰弱 ↓
         ↓          ↓
’02年〜 収束不全(目標を見失った)
         ↓
      物欲衰退「もったいない」が顕在化
 
上記のように、根底ではすでに’70年の貧困の消滅によって、物的需要の衰退=経済縮小は方向付けられていました。それに対して、国債大量発行による「むりやり需要創出」や、バブル崩壊後も実需を離れた金融市場で稼ぎまくる「勝ち馬ブーム」などを作り出すことによって、かろうじて1〜2%の経済成長を保ってきました。
 
一方で、冷静な大衆の意識としては「もったいない」が普遍化し、いつ経済が反転してもおかしくない状況にあったのです。
 
冒頭で挙げた需要縮小は、村上やホリエモンといった「勝ち組」の退場に続き、今回のサブプライム問題に端を発する金融危機によって、勝者であった外資系金融機関や自動車産業が破綻に追い込まれたことによって、大衆的な意識が一転した結果なのです。

「車なんていらないよ。」
「新しい物を買うなんてもったいない。持っている物を大事に使いたい。」
「遊んでいるより、人の役に立つことをする方が充実する。」
「収入が少なくても、農業をやりたい。」

 
こうした意識が、若い人たちを中心に一気に顕在化してきました。
実はこの意識変化が、市場経済を根底から覆すことになるのです。
 
 
【物的市場の背後に性市場あり】
 
経済の中心をなす物的市場は、その背後に性市場があり、男の性欲=「自分の女を得たい」という欠乏(私権欠乏)が活力源となっています。実現論 [2] 

「女が欲しい」⇒「金が必要」⇒「地位や身分を得たい」⇒「大企業に勤めたい」⇒「売上拡大が絶対」
  
市場経済はこのように「自分のため」である私権欠乏によって突き動かされてきたのです。
 
 
【自分からみんなへの大転換】
 
ところが、現在生じているのはそれとは全く違う、
「自分のことより、相手やみんな=社会の役に立ちたい」
という意識なのです。

『不必要な物はもういらない、必要な物を作ることができれば、それで十分。』
『物では満たされない充足がある。』

起きていることをありのままに見れば、鬱病や過労に悩まされるだけの「経済成長」という呪縛から解き放たれて、充足を得るための「必要十分な経済」を実現するチャンスなのです。
  
  
【日本的企業経営こそが答】
 
もともと「自分」よりも「和」「世間」を大事にする日本人にとって、他人を出し抜く市場経済に染まったのは戦後60年に過ぎません。それでも「儲け第一」ではなく、「お客さんのため」「従業員のため」に企業経営してきました。

「必要な物はなんなのか」
「充足するためには何をすれば良いのか」
「どうすれば社会に貢献できるのか」

 
こうした日本的経営理念をもとに企業運営し、国家も社会に貢献する企業・職種に補助金を出すことで制度的に支援する。こうした取り組みの中から、GDPに変わる「豊かさ指標」を設定することが、市場経済に変わる新しい経済の出発点です。
 
世界経済の再生も、日本的スタンダードを世界に堂々と打ち出すことによって可能になるのです。
 
さあ、いよいよ日本人の出番です。自信を持って次代を切り開いて行きましょう。

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