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『国家と市場の力関係の逆転』 プロローグ 〜何故近代ヨーロッパから市場拡大が始まったのか?〜 

昨年の金融危機etc繰り返されるバブル崩壊、社会を動かす特権階級の暴走(日本のマスコミ・司法etc)、至るところで近代市場社会600年の枠組みが崩れ始めています。
この近代社会の枠組み;民主主義・三権分立やその元になる思想・制度を作ってきたのは、ヨーロッパの思想家や知識人たちですが、その背後に金貸し達がいるのは明らか。
市場が繁殖する以前には社会を統合するものは国家しかなかった、国家は身分・序列を制度化させることで社会を統合してきた。それに対して、市場(金貸し)が力関係で上回り、序列規範を解体し、自に都合の良い制度・システムを作り変えてきました。
・・・それが可能になったのは何故なのでしょうか?


年末のなんで屋劇場で近代市場拡大は、ヨーロッパの特殊性に起因されるのではないか?という視点が提起されました。
参照:『近世欧州市場の特殊性』 [1] 
ヨーロッパ中世は国家を超えて全域をキリスト教が支配しており、その頂点に立つ教皇や枢機卿という存在がいた。金貸しにとって絶好の買収対象であった。その力を利用したのではないかと・・・。
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キリスト教教皇の拠点:バチカン (リンク [3]よりお借りしました)
教会と金貸し、彼らが結託して、十字軍を結成、200年にわたる持続的な掠奪→市場拡大の結果、自我・私権拡大というパラダイムに転換、彼らは大衆を巻き込んで、世界掠奪(大航海時代)→市場拡大に邁進し、世界中を市場に組み込んでいった。近年のグローバリズムもその焼き直しです。
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十字軍の掠奪品をヨーロッパに持ち込んだベネチア
数回に渡って、特殊ヨーロッパから発展した近代市場の生成過程を追い、教会、国王、貴族、商人(金貸し)の力関係の推移を押さえながら、いかに近代市場が形成されてきたのか検証してゆきたいと思います。
大きく以下のテーマに分けて追求していきます。
『国家と市場の力関係の逆転』
1回目.ヨーロッパの民族性
・古代から度重なる交易民の流入(ギリシャ、フェニキア、バイキング)と交易都市
・ローマ帝国に遡る貴族・領主の力と奴隷制
2回目.ヨーロッパ全体を支配したキリスト教
・キリスト教支配力の源泉は、騙し?
・中世に自由都市が自立できた理由?
3回目.教会と金貸しが結託し十字軍へ
・十字軍はどう組織されたのか?資金は?
・教会、騎士、金貸しの力関係
4回目.十字軍による掠奪品を原資にルネッサンスが始まる
・ルネッサンスが始まったのはなぜか?
・自我と性の解放(芸術・思想)と規範の解体
 →大衆を巻き込んで都市(性市場)の拡大
5回目.近代市場システムの形成
・金貸しが作りあげた金融システム、国家を超えたネットワークを形成
・金貸しと貴族の共同出資→資本主義へ
6回目.金貸しによる国家支配
・国王etcへの借金で、国家を強力に支配
・国家を巻き込んで世界侵略と戦争へ
以上です。ご期待ください。(内容や順序は回数は、追求の過程で多少変更するかもしれません。)
昨年から始まった金融崩壊、最も痛手を負っているのは近代市場の総本山、ヨーロッパとアメリカ。新興国のバブル化によって、なんとか維持させていますが、バブルの破裂は必然であり、市場の崩壊は確実です。(近代、特にヨーロッパの中核に居る貴族達の投機意識の強さが、金貸しに投機性の高い金融商品を生ませ崩壊を早めている。彼らの出自も探りたい。)
市場の崩壊という時代を迎えた今、市場に変わるシステム・制度を構築することが急がれますが、そのためにも深く近代市場の生い立ち・歴史を押さえていきたい思います。
(by Hiroshi)

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