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経済破局を突き抜けていく道標 〜潮流1:共認原理と私権原理

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(なんでや劇場のようす。)
 
8月のなんでや劇場 [1]では、ドル・米債暴落は起こるか [2]世界の経済破局、その突破口は? [3]と題して、今後の世界経済をシュミレーションしましたが、その後、各国とも具体的な対応策が立てられないまま、ドル崩壊の危機はますます高まっています。
 
ベンジャミン・フルフォード氏によると、
> 9月30日に,アメリカは,デフォルトする、と。幾度もこれまで繰り返して述べているが、9月30日は予算年度末だが、Fedは支払いが不能になるため,破産するのだそうだ。で、今回さらに一歩踏み込んで、このデフォルトについて,国民に知らされるのは(その一週間後の)10月7日であり,遅くても10月22日である,と具体的な日程まで断言している(2:20)。ここまで具体的な日付まで提示されるとなるとこれはインサイダー情報そのものと言える。< ★阿修羅♪ [4]さんより引用
 
と、かなりリアルです。
9月末にアメリカが破産するかどうかは定かではありませんが、しかし 少なくとも現在の経済システムが今後も生き延びる可能性はゼロに等しいです。
 
『経済破局にどう対応するのか、その後をどう生きていくのか。』
これは誰もがこれから直面する問題ですが、やみくもに考えていても埒があきません。
そこで、この『潮流シリーズ』では、人類史=社会統合の歴史を大きな潮流として把握することによって、「人類は、どこで道を誤ってしまったのか」⇒「人類の可能性はどこにあるのか」を考えることによって、次代への道標になることを目標にしています。
 
まずは、人類500万年の歴史を俯瞰するところから始めます。
 
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(縄文時代の狩猟のようす。共認原理によって集団が統合されている。)
人類500万年を貫く統合原理は、共認原理である。事実、人類は500万年に亘って課題を共認し、役割を共認し、あるいは規範や評価を共認して存続してきた。そして、個体(の意識)や集団や社会は、人々が、それらの共認内容に強く収束することによって、統合されてきた。又、そこでは、集団を破壊する自我や性闘争は、永い間、封印されてきた。
(注:この共認収束→共認統合を可能にした共認機能は、サル時代に形成された機能である。従って、正確にはこの共認原理は霊長類3000万年を貫く統合原理である。詳しくは、実現論・前史 [5]を参照。) 
 
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(中国:始皇帝陵の兵馬俑。序列原理=身分制度によって社会が統合されている。)  
しかし、1万数千年前頃から人口が増大し始め、それにつれて集団間の軋轢も増大してゆく。やがて、その緊張状況に対応して、人々は自集団を正当化する守護神信仰に強く収束してゆく。こうして集団的自我が発現し、永い封印が解かれてゆく。そして遂に6000年前頃、乾燥と飢餓を契機として略奪闘争が開始され、玉突き的に世界中に伝播していった。こうして、5000年前頃には、人類最初の武力支配国家が成立する。(注:日本は1800年前頃で、はるかに遅い=権力支配の期間が短い。) 
 
力の原理に貫かれたこの社会は、序列原理によって統合される。それが身分制度である。この力の序列原理は、性闘争を止揚する統合原理で、哺乳類やサルに一般に見られる統合様式である。しかし、人類社会は、力の原理だけで統合される訳ではない。力の序列は極めて不安定であり、すぐに崩壊する。人類社会は、人々が力の序列を共認し、それを言葉化した「身分」を共認することによって、はじめて安定的に統合される。つまり、この社会は、力の原理を追共認することによって秩序化されている。 
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(冠位十二階。日本でも、統合階級を筆頭に、序列統合=私権統合社会へと変化していった。)
この序列社会では、当然、力に応じた私権(私有権)が共認される。そして、私有権が共認されると、社会の全ての物財は(女も含めて)悉く私有の対象となり、人々は私権を確保しなければ生きてゆけなくなる。つまり、私権の共認は、否も応もない私権の強制圧力を生み出し、万人を私権追求の主体に改造してゆく。
実際、この序列社会の活力源は、女や財や身分を追い求める私権欠乏であり、誰もが私権を求めて争う私権闘争である。
従って、序列統合の社会は、誰もが私権(の獲得)に収束することによって統合された、私権統合の社会であると云い換えることもできる。
もちろん、日本も例外ではない。日本人は、2000年前まではもちろん、それ以降も、あまり激しい略奪闘争を経験しておらず、本源的な縄文体質を色濃く残しているとは云え、奈良時代以降は立派な序列統合社会=私権統合社会に改造されている。

人類史500万年間の99.9%は共認原理によって社会(集団)が統合されていました。ところが、6000年前に勃発した略奪闘争以降、社会の統合様式が、序列統合=私権統合へと変化し、そこから人類は道を誤ってしまいました。
 
戦争、権力支配、貧富の格差、過剰生産・消費、環境破壊、バブル社会、そして今回の金融破綻も・・・すべての社会的な問題は、全て略奪闘争に端を発する「私権統合社会」の結果なのです
 
次回以降は、主に日本の戦後に焦点をあてて、社会がどう変遷していったのかを詳しくみていきます。お楽しみに

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