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「市場の原理(価格格差の秘密)」−1

この間の経済不安・危機は、リーマンショック以降様々な形で我々の活動に影響を与え、その影響度は日に日に強烈になってきている感が拭えません。
金融市場を代表する市場経済は、実体経済とかけ離れていて、日常的に一般大衆は意識していない。
にも拘らず、企業活動を始め大きな影響を与えているという理不尽さに気が付いている人は多いと思います。
今日から始まるこのシリーズ「市場の原理(価格格差の秘密)」では、教科書の嘘・支配階級の騙しと市場構造を解明したいと考えています。
市場(シジョウ)とは、物々交換から始まった、などの教科書の嘘を暴き、取引原理、幻想価値、価格格差など、教科書では書かれていない市場経済の本質を明らかにしていきます。
第一回目として、市場の起源とその拡大過程を抑えます。
以下引用部分はるいネット投稿「超国家・超市場論9 私権闘争の抜け道が、交換取引の場=市場である」 [1]からです。
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これは十字軍 [2]です。市場の拡大に大きな影響を与えています。

交換取引は、武力闘争(およびその帰結たる身分制度による私権拡大の封鎖)からの抜け道として登場した。それどころか、最初に交換関係が登場した動機は、額に汗して働くよりも、(相手にこの品物が大きな可能性を与えてくれると信じ込ませることさえ出来れば)交換によって得る益の方が、ずっと大きいからである。

武力闘争が繰り広げられた結果、武力支配国家が成立して安定してくると、富と武力が世襲され、持つもの持たざるものの格差はドンドン開いていく。
これが生涯固定の身分制度となり、確固とした身分序列体制が確立する。
身分を駆け上がる可能性が閉ざされた中で、私利私欲を満たす可能性は、騙しと掠め取りにしかなく、これが古代市場の誕生となった。
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実際、古代市場も、女の性的商品価値を一層高めてくれそうな宝石や絹や毛皮を主要な交易品として、拡大していった。(なお、近世→近代も、呉服や毛織物やレースが起点になる。)それに対して日常の主食品(米や麦やイモなど)に対しては、その様な幻想的な可能性など描き様がない。

始めは、地位や物資を見返りに、交易集団(≒海賊)が王侯貴族に対して珍品や貴金属を送り届けた。
やがて、交易集団の相手となる王侯貴族の裾野が広がり、見返りは金銀に統一され取引が拡大する。
ここで疑問が出てくる 何故、王侯貴族は珍品や貴金属を欲したか?
当時の宮殿では社交会が連日繰り広げられた。
この中での自己顕示欲、その中心活力は性。要は不倫、恋愛に明け暮れていたのです。
ここでの武器は当然、性的な幻想価値を高める物=貴金属や絹。
しかも、競って欲しがるわけですから、交易集団としては高値で捌ける。
これが市場の拡大期です。
なかなか想像し難いかもしれませんが、イメージは漫画「ベルサイユの薔薇」?(←チト旧いか?)
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ベル薔薇? [3]

この幻想共認(幻想への可能性収束)によって作り出された、市場商品の価格と一般農産物の価格との価格格差こそ、市場拡大のテコとも原動力ともなった市場の秘密の仕組みである。(異国の食品や、無農薬の食品は、幻想共認の形成が可能であり、だからこそ一定の市場化も可能なのである。)
そこでは当然、農耕の労働価格は、幻想商品の労働価格にくらべて、異常に低くなる。この価格格差(価格差別ともいえる)の秘密こそ、途上国が一貫して貧困状態に置かれ続けてきた真の理由であることは、いうまでもない。

大航海時代は、未開の国から略奪した原価「0」の戦利品を高く売りつけたわけで、交易集団の労働価値は無限大に上げる事が可能。
一方で、農耕の生産性には当然限界が有りこの差は限りなく拡大していく。
この格差拡大は、現在でも続いている。

(なお、採取部族間の友好維持の為の贈り物と、私権利益を獲得する為の交換とは、共に共生(取引)適応の一種ではあるが、その発生基盤は片や共認原理、片や私権原理と全く異なっており、従って、贈り物は、決して私権時代の市場の起源なのではない。だから、「贈与」と「交換」は、厳格に区別されなければならない。)
(同様に、生活必需品の物々交換が市場の起源であるという話も、真っ赤な嘘であって、生存上の必需品を他部族に委ねる部族など存在しない。その様な物々交換は、市場(関係)がある程度日常的に存在する様にならない限り成立し得ないのであって、従って、市場の真の起源は、私権闘争の抜け道としての、快美幻想の共認、もっとはっきり言えば「騙し」をテコとする私益行為以外には考えられない。)

これが物々交換を市場の起源とする現代の教育の嘘!!

性幻想を高める為の毛織物やレースをはじめとして、私権圧力下の解脱回路(主にドーパミン回路)が生み出す快美幻想がはびこり、生活全般に亙って快美(快適さや便利さ)を求める快美欠乏が上昇してゆくにつれて、その幻想共認が作り出す価格格差をテコとする市場はどんどん繁殖してゆく。
そして次には、その生産効率を上げる為の科学技術が発達してゆき、市場の拡大競争が生み出した侵略戦争→軍備強化への期待圧力が、その科学技術を更に大きく発展させてゆく。
この科学技術の発達による快美充足の可能性(快適さ利便さ)の実現こそ、中後期の市場拡大の原動力である。

以上が、市場の取引原理、幻想価値、価格格差の正体であり、それを誤魔化している教育の嘘です。
以降のシリーズでは、これらの一つ一つを具体的に検証していきます。

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