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「鎖国の可能性を探る」シリーズのまとめ

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1月23日から始まった、「鎖国の可能性を探る」シリーズでは、5月15日の記事まで約4ヶ月の間に主要な輸入物資ごとのテーマを設定して、自給の可能性を探索してきました。
出発点となった問題意識は、これまであたりまえに受け止められていた、「輸出主導型経済=貿易立国こそが日本にとって不可欠の条件だ」という「定説」への疑問でした。
今回の金融危機は、100年に一度という程度のものでは無く、もっと大きな地殻変動ではないか。
これまでの、便利・快適をひたすら追求するための市場経済はもはや終わりではないか。
輸出入によってどこからでも、欲しい物が手に入るという時代はもはや終わりで、必要なものは国内で自給するような経済に転換することが必要ではないか。

このような視点から、自給自足の経済の可能性を探ってみることにしました。
特に、食糧とエネルギーは国内自給はとうてい無理だから、それらを手に入れるためには輸出で稼がなければならないとされていました。
それらも含めて、ひとつひとつ、自給の可能性を検証するというスタンスでシリーズを展開してきました。
これまでの約4ヶ月間で、主要な輸入物資を一巡した感があるので、今回まとめをしておきたいと思います。
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当シリーズで扱った物資は以下の通りです。
 ●鉄
 ●レアメタル・ベースメタル(非鉄金属)
 ●エネルギー
 ●食糧
 ●石油化学製品の原料(石油)
 ●木材
 ここまでの調査の結果を踏まえたうえでの見通しは、
「自給体制に持ってゆくために必要な条件があり、時間も要するが、可能であろう!」

 ということです。
上記の中で、最も重いテーマは「エネルギー」でした。(これは、誰もが同感するところだと思います)
今回のシリーズでも、7回にわたり検討することになりました。
結論は、いずれ枯渇する化石燃料に頼らないエネルギー供給体制に持っていくということであり、大きくは太陽光発電の供給を飛躍的に拡大してゆくことになります。
既に、電力各社によるメガソーラー発電計画が動き出しており、今後も技術革新が重ねられれば、脱化石燃料のエネルギー自給体制の可能性が開かれることになると考えます。
(現在の政策では、原子力発電の比重を高めようとする動きがありますが、自給体制に向かう過程での繋ぎとしての役割はあるとは思いますが、当然ながら、将来の持続可能なエネルギー供給体制には含みません)
ただし、これから最も重要なことは、国民みんなが、必要なことは何なのかを考えて無用な消費をしない、言い換えれば、自然の摂理に則った生き方を選択していく、という社会共認を確立することです。
例えば、現在の電力供給は大口消費者であるほど安価な電力が得られ、昼間よりも夜間電力の方が安いという仕組みになっています。
需要がありさえすれば際限なく供給していく、という市場原理に沿った考え方に基づいているわけですが、自然の摂理に則った考え方に基づくと真逆になります。
無用な消費・大口消費は割高になり、夜間電力消費は割高になるという原則にすれば、自ずと無用な消費を抑制し、蓄電池を要するような夜間利用も抑制する方向に導くことができます。
現在進められているメガソーラー導入計画だけでは、これまでの過剰消費を助長することにしかならないわけで、自然の摂理に則った供給の仕組みを考えることが必要になります。
エネルギー供給とはまさに社会インフラであり、民間が供給するという体制の見直しも必要だし、私たちの暮らしも過剰な消費、無用な消費をしないという社会共認を作っていくことが必要ですね。
極論すれば、これさえできれば、日本人が得意とする技術革新によってエネルギー自給は突破可能な課題になると考えられます。
このシリーズを通して見えてきたことは、このような社会共認を作っていくことが全てのテーマに共通して求められているということでした。
そして、これらのことは苦行ではなく、次代にふさわしいスマートな生き方であり社会である、という共認が形成されるであろうという予感でした。
最後に、このシリーズで発信した記事の一覧を掲載しておきます。
一度目をとおしていただけることをメンバー全員で願いつつ、終わりとさせていただきます。
<当シリーズの記事一覧>
 ●シリーズ開始
   …1月23日「金貸し支配からの脱却⇒鎖国」の可能性を探る! [1]
 ●鉄…1月24日「鉄は自給できるか?」 [2] 
 ●レアメタル・ベースメタル(非鉄金属)
   …2月6日「レアメタルは、自給できるか?」 [3]
   …2月7日「『非鉄金属』ベースメタル編」 [4]
 ●エネルギー
   …2月20日「エネルギーは、自給できるか?」 [5]
   …2月21日「 マグネシウムの可能性を探る」 [6]
   …3月6日「石油・石炭・原子力・地熱発電の展望を探る」 [7]
   …3月7日「地球外エネルギーは期待できるか?」 [8]
   …3月31日「『新エネルギー』 の展望を探る」 [9]
   …4月3日「エネルギー自給の実現可能性」 [10]
   …5月1日「新エネルギーどう向き合う?」 [11]
 ●食糧
   …3月21日「食べていけるの?」 [12]
 ●石油化学製品の原料(石油)
   …4月4日「どうする?石油はエネルギー源だけではない。」 [13]
   …4月18日「石油化学製品からの脱却」 [14]
 ●木材
   …5月15日「木材の自給は、可能か?」 [15]
by わっと

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