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なんでや劇場レポート3 〜日本だけ金貸し支配が強まっているのは、なんで?

4/29(祝)に開催された『なんでや劇場 〜金貸し→特権階級の暴走どうする?』の内容をレポートしています。
第1回 世界経済はどうなる? [1]
第2回 金貸し支配の現象とは? [2]
に引き続き、今回が最終回です。
 
第1回 [1]で紹介したように、金貸し支配は08年暮れから綻び始め、金貸しによる一極集中支配から、日欧を中心に『共認原理に基づく民族収束』へ転換しつつあります。この世界的な大潮流の中で、アメリカと中国だけが相変わらす私権原理に基づく世界支配を目論んでおり、日欧VS米中のどちらが世界の多数派を形成できるかに、世界の行く末がかかっています
 
この勢力争いでは日本が中心的な役割を担うことになるのですが、問題は、肝心の日本がアメリカべったりであることです。世界的な反金貸しの潮流に反して、なぜ日本では金貸し支配が強まっているのでしょうか? 
今回は、その謎に迫ります。
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●自前の諜報機関を持たない日本
 
第2回 [2]でみたように、金貸しはCIAやマスコミを使って、情報操作することで大衆を支配しています。敵の情報操作から国民を守るのが国家の役割でもあるのですが、日本にはスパイ防止法がないし、まともな諜報機関もありません
 
  『スパイ天国日本』 [3]
 
日本が自前の諜報機関を持っていない件は、これはこれで大きな問題なのですが、戦後一貫としてそうであり、なにも今に始まった話ではありません。
諜報機関が無くたって、吉田茂や田中角栄など昔の政治家はそれなりに日本の国益を守るために闘ってきたのであり、小泉や現在の官僚のように日本を売るようなことはしませんでした。
 
明らかに昔の政治家や日本官僚は優秀であり、現在の統合階級は異常だと言わざるを得ません。いったい、彼らはどうしてそこまで無能になってしまったのでしょうか?
  
●受験エリートの意識構造
 
金貸しはCIA等の諜報機関を使って、政治家・官僚・学者・マスコミを抱き込み、金貸しに都合の良い共認内容を流布することで世論を操作します。金貸しの手下となっている、政治家・官僚・学者・マスコミはいわば受験エリートですが、この受験エリートの構造に秘密があります。
 
受験勉強を一所懸命やるのは、勉強する目的が、一流大学入学→一流企業就職→出世→金持ちになる、というように貧困から脱出するための私権獲得にあったからです。貧困を克服する前は、子供心にも勉強しなければ大変なことになることが解っており、頭のよい子もそうでない子も、その子なりに勉強をがんばっていました
 
ところが、’70年以降、親は何とかして勉強させようとはするものの、「なぜ勉強しなければいけないのか?」という疑問に誰もまともに応えることができず、当然、子供たちはより充足度が高い仲間との遊びを優先します。
 
その流れに逆行して勉強してきたのが’70年以降の受験エリートたちであり、そのなれの果てが現在の統合階級です。受験エリートにとって、遊びは敵です。「なぜ勉強しなければいけないのか?」などを考えるのは時間の無駄でしかありません。「試験に合格する」という目的のためには、本能的な欠乏を封鎖し、当然考えてしかるべき疑問は捨象することが求められます。その結果、「合格」という試験制度発の無機的な目的意識しか持てない人間になってしまいます。
 
この思考方法は社会人になってもそのままで、制度というワクそのものを疑うことができず、制度の中で権限を手に入れてそれを拡大することしか考えられなくなります。彼らは、権力を行使する快感に溺れていき、その行為がどういう結果になるかなど、全く考えなくなります。総理大臣になるという目的のためなら国民がどうなろうと意に介しない元首相も、選挙前にもかかわらず小沢を攻撃する特捜部も、購読者数を伸ばすためなら記事ねつ造も平気でするマスコミも、全く同じなのです。
 
  『特権階級の自家中毒』 [4]
  『青年将校化する「東京地検特捜部」と検察情報を事実検証もせずタレ流すだけの「マスコミ」』 [5]
  『やらせ・捏造が繰り返されるマスコミの業界体質』 [6]
  
●社会のことを考えない日本の統合階級
 
世界的に貧困の圧力が弱まる中、無能化の流れは先進国共通ですが、とりわけ日本が酷いのは、貧富の差が小さく貧民からの脱却度が高いことに加え、集団性が強く共認原理(話し合い)によって社会を統合しようとする(つまり、哲学を持たない)国民性が影響しています。
 
私権原理で統合する国のエリートは、序列の頂点に立って社会を統合するという責務を小さい頃から意識しています。国民は何を求め、社会を統合するにはどうすれば良いのか、という帝王学を学んでいる世界のエリートと、東大に行って就職するまで試験の点数を上げること以外考えたことのない日本エリートの違いは明らかです 😥
 
人工的な試験制度では有能な人材を作り出すことはできません。他国のエリートに負けない人材を育てるためには、世界はどうなっているのか、その中で日本はどうするのか、というような社会的目的意識を持つことが重要です。そのために必要な学問は無限大といって良いほどあります。試験勉強はその中のひとつに過ぎません。
  
●勉強の目的は「社会をどうする?」を考えられるようにすること
 
今回の経済破局は、日本人が社会を考えるきっかけになり、神風になりそうな気がします
 
誰もが社会のことを考えることは金貸しやアメリカの企てを暴くことになり、その流れは反金貸し、反米脱米の新勢力を日本に作り出すことになります。金貸しは、日本の統合階級を支配し、思い通りの制度を作ってきました。金貸し支配から脱却するには、彼らが支配のために作ってきた制度を変えてしまえば良いのです。
今回のなんでや劇場は、ここまでで時間切れでしたが、 
反米新勢力による新政権樹立は可能なのか?
次回のなんでや劇場ではこのあたりを期待したいです。

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