- 金貸しは、国家を相手に金を貸す - http://www.kanekashi.com/blog -

定額給付金って・・・?

%E5%AE%9A%E9%A1%8D%E7%B5%A6%E4%BB%98%E9%87%91.jpg
今日は、 「定額給付金」制度についてです。
大阪市でも5月下旬から6月上旬頃の給付が開始されるそうですね。
合わせて2兆円のお金が必要になってくるそうですが、こんな大金いったいどこから出てくるのでしょうか?
非常にわかりやすく解説してくれているNHKこどもニュース [1]からの引用したいと思います。(’09/01/31 放送)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 定額給付金というのは「国民の生活を助けて景気もよくしよう」と配られるお金です。麻生総理大臣が決めました。一人につき1万2000円、65歳以上と18歳以下のこどもには2万円が配られます。
この定額給付金も含めた国の予算が、今週決まりました。定額給付金には、2兆円のお金がかかります。このお金はどこから出るのでしょう。税金からと思うかもしれませんが、そうではありません。
実は、国のお金の使い方と関係しているのです。

続きを読む前に、応援よろしくお願いします!


*      *
国は毎年、国民のために、どんなお金の使い方をしようか決めます。これを予算(よさん)といいます。
たとえば、学校や病院をつくったり、お年寄りの福祉のために使ったりと、いろんな目的にお金を使います。いろんな目的に使われる予算のことを、一般会計といいます。
一般会計は、いま80兆円を超えています。
このお金はどこから出るかというと、まず私たちが納めてい税金です。でも、税金はこのうちの半分くらい。お金がたくさん必要なのに、税金だけでは足りません。
そこで国はどうするかというと、みんなから借金をするのです。国の借金のことを、国債といいます。
税金が足りないなら、国債をもっと増やせば良いのにと思うかもしれませんが、借りているお金は返さなければなりません。国のこれまでの借金の総額は、580兆円と大変な金額です。これ以上借金もできません。
定額給付金に回すお金はもうありません。そこで、国が目をつけたのがもうひとつの予算。一般会計に対して、特別会計といいます。
一般会計が、いろんなものに使える金庫だとすると、特別会計は使い道が決まっている専用の金庫です。
たとえばお年寄りのための年金。みんなから保険料を集めて、年金を払っていますね。
年金を払うために集めているお金が、別の目的に使われては困ります。
このように、決まった目的のため、集めたお金は別にして、はっきりさせたほうがいい。
そこで専用の金庫を作ったのです。
こんな専用の金庫が、いま21あります。それぞれの金庫は、お金がなくなっては困るので、万一に備えてお金を積み立てています。つまり貯金のようなものです。
国は、このお金に目をつけたのです。「この金庫は、貯金がたくさんある。そんなに貯めておかなくても大丈夫だろう」といって、この金庫のお金を使おうと考えたのです。
このお金のことを、大人のニュースでは埋蔵金といいます。埋蔵金というのは、昔お殿様(とのさま)などがこっそりかくしたお金のこと。それにちなんで名づけられました。定額給付金の2兆円は、この埋蔵金から出されることになったのです。
でも、埋蔵金を定額給付金に使うためには、法律を変えなければなりません。だから、法律を変えるための話し合いがいま国会で続いているのです。
*      *
定額給付金については、「みんなにお金を配るより、他の使い道があるのではないか」という意見もあります。また、国には借金がたくさんあるといいましたよね。埋蔵金のような貯金があるのなら、借金を返すために使ったほうがいいのではないか、という意見もあります。
国がお金をどう使うかは、私たちにとって、とても大切なことです。
それを話し合う国会の議論。これからも注目していきたいと思います。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
こどもニュースといっても侮ってはいけませんね。
特別会計の話まできちんと出てくるなんて、ちょっと驚きでした。
 「定額給付金」 制度は、埋蔵金などと言っていますが、降って湧いて出てきたお金なんかではなく、国民が決まった目的のために納めていたお金、つまり、「みんなの貯金」だったのです。
今は経済が停滞しているので、「みんなの貯金」を切り崩してとにかくみんなでいっせいに使いましょう!ということのようですが、はたしてこのような政策で根本的な問題は解決できるのでしょうか?
もとをたどれば、1970年代の日本の貧困が消滅することによって市場は縮小過程に入ってもおかしくはなかったわけです。(飢えることもなく、生活に必要なものが行き渡ってしまった。)
必要なモノを揃えてしまった国民は当然、お金をあまり使わないので、代わりに国が借金をし、公共事業などによって国家が消費することによって名目上市場拡大を実現してきました。
その結果、積もり積もった800兆を超える借金の山。
90年代のバブル崩壊、昨年のサブプライムローンに始まる金融破綻を受け、ようやくバクチ経済のおかしさに普通の人たちも気づき始めています。
国が借金をし続けることでしか市場を維持できない近代経済システムの限界 [2]も見え始めている現在の社会で、借りた金を返済できる見込みもたたず、これ以上借金も増やせない政府は、財源としてとうとう「みんなの貯金」に手を出し始めたというのが今回の 「定額給付金」 制度なのではないでしょうか。
減税政策ではなく、あえてお金を配るという政策を取ったのはその方が貯め込まない=消費をしてくれると考えたからでしょう。しかしその裏ではお金を配るための膨大な経費がかかっており、業務負担は地方自治体に押し付けてしまっています。
物的な飽和限界に達している社会の中で、「消費的な欠乏」ばかりを刺激していては、人々が持っているまともな社会性を奪ってしまいかねません。生産および生活のあらゆる存在活動を省略して、欠乏(欲望)と充足を短絡化させていくことは、生産することなしに借金を繰り返し、消費するだけの存在となんら変わらなくなってしまいます。
人間と社会の存在の本質(土台)を成しているのは本来「生産と労働」であることをふまえれば、そこから切り離された「消費活動」だけでは、片手落ちなのです。
生活を豊かにするために消費することが社会の活力に繋がっていた時代はすでに終わりを告げようとしています。
今後の新たな社会の活力源を創出するためには「新たな生産活動の在り方」とその対価(評価)としての「新たな通貨政策」の提示が不可になってくるはずです。
最後に、ヒントになりそうな連続投稿を紹介して終わりたいと思います。
★定額給付金を担保とする複数回使える地域振興券リンク [3] 
|  
└欧州が注目し始めた「減価」するゲゼルマネーリンク [4]
 |
 └更新税も減価貨幣も仕掛けとしてはすごい☆リンク [5]
  |
  └★景気(消費刺激)対策のための通貨政策ではなく、新しい
    仕事を普及させるための通貨政策を継続的な活力をどうや
    ってつくりり出すか?
リンク [6]

[7] [8] [9]