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『ユーロ発国家財政危機の行方』  プロローグ

政治問題で揺れる日本の裏側で、欧州ではギリシャ発金融危機がユーロ全体を揺るがし始め、世界市場を不安定化させています。
アメリカ発金融危機に続く、金融危機第2波の様相は、
国家財政危機の表面化
2008年の金融危機は、サブプライムローンという証券化されたローン債権が世界中の金融機関にばら撒かれたことから起こりましたが、2010年のギリシャ発ユーロ危機は、国家に累積された債務(国債)を巡っての国家(EU含む)と投機勢力の攻防という新たな様相を見せています。
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言うまでもなく、国家に累積された債務は各国で天文学的な額に上っており、ギリシャ危機は、特に対外債務の多いPIIGS諸国へ波及する様相を見せ、半国家の集合体であるEUの統合にとって大きな試練となっています。
さらに他の債務国や国債発行量の多い国に波及する可能性もあります。
(特に世界最大の国債発行量を持つ日本は大丈夫なのか?)
また緊縮財政に反対するギリシャの暴動は、今後の経済危機が、単に金融システム上の問題ではなく、秩序を揺るがす様相に発展していく危険性を感じさせます。この事態は国家が、国家統合のために国債を発行せざるを得ない状況をまざまざと見せ付けたとも言えます。
 10120662226%E6%9A%B4%E5%8B%95.jpg [2] 暴動に揺れるギリシャ リンク [3]より 
このブログでも、数回に渡って、ギリシャ発ユーロ危機がどのような構造から起こっているのか、そして国家と市場がどのように動いていくのか?深く追求していきます。
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この国家債務は、一方で巨大なモンスターを作り上げています。
巨大化した国家債務の副産物:過剰紙幣と投機勢力
国家に累積された巨大な債務は、その一方で大量の紙幣・貯蓄を生み、それが過剰な流動性となって、世界中でバブルやインフレを生む構造があります。つまり国家の財政危機と繰り返されるバブル・デフレ・インフレは表裏一体の現象と捉える必要があります。
国家が発行する過剰な紙幣は、グローバル市場を通じて投機勢力に集められ、より高い利率を求めて運用され、必然的にバブルとその崩壊が繰り返されます。

今回のギリシャ危機も、ゴールドマンetcの投機勢力の空売りから始まりましたが、ゴールドマンなどの仕掛けに乗るようにして南欧の国債バブルが形成され、バブルが大きく膨らまされた段階で、その矛盾を突く形で投機勢力による空売りを仕掛けられています。
つまり国家の発行する紙幣が、金融市場を媒介に回りまわって、自分の首をしめているような状況と言えるかもしれません。

このような矛盾に陥ってしまった国家に出口はあるのでしょうか?
また効果ある金融規制や銀行国有化に踏込むことができるのでしょうか?
世界を牛耳る支配勢力の戦略は?
2008年金融危機の後、世界を動かしてきた金貸し(ロスチャ、ロック)から、金融危機を収束すべく、そのバックにいた欧州貴族が動き始めたはずです。しかし、今回のギリシャ危機は彼らのお膝元のEUを直撃しています。
参照:http://blog.trend-review.net/blog/2009/10/001386.html
オバマ政権による金融規制もなかなか進まない。彼らの主導権を巡る暗闘はどうなっているのか?次の通貨・金融システムの青写真はどうなっているのか?金高騰との関係は?
今回の危機は、EU分裂の可能性さえ孕みます。この事態は。彼らの戦略にどう影響するのか?ドル暴落戦略は?そもそも彼らはこの事態を収拾できるのか?・・・・・様々な疑問が生じてきます。

この辺りの予測は非常に難しいところですが、最近の状況もあわせて追求してみたいと思います。
■予定する主なテーマ
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●ギリシャ問題・PIIGS問題とは?
●小国ギリシャの危機がなぜユーロ危機につながったか?
●ギリシャ暴動の行方と国家・市場の統合限界
●EU及びユーロ(地域共通通貨)の弱点構造
●世界的な国家債務の増加→貯蓄・過剰流動性→バブルの発生構造
 (グローバルマネーの動き)
●今後を見るうえでの基本構造
●ユーロとドルの行方(ドル基軸体制はどうなる?)
●国家と金貸しの攻防:金融(金貸し)規制は実現するのか?
●世界を牛耳る支配勢力・闇勢力の暗闘はどうなっているのか?
●彼らは次の通貨システム・金融システムの青写真があるのか?
 彼らや国家は危機を乗り切ることができるのか?それとも西欧近代市場の崩壊過程なのか?
●日本への影響は?(借金800兆は大丈夫か?)
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(今後の事態の進展や追及により内容は組み替えます。)
では、次回(1週毎にUP予定です)お楽しみに。

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