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謹賀新年:2010年、世界はどうなる?

皆さん明けましておめでとうございます。今年も本ブログをどうぞ宜しくお願い致します。

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世界経済にとって昨年2009年は「階段の踊り場」のような年だったと思います。もちろん、上り階段ではなく、下りの階段です。2008年のリーマンショックに始まった世界金融危機は一旦は見かけ上の収束を見せ、日米の株価はほぼ年初来の高値で年末を迎えました。晩秋に起こったドバイ・ショックも、今のところ大きな混乱には繋がっていません。
しかし、2009年、静かな大転換が起こりました。それは、これまでの米国一極集中の終焉、ドル基軸通貨体制の終焉を、世界中が既定路線としてほぼ共認したことです。2010年以降は、次の世界システムの主導権を巡る国家間や巨大資本勢力の動きが本格化していくでしょう。
そこで、今年の世界経済を見るポイントを幾つかピックアップしたいと思います。
今年も応援をよろしくお願いします。


●アメリカの崩壊はどこまで進む?
株式市場や金融界が落ちつきを見せる裏で、米国政府債務はかつてないほどに膨れ上がっています。失業率は10%を超え、米国内の貧困率(フードスタンプ=食料配給を利用している率)は17%、8人に1人とも言われます。現在の米国金融界の安定は、政府の借金増大と米国民の苦境によって支えられている仮初の姿です。
●中国は成長を謳歌し続けられるのか?
今年5〜10月に上海万博が開催されます。日本の高度経済成長が’64年東京五輪〜’70年大阪万博で節目を迎えたように、’08年北京五輪に次ぐ’10年上海万博は、中国経済成長の一つの到達点です。日本との違いは、明らかに過剰なバブルを併発していること。今秋以降、中国が大崩れするか否かが、今後の世界情勢に大きく影響します。
●新しい世界通貨システム構築の動きは?
昨年4月の中国周小川中銀副総裁の「SDRを国際通貨に」発言に始まり、9月のUNCTADの報告まで、ドル基軸通貨体制の終焉を告げる声明が続きました。12月には、もともと2010年に導入予定だった湾岸通貨統合が改めて合意されています。最も水面下深く進行するため見えにくいこの領域の動きを見定めるため、為替、米国債、現物(金・原油)の動き、各国要人の発言を今年も注視していく必要があるでしょう。
●欧州貴族vs国際金融資本勢力の暗闘の行方は?
’07年サブプライムローン問題、’08年リーマンショックから続く世界経済の激動の震源には、20世紀の資本主義社会に君臨してきた国際金融資本(金貸し)と、金貸しの暴走に業を煮やした元々の金主である欧州貴族との暗闘がある、と、昨年夏のなんでや劇場で明らかにされました。昨年秋のドバイ・ショックも年末のクライメート・ゲート事件も、この暗闘の一環だと考えられます。これから起こる経済混乱も、戦争も、新秩序の構築も、この暗闘の行方次第と言ってもいいかも知れません。
●日本がカギを握っている?
この、欧州貴族vs国際金融資本の暗闘の行方を占うのに、大きなカギを握るのは、実は他でもないこの日本です。崩壊途上の金融と空洞化した産業しか残されていない米国をどう落着させるのか、国家体制とバブル崩壊の不安が残る中国をどう掌中に納めるのか、を彼等が考える時、十分な生産力・金融力を有し、社会秩序も安定した日本の支配と利用が不可欠だからです。昨年8月、民意によって選ばれた民主党(実は欧州側)に対し、戦後一貫して金貸しの手先となってきた既存特権階級(官僚・マスコミ)が激しく抵抗しています。
つまり、これから日本がどう動くのか?ひいては私たちがどう動くのかが、世界情勢に大きな影響を与えると言っても言い過ぎではありません。本ブログでも、微力ながら日本を動かす、世界を動かす一員であるという意識を持って、今年も発信を続けていきたいと思います。

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