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金融危機と意識潮流−その2=09年日本経済は、どうなる?=


2008年12月29日に開催されたなんでや劇場「金融危機と意識潮流」の分析から、前回までのレポートは、「’09年以降の経済情勢、どうなる?」と言うことで、金融危機から物的需要の落ち込み=商品市場の縮小について扱ってきました。
商品市場の背後には、性(市場)があり、その最基底部に男女の性意識があることが分かりました。ケインズやマルクスと言ったこれまでの経済学者たちは、商品市場しか見てこなかった。
市場経済の分析を行うにしても、最基底部の性(市場)を見ないと本当の答えは見えて来ない。
市場経済社会の成立構造から人々の性に対する意識まで踏み込んだ深い分析でした。
では、09年以降の意識潮流を受けて私達の身近にある日本経済は、どの様に変わるのでしょうか?
高度成長期〜バブル崩壊を生き抜いてきた先進国日本は、もはや元の経済に戻ることはないでしょうか?
今後の日本経済について、
1)物的生産の変化
2)意識生産の変化

について考察してみたいと思います。
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1)物的生産の変化
★日本は、貿易赤字国に転落する?
日本は2008年8月に26年ぶりの貿易赤字を記録した。その後の10月、11月も貿易赤字に転落している。これは、このまま続くのであろうか?この問題を日本の貿易構造から考えてみる。
 
日本の主な輸出品は、自動車や家電製品と言った工業製品である。これらの製品は、この間の金融破たんの影響で輸出額は、約30%減となっている。
一方、輸入品はと言うと、工業原材料こそ工業製品輸出に連動して30%減になるとしても、生活に必要な食料やエネルギー資源などは、精々10%程度の減にしかならない。
 
つまり、安価な原材料やエネルギー資源を輸入して、高額な工業製品を輸出する貿易スタイルの国は、必然的に恒常的な貿易赤字国に転落する。
 
今後の貿易関係では、資源国が貿易黒字国となり、日本やEUそしてアジア諸国と言った資源を持たない国が貿易赤字国となっていく。
 
★では、輸出主導型経済から内需主導型経済への転換は可能か?
もはや、輸出主導型経済⇒貿易立国というスタイルは、現実の圧力には適応できない。にも関わらず、政治家や官僚や経済学者は、貿易立国を標榜したままで何の突破口を見出せていない。
 
内需経済への転換には、賃金UPが欠かせない。輸出企業の代表とも言える自動車産業の状況を見ると、賃金カットやリストラが先行している。大企業ですらこの状況であり、中小企業ではさらなる人件費削減が必要となる上に、金融機関の貸し剥がしや貸し渋りという危機に曝される。
 
このように、輸出主導型経済の行き詰まりに伴い、’09年は倒産件数が増大することは避けられず、このままでは内需主導型経済への転換はますます困難になる。
 
★日本の国際間取引はどうなる?
しかし、国際間取引の情勢を見ると、輸出経済というスタイルが成立しないばかりか、貿易そのものの成立が危うくなってきている。‘08年の9月以降、海上輸送においては、輸送運賃の低下にとどまらず貨物の船積みや荷揚げができない事態が生じている。
 
又、国内に部品や製品がダブつき、在庫品を抱える民間企業は、在庫赤字に追い込まれる。実需30%の落ち込みは、貿易総体で50%強の落ち込みとなる。
★市場停止、貿易停止⇒鎖国政策か?
このことは、銀行不安のみならず民間企業への不安も進み、手形取引から現金取引に切替りまともな商取引が成立しなくなる。企業間では、取引停止となり⇒国内市場は完全に停止する。万一、原材料や食料の安定した供給条件が崩れた場合は、国家間取引も成立せず貿易停止となり、鎖国政策を取らざるを得ない状況も十分に起こりうる。
★改修産業と農業政策への転換
鎖国政策下におけるエネルギー供給は、当面は国内原発で凌いだとしても、何れは石炭や水力或いは太陽光エネルギーに切替る。又、改修リサイクル技術も発達し再生産業や修理業が増大する。
食料については、農業政策へ転換し自給率は、ほぼ100%に近くなる。
⇒製造業からリストラされた余剰労働力を受け入れることになる。
2)意識生産の変化
物的需要の衰退からGNP20〜30%の落ち込みは必至!
賃金10%カットによるサービス業や教育産業に与える影響は?
★一番強そうな教育産業どうなる?
’95年:授業収束、ハウツー本、資格志向、能力開発〜最近では、能力収束、学歴志向⇒中学受験志向
・・・と勉強や能力向上への志向がある。⇒能力収束、スキルUP
一方で、極端に素直、(表層的)仲間収束、遊びを企画できないなど主体性(=外圧に立ち向かっていく能力)の衰弱→喪失という概念で考えることができる。
’00年:勝ち組志向(ヒルズ族)、高学歴志向、私学ブーム→お受験組み
せめてわが子だけはと子供収束する親⇒不全発の枠組収束(高学歴、資格、能力)
★学歴志向は何故衰えなかったか?
「国家」と「市場」という両輪で発展を遂げた経済のうち、「市場」は崩壊寸前。しかし「国家」は健在。そもそも国家とは学歴序列制度の総本山のようなもの。ここを目指すと言う意味で学歴志向⇒中学受験志向が盛り上がったが、今後はどうなるか?
’08年:私立から公立への転換が始まっているが、これは経済不安、生活防衛の行動と見て取れる。
しかし学歴(学識)を無用(無能)と断定するには自信が必要。みんなの本音は大学はどこも同じという認識だが・・・
★私権的能力収束と社会的課題収束の綱引き状態?
’09年:特に若者の意識潮流に顕著なのが、役割(親の期待・社会貢献etc)欠乏⇒社会的な課題収束(⇒認識収束)
私権的能力(私権獲得)では、活力に繋がらない。東大、京大を出たからと言って社会の役には立たない⇒官僚志向から外資へ金融破たんと共に崩壊した。
役割欠乏⇒課題収束⇒能力収束
社会の役に立ちたい、或いは社会問題や社会のしくみや構造に関心を持つ若者
★社会的課題収束が高まり始めている?
学生は能力収束から、学内外の様々な勉強会(松下塾、民主党学生会等)へ頻繁に参加する傾向にある。この社会収束の流れは、どこへ向かうのか?
・勉強会等への収束
      ↓
・潜在思念は、実践レベルでの役に立ちたい⇒社会に貢献したい!
      ↓
・脱ハウツー本⇒社会で必要なことを実現したことを示す本へ(EX.農業やものづくり)
      ↓
・ネットによる共認形成

★学生運動は起こるか?
そもそも反の意識(アンチ:反体制)での活動は活力に繋がらない。今やウケない。
また組織化する為には確固たる理論体系が必要だが、今はそのような理論体系がない。
⇒よって学生運動の復活の可能性は限りなく小さい。
運動と言うよりは、社会的役割からサークルや社会人と協働の勉強会
3)最後に...
★ドルと米国債の暴落の行方は?
米国債は、FRBが買い支えることで暴落することはない。
しかし、アメリカには、ドルを買い支える為の外貨(円、元、ユーロ)がない。
⇒従って、ドル暴落は起こるのでは?その時、資源国との関係は、どうなるのか?
オバマ政権発足後、大きな動きが出そうな状況...
1月末頃改めてなんでや劇場の開催を予定する。

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