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9/23 なんでや劇場レポート2 〜試験制度が生み出した否定的少数派の暴走〜 

【第107回なんでや劇場】意識潮流(過去〜現在〜未来)のレポート第2弾をお届けします。
今回は、るいネット [1]で紹介されている潮流シリーズの潮流7:暴走する社会(特権階級の暴走と下層階級の暴走) を中心にレポートします。
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◇潮流7:暴走する社会(特権階級の暴走と下層階級の暴走) [2]
Q.試験制度が生まれたのはなんで?
A.科挙制度が起源
中国の科挙制度が明治時代に日本に入ってきた。それ以前は試験制度はなかったのだ。元々、科挙制度は身分制度からの脱却が目的で始まった。身分制度は、世襲制なのでバカでも上位階級にいける。それでは国がもたないので、能力によって上位階級にいける機会を作るというのが本来の目的だった。その科挙制度を起源とする試験制度によって官僚制度が生まれた。
この問題は何か?試験制度によって作られた官僚は、与えられた枠組みでしか答えを出せない。どんどん硬直化していく一方・・・
問題があって、あらかじめ答えが用意されているペーパーテストでは、暗記や大量に問題を解く等で適用できる。しかし、現実社会の中でこのやり方が通用するだろうか?貧困からの脱出が社会圧力だった時代はまだよかった。その試験制度という序列体制の下で、官僚は答え(=豊かになる)となる方策を探索していたからだ。
今、顕在化している社会問題は、かつての私権序列制度が崩壊していく過程で発生しているものである。しかし、官僚たちはその私権序列制度の中で生み出されたものであり、したがって私権拡大=市場拡大が絶対と言う枠組みの中でしかものを考えられない。だから、官僚は無能と言える。
Q.暴走の構造(特権階級の暴走と下層階級の暴走)は何か?
統合軸が崩壊すればガタガタになり、暴走が深刻化していく。
特徴的なのは、

特権階級の暴走・・・マスコミの無秩序な報道、検察
下層階級の暴走・・・無差別殺人、モンスターペアレンツ、家庭親父(自分の思い通りに子ども      を育て上げる)

この両者の暴走構造はどうなっているのか?
例えば、50、60年代の学生運動は暴走だったのか?学生運動は、生産様式の変化から生まれた社会運動。大多数の若者が起こしていた運動だった。皆が走っているが故に、暴走とは言えず、社会運動と捉えられる。
一方で現在の無差別殺人やモンスターペアレンツはどうだろうか?自我執着した己のためだけに動く少数派である。
A.暴走の構造は・・・
昔は、私権による統合があり、皆が私権意識に集中していたので、お互いの私権を監視、制御していた。ところが、1995年、私権意識は衰弱し、実際には統合のたがが外れ、一方で私権観念や制度は残存している。このような状態では、大多数の私権意識は衰弱しているため、少数の私権派には無関心。そのため、少数の私権派は、何でも好きなようにわがままが通るので容易に暴走していくのである。これは非常に危険な構造!
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具体的な例で見てみると、ホリエモンが思い浮かぶ。私権追求の意欲が衰退する中(誰も関心のない無人空間)で、好き放題していたのが彼。まともな圧力の中で勝ったわけではないのだ。偽者の勝者である。この15年間にもてはやされてきた人々は、全て偽者ゆえに、ポシャる。
このように、現代の暴走は大多数が私権衰弱する中で、少数派であるが故の「自我」「正当化」が起こすのである。
Q.ネット右翼という過激なものがあるが、そもそも右と左の違いは何?
A.右も左も、現実に対し否定的少数派というのが共通。その正当化の方法論が異なる。

右は、序列原理だから力の原理で正当化する。
左は、みんなが否定しにくい観念で正当化する。

どちらも、否定体質は同じ。
なんでこうなったのか?それは、共認原理の社会に入れなかったから。仲間関係でうまくいかなかった恨み辛みがたまっていたため、仲間充足を得られず、「昔の序列にすがるのがネット右翼」「旧観念にすがるのが左翼」という形で現れてしまった。現実の共認関係がうまくいかなくなると、現実を否定し、理論や観念に収束するしかなくなる。今や、仕事において否定体質の人間は全く役に立たないのだ!
レポート③に続く・・・

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