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「経済学って本当に正しいの?」11〜『 政府紙幣発行の可能性 』

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前回の記事『GDP信仰』に代る新しい可能性 [1]の引用文
『景気を回復させなければならない、というGDP信仰は、国家の借金を無限に増加させ、
無駄な経済活動を生み出すばかりでなく、人々の活力を衰弱させる。GDP信仰と、その
結果生み出された国の借金という概念を捨てて、新たに国家紙幣を発行するとともに、
人々の活力を生み出す活動・本当に必要とされる活動に、支援金を支払えばいい』と言う
所が印象的でした。
 
多くの庶民は既に『GDP信仰』から決別しており、潜在思念では実現可能性のある新しい
概念を求めている、と言う事です。
この視点で考えると『GDP信仰』⇒「国の借金が無限に増加」⇒「人々の活力衰弱」と言う
問題の答の一つとして「国家紙幣を発行」が提起されています。
 
今回はこの「政府紙幣の発行」の可能性を追求します。
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るいネットから
“「国の借金が700兆もできたのは何で?」は、新理論の有用性を示す、推奨お題”を引用します。 [2]

なんでや露店で「国の借金が700兆もできたのは、何で?」というお題を、私は苦手としていた。原因分析はそこそこできる。学者・官僚・マスコミ・政治家といった統合階級は、「市場拡大は絶対」というGDP信仰に基づき、借金を重ねて作った支援金を注入して、無理やり市場を拡大させてきたからだ。私が困ったのは、「では、既にある700兆もの借金は、どうすればいい?」という点だ。この問題に明確な答えが出せなかったために、「国の借金700兆」というお題に今一自信が持てなかった。
 
先日のなんでや劇場で、このお題が取り上げられた。
 
①国債を発行しているのは国家。紙幣を発行しているのは日本銀行。国債を買っているのは、銀行・生保などの金融機関。日銀は金融機関に融資することで、国債購入資金を融通している。突き詰めれば、紙幣を発行する日銀が、国家の発行した国債を買っているのと同じ。国家(国債の発行)と日銀(紙幣の発行)が分離しているから、国家の借金として計上されるのであって、国家紙幣を発行すれば、借金は借金でなくなり、単に、紙幣流通量が増えるだけ。
 
②貧困・物不足で、人々の物的欠乏が強い時代は、紙幣をばら撒けばインフレになったが、貧困から脱し「欲しい物は特にない」状態の日本では、紙幣量を増やしても、インフレは起こらない。
 
③インフレが起こらないとすれば、元々、お金の本質的な機能は、生産・消費活動の活性剤だから、活動を活性化させるために、紙幣量を増やすことに問題はない。国家がどの活動に支援金を注ぎ込むかによって、生産・消費活動の方向、あるいは、社会の活力は決まる。市場の閉塞状況は、物的消費活動から類的活動(社会不全に応える活動)に支援金を転換させることによって突破できる。しかも、これは発想を切り替えさせすれば、今すぐにでも実現可能である。
 
「目から鱗」だった。これなら、今まで不可能に思えていた「700兆の借金をどうするか?」という問題も突破できそうだ。また、認識を転換すれば、いろんなアイデアも湧いてくる。「可能性のある企業を共同体に変えていきたい [3]」という投稿があるが、現在、銀行からの貸し渋りで、融資を受けられずに倒産していく中小企業が一杯ある。例えば、中小企業群が協働化・共同体化した場合、支援金を出すということにすれば、この問題は解決するとともに、企業の共同体化が一気に進むのではないかと思う。現実に役に立つ認識というのは、こういうものなのだ。
 
必要なのは、認識(発想)を転換することと、その共認を広げることだけ。逆に、「市場拡大は絶対」「紙幣をばら撒けばインフレが起こる」といった古い経済理論に凝り固まった統合階級には、こういう発想はできないと思う。このお題一つとっても、旧観念こそ閉塞の元凶であることがよくわかる。また、新しい認識を共認できれば、突破できない問題はないと思えてくる。「国の借金700兆」が苦手お題から、新しい認識による共認形成が、あらゆる問題の突破口であることを端的に示す、お奨めお題に変わりそうだ。

「政府紙幣の発行」と言う提言はテレビでも新聞でも今まで聞いたことがなかったので新鮮でした。調べて見ると実はかなり昔から議論されていてアダムスミスの時代からあったようです。
関連する書籍もホームページもブログも沢山ありました。むしろマスコミで取り上げられていないのが不思議なくらいです。
 
内容を見ても何も大きな問題は無いようです。
なのに「政府紙幣の発行」が採用されないのは何故なのか?
日本人が知らない 恐るべき真実〜政府紙幣はなぜ発行できないか? [4]より引用します。

「政府紙幣の発行」が、経済支配層の経済利益を脅かすものだからである。
この理解ができなければ、近代経済システムを理解することもできないだろう。
 
農業を含むあらゆる経済活動が、通貨をより多く稼ぐことを目的とするようになったのが近代経済システムである。 そのような経済システムを構築したのは、金融家である。
金融家は、中央銀行制度を確立することで、経済社会を貨幣経済化し、日々の経済活動が自分たちの利益に直結するようにしたのである。
 
貨幣流通が中央銀行の貸し出しから始まるのが近代経済の特質である。

と言っており、私も同感です。今までは金融支配層=金貸しに騙されていたのです。
しかし貧困が消滅し、私権原理が崩壊した現在に於いて再度「政府紙幣の発行」の議論が持ち上がっています。
 
しかし現在の「政府紙幣の発行」という主張の多くは
政府貨幣特権を発動せよ。—救国の秘策の提言 [5]』(丹羽 春喜著)とか
政府貨幣発行で日本経済が蘇る [6]』(小野盛司著) で見られるように

600兆円の新規の追加的な国家財政財源を確保して、わが国の財政を再建し、景気を
回復させて経済を逞しい「右肩上がり」の成長軌道に乗せることを、政策の基本と
すべきである。

と主張しています。
これでは今までのバラマキ政策と同じで「国の借金が無限に増加する」という問題は解決?(延命)しますが「人々の活力衰弱」と言う問題の答にはなっていません。
 
人々の活力を生み出す活動、本当に必要とされる活動に支援金を支払う等のお金の使い方も同時に具体策を提言する必要があります。
例えば、次に紹介する事業に対する支援金なら将来的な可能性が見えてきます。
農家のこせがれネットワーク [7]」のシステムは面白い、と思います。

1)農家のこせがれが、親元に戻る前の新規就農のトレーニングをする。
2)既に農業に従事している生産者向けの、農業経営支援・養成もする。
3)付加価値を付けるための、加工業の支援や、さらには、
4)養成した生産者と飲食店や小売店とをつないで生産物の販路支援を行い、
5)地域農業振興のキイマンとなる「農業プロデューサー養成」を受けて一人前になれば、
6)新たな後進者や生活者への育成・発信の場としての「朝大学の講師」職を用意し、
7)朝大学受講者の体験農業を受け入れたり、
8)レストラン「六本木農園」に食材や料理を提供してアッピールできる。

また次の「るいネット」の投稿で紹介する活動に対する支援金と言う政策も可能性があると思いますので具体策の追究が必要だと思います。
潮流5:失われた40年 [8]   

この世には、医療だけではなく、農業や介護や新資源・エネルギー開発、あるいは「なんでや露店」のような社会活動etc、市場には乗り難い(ペイしない)が、社会的に絶対必要な仕事(or活動)がいくらでもある。
 
市場に資金を注入するなら、すでに飽和状態に達した物的生産ではなく、あるいは福祉と称して単なる消費>者にバラ撒くのではなく、市場ではペイしないこれらの類的生産を刺激or支援する方向に資金を注入すること>もできた筈である。
 
例えば、農業や介護etc各供給者の売上に応じて、その50〜150%の支援金を支給するという形にすれば、競争活力を失うこともない。

人々の活力を生み出す活動や本当に必要とされる活動に支援金を出す。
そしてその財源として政府紙幣を発行する。
 
この提言をもっと具体的に詰めて行けば、今までの金融資本家のための経済学を
みんなの役に立つ「新しい経済学」へ転換させられる可能性が見えてきました。
 
加えて言わせてもらうと調べてみて分かったのですが「政府紙幣の発行」について
報道しているマスコミは殆ど無い、と言うことです。
このマスコミの無能ぶりは犯罪だと思います。
 
 
次回は「政府紙幣の発行はハイパーインフレを招く」と言われていますがこの事について詳細に追究して行きますのでご期待下さい。
 
 

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