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政府紙幣が発行されると、何が変わる? 〜序章〜

100年に一度といわれる経済危機に直面し、中央銀行である日銀の金融政策も機能しない状態の日本は、今後どうなっていくのか?
いよいよ今回からは、最後の切り札かもしれない「政府紙幣」について、考えていきます。
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※大日本帝國政府紙幣 50銭(昭和17年発行、昭和23年廃止)  出典元 「貨幣資料館」 [1]
日銀券と政府紙幣の違いってなんでしょう?
大きな違いは、「発行元の違い」と、もう一つ。
それは、借金になるか、ならないかです。
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現在日本で流通している紙幣は日本銀行券(以降、日銀券といいます。)で、日本銀行が発行しているものです。
これに対して、今話題になっている政府紙幣は、政府が直接発行する紙幣のことです。
日銀券は、日本銀行の資産等を担保に発行されるので、日本銀行にとって負債となります。
また政府が資金調達する際には、国債を発行して、それと引き換えに日銀券を手に入れますから、政府にとっても借金です。
借金ですから、国債の償還(返済)時には、利息を支払う必要があります。
一方政府紙幣は、政府が自ら発行するものですから、製造代を除いた残りはすべて収入になります。借金ではありませんから、当然元本返済や利息を支払う必要は生じません。
いくらでも自由に発行できて、元本返済や利息を支払う必要は生じない。
そんは政府紙幣が発行されることで、何がどう変わるのでしょうか?
まずは色々と想像してみましょう。
①国の借金がゼロになる?
これは、一番最初に行なわれることかもしれませんね。どんな方法で行なわれるのでしょうか?
②日銀券は無くなる?それとも2種類の紙幣が共存する?
いきなりすべてを入れ替えることは出来ないでしょうから、共存する期間は必ずありそうです。その時2種類の紙幣の関係はどうなるのでしょうか?等価交換?流通に問題はでない?
③日本銀行はいらなくなる?
今まで独り占めだった紙幣発行権を侵食され、挙句の果てに政府が直接紙幣を市中に流通させる事になれば、日本銀行の存在意義はどうなる?
④金利がなくなる?
財政においては、借金が無くなるし、する必要もなくなります。公共事業を行なう際も、借金をせずに自由に必要なだけ資金を準備できるわけですから、金利を設定する必要がなくなります。ということは、少なくとも国レベルでは金利という概念は無くなる?
⑤銀行はいらなくなる?
国債が発行されなくなれば、安定した投資収益先を失う事になります。ハイリスク、ハイリターンの投資に出ることができなければ、企業向けの貸し出し業務に戻っていくしかない?
そもそも金利が無くなって、国有化されてしまえば、決済業務だけを行なうことになるかも?
⑥世の中に紙幣が溢れて、インフレになる?
政府紙幣が発行されて、紙幣供給量が増えれば、貨幣価値が下落してインフレになる?現状はデフレギャップ(需要よりも生産能力の方が上回っている状態)といわれているので、インフレにはならない?
無秩序に紙幣をばら撒き続ければ、いずれは貨幣価値が下落してインフレになるでしょうから、それを防ぐ為の方策は必要でしょう。では、その方策はどんなもの?
⑦税金がなくなる?
税金に頼らなくても財政は確保できるのだから、税金はなくなるかも?でも税金が無くなったらどうなる?物価は安くなる?経済活動は活発になる?それとも停滞する?
⑧国内の経済活動は活発になる?それとも停滞する?
過去のバラマキ財政を繰り返せば、経済は停滞し、労働意欲は失われるでしょう。経済活動を活発にする政策が、政府紙幣の発行と同時に必要ではないでしょうか?その政策とは、いったいどんなもの?
⑨為替はどう変動する?
政府紙幣に対する貨幣価値はどうやって判断される?それによって為替はどう動く?
諸外国との関係において大きく影響する要因でしょう。国際社会から日本は孤立させられる?それともある程度のところで為替はバランスする?
思いつくままにあげてみましたが、皆さんはどうですか?
これらの項目について突っ込んで調べていけば、政府紙幣発行の可能性、それに必要な制度等が見えてくるのではないかと思います。
これから一緒に追求していきましょう。

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