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「鎖国」の可能性を探る!ー3 『非鉄金属』ベースメタル編

   富士アルミ工業 [1]  アルミのインゴットの写真です


まずは、ベースメタルって何?
銅、亜鉛、鉛、アルミ、錫の事を指します。鉄以外で、人間が有史以来多く利用してきた金属です。
基本的に他の金属同様、ほとんどが輸入であり、日本には鉱山は少ないのが実態です。
まずは基礎データーから(消費量等は06年のデーター)
: 銅鉱石として輸入、国内の精錬所で電気銅として生産 電気及び熱伝導率が高いのが特徴。
ちなみに、銅はクラーク指数(地球の表面より地殻16kmまでの岩石の中の元素量を100分率で示したもの=埋蔵量)25位でチタンやジルコニウムやバナジウムより少ない・・・意外に希少金属。
 1,563千トンの消費量。内訳は、電線840千トン 伸銅品723千トン 電気・機械 421千トン 自動車・船舶 209千トン 建設事業 183千トン 金属製品・鉄工 154千トン
: 鉛鉱石として輸入、国内で精錬。
消費量 301千トン。内訳は、蓄電池(自動車、産業、民生用)271千トン ガラス、塩ビ安定剤、塗料に12千トン はんだ、鉛合金 8千トン 鉛管板3千トン 
ただし鉛フリーの製品が増える傾向の中でこれらの利用はへっている。
建設資材としての利用は遮音用のシート、X線遮断用などです。
亜鉛: 亜鉛鉱石として輸入、国内で精錬。
消費量557千トン。内訳は、亜鉛めっき鋼板用2260千トン 81千トン 伸銅品 79千トン 向き薬品57千トン  亜鉛ダイカスト 51千トン
アルミ: ほとんどがアルミ地金として輸入(精錬時に電気を大量に必要とするので、国内では単価が会わない) 
 
消費量 4,229千トン。内訳は、輸送機器(自動車、鉄道)1,755千トン 土木、建築 (サッシ他)679千トン 食品容器、包装 434千トン
上記消費量は アルミ、亜鉛で世界3位、銅で4位、鉛で5位になります。このように毎年大量の金属を消費しています。もちろん製品として輸出されている量も多い。
では 国内の備蓄量はどのくらいあるのでしょう?
そこで レアメタルでも紹介された、下記の表を再録します。
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 独立行政法人物質・材料研究機構 [2]
レアメタルばかりが脚光を浴びているのですが、この表を見ると、ベースメタルの量も実は多いことがわかります。Cuは銅、Pbは鉛、Snは錫のことです。
表に無いアルミや亜鉛にしても相当量があると思われます。
結局、リサイクルの方法の確立、効率化さえ出来れば、鎖国しても必要量を確保できる可能性が高いという事です。
ただし、問題は、リサイクルにおいて、エネルギーをどうするかだと思います。
金属はエネルギーと違って、酸化されても、硫化されても、還元すれば元に戻ります(もちろん簡単にいくものとそうでないものがありますが。)ですから、形は違っていても、なくなるわけではない。だからリサイクルに意味があるのだと思います。
ただし、現状はエネルギーコストがかかるので、あまりリサイクルされていません。
それとエネルギーは使用すると元には戻らない。今のところエネルギーを使用して、エネルギーを造り出す技術は無いですね。
結論としては、量は大丈夫、後はリサイクルシステムとエネルギーの確保の問題ではないでしょうか。

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