- 金貸しは、国家を相手に金を貸す - http://www.kanekashi.com/blog -

■アメリカ金融史3 「市場拡大のための国家」の現在

今までアメリカ追従路線で、やってこれましたが、アメリカの本質に迫らないと、これからの国内外情勢を乗り切っていけなさそうです。

↑↑アメリカ金融史2 アメリカ 共和党と民主党の違い?! [1]から
現在のアメリカがどんな状況にあるかは、本ブログでもいろんなところでレポートされているので詳しく述べる必要はないですが、あれほど繁栄を謳歌していたアメリカがここ40年でどのような道筋をたどって「瀕死」の状態に至ったのか、アメリカの歴史に入る前に簡単におさらいしておきましょう。
19世紀の終わりごろから工業国として力をつけ、20世紀に入って第一次世界大戦で疲弊したヨーロッパに変わり経済大国となったアメリカは、帝国主義政策に邁進します。そして第二次世界大戦でも無傷で勝利し、世界の覇権を握ります。
アメリカは軍事力・経済力を背景に基軸通貨ドルの価値を高く維持して、金融、産業、科学技術、消費文化、すべての面で世界をリードして『覇者』としての姿を世界中に誇示し、他の工業国がアメリカの後塵を拝する力関係が定着します。
1960年代にはピークに達し、軍需を背景にした航空機産業、自動車産業、宇宙開発といった主要産業では他の追随を許さず、次々に登場する最新技術に世界中の人々が目を見張ったものです。
日本でテレビが普及し始めた60年代、アメリカ製のドラマで見る芝生の庭の邸宅、大型冷蔵庫や洗濯機、キャデラックやフォードのバカでかい車に憧れ、アポロ11号の月面着陸(ウソ?)を驚愕してみまもり、ジャンボジェットが日本の空を飛んだ時には小学校の授業を中断して眺めたものでした。
%E3%82%BF%E3%82%A4%E3%83%A0%E3%83%88%E3%83%B3%E3%83%8D%E3%83%AB.jpg
TVドラマ「タイムトンネル」
画像はタイムトンネル資料館 [2]様から拝借しました。
当時の子ども(私?)は、アメリカではそのうち家事はロボットがするようになり、ボタンを押せば料理が出てきて、超高層ビルをつなぐガラスチューブを人々が乗り物に乗って行き来するようになると本気で思っていました。SFドラマの「タイムトンネル」でさえアメリカの科学技術が実現するものだと思っていたのです。
続きはポチッのあとで↓↓↓
      


しかし、巨大な消費大国となったアメリカの産業資本は、繁栄を謳歌した60年代からたった50年もたたないうちに衰退し、今や見る影もありません。
その道すじはまさしく「坂を転げ落ちるごとく」急激です。

 ■生産力の衰退したアメリカの大量消費を支える 「ドル還流システム」の限界
‘70年代: 産業資本の衰退が顕著になる→財政の赤字が顕在
‘80年代: 財政+貿易の双子の赤字、米ソ冷戦の限界→戦争市場の限界
       →債権債務関係を証券化して流通させる金融市場の登場
‘90年代: 貿易赤字が13倍に激増→米産業資本の限界→金融市場の拡大、ITバブル、
       中東へ強引な戦争市場拡大
‘00年代: 金融バブル→レバレッジとデリバティブの博打市場の肥大
       →ドル還流で米経済を延命(→住宅バブル)、ITバブル崩壊
‘07年 :  金融バブル崩壊(→住宅サブプライム問題)、イラクなどの戦争の限界
‘現在 :  ドル基軸通貨を利用した大量のドル印刷とドル還流のブーメラン市場システムの限界!

 日本を守るのに右も左もない  『アメリカの共和党・民主党』23 [3]より引用
世界的な実態経済の『市場拡大停止』が「市場拡大のための国家アメリカの限界」 を招いています。
経済力で覇権を取ったアメリカ、その背後にいて国際市場の旨味を吸い上げてきた金貸し、そしてその手先となっているマスコミの『不安→怯え』 を映した常軌を逸した焦りが顕在化してきているのです。
そしていよいよ手持ちのカードが苦しくなってきて、9.11事件やCO2環境市場などあからさまな捏造をプロパガンダして常軌を逸した行動 に及んでいるのが現在のアメリカです。
次回から、いよいよアメリカの深部に迫っていきます。まずはこの40年間の衰退期に「アメリカ政府がどのように動いてきたのか」明らかにします。
蛇足ですが、
いまどきの子どもたちはアメリカに憧れたりしていません。
   →類塾ネット「わたしが行ってみたいところ」 [4]
むしろ自分たちの都合でヤミクモに戦争を仕掛ける悪党だと見ています。
   →類塾ネット「戦争の犠牲と悪を認めている世界」 [5]
こういった評価は大統領が変わっても、そう簡単に CHANGEしないでしょうね。

[6] [7] [8]