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G20な国々 オーストラリア

皆様、いつもブログ記事を読んでいただきありがとうございます。
今回はG20な国々、コアラ、カンガルー、壮大な自然で有名な
オーストラリアの可能性に探ってみたいと思います。
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・ウルル(エアーズロック)
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始めに基本データです。(ジェトロ参照)

国・地域名  オーストラリア連邦 Australia
面積  769万2,024平方キロメートル(日本の約20.3倍)
人口  2,033万人(2005年6月末、人口の1/4が外国生まれ)
首都  キャンベラ  人口32万3,900人(2004年3月末時点)
言語  英語(家庭で英語以外の言語を用いるのは全人口の15.8%、282万人)
宗教  キリスト教68.0%(カトリック26.6%、英国教会20.7%が2大宗派)、
    その他仏教(1.9%)、イスラム教(1.5%)、ヒンズー教(0.5%)、
    ユダヤ教(0.4%)、無宗教(15.5%)等
実質GDP成長率  3.7% [2007年] 
名目GDP総額  1兆1,315億8,600万オーストラリア (6〜7月)
          1兆130億9,976万ドル [2007年]  (6〜7月)
一人あたりのGDP(名目)  43,163ドル [2007年] 
消費者物価上昇率  4.5% [2007年] 数値は第2四半期、6月末の前年同期比
失業率 n.a. [2007年] 
鉱工業生産指数伸び率(前年比) 2.5% [2007年] 
経常収支(国際収支ベース) -701億7,100万オーストラリア・ドル [2007年] (6〜7月)                            -628億2,353万ドル [2007年] (6〜7月)
貿易収支(国際収支ベース) -206億1,900万オーストラリア・ ドル(6〜7月)                   -184億6,002万ドル [2007年] (6〜7月)

2007年のデータですが、国土は日本の20倍、実質GDP成長率  3.7% 、
経常収支、貿易収支は赤字です。

なぜ、貿易収支が赤字なのでしょう。輸入、輸出品を調べてみました。
オーストラリア発見から
輸入品 [1]
輸出品 [2]
鉱物、羊毛などを輸出し、生産品(車、コンピューターなど)、石油を輸入しているようです。
鉱物

オーストラリアは鉱物資源国でもあります。

西オーストラリア州はオーストラリア大陸の3分の1ほどを占める広大な面積を持ち、
鉄、ニッケル、金、ウランなどの鉱物資源に恵まれている。
2007年には566個の採掘計画があり、1,222ヶ所の操業中の鉱山があった。
2002-2003年において西オーストラリア州はオーストラリアにおける資源輸出の4割を占め、
239億オーストラリアドルの収益をあげた。

資源は多いようです。
農業

国土面積の約6割が農用地だが、降水量が少ないため、
その大半は家畜の放牧地となっており、耕地面積は農用地の11%にすぎない。
農家件数は一貫して減少傾向にあるが、1農家当たりの経営面積は年々拡大傾向にあり、1
999/00年では約4,000haと我が国の約2,600倍である。
 主要農作物は、小麦、サトウキビ、牛肉、酪農品、羊毛等で、
生産額は干ばつの影響、国際価格の変動等により毎年大きく変化している。
総輸出額に占める割合が24.6%(FAO、2001年)と高く、貿易面における農産物貿易の重要性の高さが、オーストラリア経済において農業が重要な産業と認識される理由となっている。
 品目別にみた世界の農産物輸出量に占める割合は、
羊毛74%(第1位)、牛肉26%(第1位)、小麦13%(第3位)。

土壌の栄養分が極めて乏しいこと、塩害が発生しやすいこと、降雨量が少ないことに加え、干ばつ、山火事などの災害もあり、環境的には厳しい状況になっています。
2007年までは鉱業を中心に成長していました。
しかし、2008年から衰退傾向になっています。

オーストラリア経済の政府予想、「かなり悪化する」=スワン財務相 [3]
政府も景気回復刺激策を打ち出してきています。
アジアマンスリーニュース 2009年6月号から
オーストラリアの景気対策
長期成長に陰りが見え始めたオーストラリア経済

オーストラリアの内需は好調なようです。
楽観的で貯蓄志向の低い国民性が、オーストラリア経済を支えている。 [4]

中長期的には商品市況は上向きと見られているものの、
好景気を牽引してきたもう一つの車輪=個人消費や投資に代表される内需拡大が、
今こそ必要とされている。オーストラリア人が多分に楽観主義であることは確か。
けれど、それがこの国の経済を支えることに繋がっているのも、また真実ではないだろうか。

貯蓄率が低い=消費するという国民性が経済の鍵になるようです。
経済成長が続く中国、インドなどが、成長の寄り所なのですが、問題も起きています。
オーストラリアが中国の強引な資源獲得戦略に「待った」—資源大手リオと中国アルミの提携を撤回 [5]
『豪州資源を中共から守れ=オーストラリア富豪、ラッド政権に直言広告』 [6]
いよいよ始まった中国の民衆による権力体制への巨大な反乱!〜中国腐敗権力による世界経済支配の野望の破綻 [7]

中国はBRICS諸国によるドルに変わる新機軸通貨体制を推進しているが、
同時に世界中の資源・資産を買い占め、独占支配を狙っていると指摘されている。
世界を中華帝国に変えようとの野望が明らかだ。
日本の資源も、水資源山林や温泉地などが秘密裏、
大規模に買い進められているのは周知の事実。
アフリカや南アメリカ、オーストラリアの資源も大規模に買われている。

中国資本による支配を警戒しているようです
インドとも問題を起こしているようです。
不機嫌な時代 ヨーロッパ・オーストラリアで広がる移民への不寛容  [8]

ヨーロッパではありませんが、同様の社会的価値観を有するオーストラリアでも、
少年達によるインド人襲撃が問題となっています。
治安問題だけでなく、特に今日のように経済状態が悪化すると、
限られた雇用機会の奪い合いからの敵愾心もうまれます。
そうした不安は、自分たちの社会が彼等に奪われるのでは、
自分たちの価値観が彼等によって壊されるのでは・・・というより大きな不安に繋がっていきます。

この事件の根本には人種差別問題があると思われます。(Wikipediaから参照)

住民の主流を占める白人による、オーストラリア先住民アボリジニや
他の有色人種の移民に対する迫害や差別の歴史があり、
現在も黄色人種、黒人、中東系などの有色人種に対する
優越思想や白豪主義が一部に存在し、2005年にはシドニー人種暴動が発生した。
このため、有色人種が住民の主流を占める国々の旅行会社の中には、
人種差別的な犯罪に注意を促すところもある。
なお、オーストラリア・ウェスタン・シドニー大学の調査によると、
オーストラリア国民の10人に1人が「人種至上主義者」である事が明らかになり、
人種差別的視点を持つ者が少なくないことが明らかとなった。
近年では、特にインド人に対する迫害が激しくなっている。
犯人はほとんどが10代の少年であり、「カレー・バッシング」と称してインド人を襲っている。
昨年末にインド人男性を殺害し逮捕された少年2人は18歳、
先週シドニーで大学生を襲ったのは12歳から16歳の少年6人である。
インドでは大々的に報道されており、「オーストラリア人は人種差別主義者?」と報じられ、
オーストラリアの異常な人種差別の実態が知られるようになってきている。
ケビン・ラッド豪州首相は「事件の背景に人種差別があるわけではない、
オーストラリアは今でも世界有数の安全な国」と主張しているものの、
インドのマンモハン・シンインド首相は議会演説で
「分別のない暴力と犯罪には身の毛がよだつ。その一部は人種的動機から、
オーストラリアにいるわが国の学生に向けられている」と指摘、
外交問題に発展する様相を見せている。

これから経済危機によって起きたいろいろな問題をどう解決していくかが注目されます。
G20においてオーストラリアの方針
G20 存在感増すアジア・太平洋6カ国 異なる思惑 IMF改革は一致 [9]
オーストラリア首相、G20でIMFでの中国の役割拡大を主張=豪紙 [10]
G20特にIMFのついてはアジアの発言力が増してきています。
オーストラリアはイギリス(EU)支配とアジアとしての存在があり、
難しい立場にいるのは事実と考えられます。

まとめ
 第二次世界大戦後のオーストラリアの政治・社会変動の中で注目すべきは、
白豪主義国家から多文化主義への転換と考えられます。
 戦前から始まった少子化と人口増加率減少による戦後経済復興のための労働力不足、
大陸防衛、大陸北部開発の人材不足による大量移民政策を実施しました。
 戦後の英国の政治的・経済的勢力の後退によるアジア・太平洋に放置されるという懸念から、
本格的にアジア・太平洋地域の関係強化に乗り出す必要が生じた結果と考えられます。
 他方で、アジア・太平洋国家化は新自由主義経済改革を伴い、
経済の自由化と貿易自由化を推進する新自由主義は、
福祉国家主義が経済・社会的弱者の福祉依存を生み出し、強めたため、
労働者の権利が必要以上に保護され、経営者の活動が抑制されているとの観点から、
労使交渉の場から労働組合を排除する労働規制の強化を政府に要求してきました。
 これらの動きがアジア・太平洋国家化の進展をさらに強化するとともに
オーストラリアとアジアの人口移動の動きを強化し
、多文化社会化が生じることになったと思われます。
 しかし、アジア・太平洋国家化を急速に進めるとアジア地域からの人口移動が活発化するため、
オーストラリア国民の間に「文化不安」が高まります。
だからといって多文化社会化を抑制すれば、オーストラリア経済が拡大するアジア経済の動き
に乗り遅れることになります。
 しかしアジア・太平洋国家化の中で経済改革を急ぎ過ぎれば、
国民に「雇用不安」と「生活不安」が募り、「文化不安」と相まって
反アジア感情やオーストラリア・ナショナリズムを不必要なまでに刺激することになり、
大変舵取りが難しいくなると考えられます。
オーストラリアの文化変容を急いだホーク/キーティング政権に比べ、
多文化主義と共和国化問題に慎重な態度を見せ、かつ新自由主義経済を堅持するとはいえ、
その行き過ぎによる国民生活のひずみを修復し、セーフティーネットを用意したいとする
ラッド政権も今後の予断を許さない状況にあります。

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