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シリーズ「市場は環境を守れない、社会を統合できない」4〜市場支配のための「緑の革命」

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毎週土曜のシリーズ「市場は環境を守れない、社会を統合できない」
前回は「等価交換」という市場メカニズムの欺瞞性 [2]を提示しました。
シリーズ4回目の今回は、発展途上国の農業生産向上に寄与したとされる「緑の革命」の裏側を暴きます。
「等価交換」とは別に市場社会では経済格差に対して「フェアトレード」という言葉も流行っていますが、慈善活動も巻き込んだ市場の欺瞞性を提示します。
緑の革命は、技術援助という奉仕の精神などではなく、農業市場の拡大、そして市場支配のための活動だった
ボランティアの欺瞞性、国際資本家の影響力について知ることが出来ます。
それでは、本文に入る前にクリックをどうぞ。


「緑の革命」の事例: 貧しい国を助けたいという善意と情熱だけでは、市場派に利用され片棒を担ぐ事になる [3] るいネット [4]からの引用です。

国際市場を牛耳る国際資本家が、農業の世界を支配し、目先の表層観念に収束した人を利用して起こした「緑の革命」についての記事を紹介します。
『オルタナティブ通信「既に世界帝国は完成している」2007年09月18日』 [5]より引用
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日本のジャイカ等、国連機関による経済支援が貧しい国をさらに貧しくし、国連が1000人で済む餓死者を10万人に増加させてきた。
 ロックフェラーの経営する世界最大の穀物商社カーギルと提携した化学企業モンサント社が、国連と協力し推進してきた「緑の革命」餓死の原因である。
 「国連と一体化」して、カーギル=ロックフェラーは食糧を増産するという名目で、世界中の貧しい国々に単位面積あたりの収穫量が増加するという大豆の種子等と、農薬、化学肥料をセットにし大量に売り付けてきた。この種子は水を大量に必要とするため、井戸を掘る事業もセットにされていた。それ等の購入費用は貧しい国に借金として残った。日本の海外青年協力隊などが、井戸掘り、農薬の使い方の「指導」を世界中で行った
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 種子は単年度しか使えず、収穫された大豆を再び翌年植えても発芽しないように、カーギルは遺伝子組換えを行っていた。毎年貧しい国は、カーギル=モンサントにお金を支払って種子を買わなくてはならなくなった。農薬、化学肥料とセットにしてである。カーギルの金儲けのための遺伝子組換えであった。貧しい国の借金は増える一方になった。
 しかし、食糧が増産出来たのはわずかに数年であった。井戸から汲み上げた水には塩分が含まれ、化学肥料の残留と一体化して数年で畑は塩まみれ、残留肥料、農薬まみれになり、耕作出来ない状態になった。農民は農薬によるガンでバタバタ倒れて行った。カーギルの売った農薬DDT等は、人体に危険な発ガン物質が含まれるため、先進国では販売を禁止され、在庫としてカーギルの倉庫に売れ残っていた「毒」であった。
 貧しい国の今までわずかでも食糧を生み出していた畑は、塩害等で砂漠に変わって行った。貧しい国には餓死者が大量に発生した。
 貧しい国には、農薬、化学肥料、種子、井戸掘りの費用が莫大な借金として残った。借金だらけの政府は、ガンに犯された農民への医療と食糧補助を打ち切った。死者はさらに増加した。
 これが「国連による経済支援」の実態である。「国連の仮面」の下にカーギルが居た。
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 カーギルとモンサントだけが、数千万人の農民の死と引き替えに莫大な利益を上げた。農薬、化学肥料の使用法の指導、井戸掘り支援を「善意」で行った日本の海外青年協力隊、ジャイカの若者達は、その無知と国連への「盲信」のために「貧しい国に哀れみをかける殺人部隊」となった。貧しい国を助けたいという善意と情熱では、カーギルやモンサントには「歯が立たない」。
 これが悪名高い「緑の革命」である。
 農薬、化学肥料を大量に使う農業は、その肥料が比較的「安全」な物であっても土壌を悪化させ、10数年で土壌の悪化とその回復のために耕作を止めなくてはならなくなる。現在、米国でもこうして土壌悪化した休耕地を持つ農民への生活支援のために、莫大な補助金を政府が投入する結果になっている。
 カーギルの副社長であったドウェイン・アンドリース等が、カーギル退社後、ドレフュス=ADM(アーチャー・ダニエルズ・ミッドランド)社の最高経営責任者に就任する等、長年カナダで活動するADMとカーギルは一体化して来た。ソ連=ロシア領土であったウクライナ等から、エネルギー、食糧等を密輸して来たウクライナ・マフィア=ドレフュスは、ウィスキー帝国ブロンフマン一族と一体化しつつ、世界最大の穀物商社カーギルとも一体化して来た(この点は、拙稿「今後100年世界を支配する者」、また「ゴルバチョフ1〜5」を参照下さい)。
 このカーギル=ADMが推進した「緑の革命」の化学肥料は、ウクライナ経由でカナダのアルバータ州に密輸されてくる、旧ソ連の天然ガスから作られていた。カーギルの子会社であるアルバータ州のカナディアン・エイティ・エイト・エナジー社は、エネルギー企業の名前を持つ化学肥料会社である。
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 ここで生産される化学肥料は、海路で米国、貧しいメキシコ、ブラジル等、南米諸国、さらにはアフリカ、インド等に「販売」されて来た。この化学肥料を運ぶ船舶が「死を運ぶ」船である事は既述の通りであった。
 カーギルは、アルバータから輸送されてくる「ウクライナ産」化学肥料を輸出入する「専用港」をミネアポリスに建設した。カーギルの化学肥料のため「だけ」の専用港を莫大な費用をかけて建設する程、膨大な量の化学肥料が製造販売され、莫大な利益を上げた事をこれは示している。
 旧ソ連との密輸こそ、カーギル=ADMの「生命線」であった事をこれは示している。
 この「生命線」は、カーギル=ADMに何をもたらしたのか。
 カーギルはカナダ最大の牧草生産会社=食肉業者に成長し、同時に、単独で世界の穀物流通の50%以上を独占する巨大企業に成長した。そこにADMが加わると、このカナダのウクライナ・マフィアは世界の穀物流通の7割以上を「単独」で独占すると言う、「世界の支配者」に成長した。その支配力の源泉が、種子、農薬、化学肥料の販売独占である。人間の命の源である食糧を、地球上で単独で7割以上を独占する等、もはや「世界帝国の独裁者」としか呼び様が無い。化学肥料も農薬も石油化学製品であり、世界の石油王ロックフェラーにのみ可能であった帝国建設と言える。
 なお、農薬はカナダのウィスキー帝国ブロンフマンの経営する、化学企業デュポン社が提供している。
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ボランティアという善意の意識をも利用しながら、穀物市場を独占するために暗躍したカーギルをはじめとする企業群の策略には憤りを感じます。
>収穫量が増加するという大豆の種子等と、農薬、化学肥料をセットにし大量に売り付けてきた。この種子は水を大量に必要とするため、井戸を掘る事業もセットにされていた。

井戸事業以外にも害虫駆除や農業の機械化など、市場拡大に寄与する事業を拡大していった経緯もあるようです。
またこの投稿を読むと、ボランティア活動の背後に潜む欺瞞性、食糧自給率の問題、そして国際金融資本家(金貸し)の市場支配の徹底ぶりが読み取れ、色々と考えさせられます。
特に金貸しの市場支配の徹底ぶりには残念ながら感服しますが、この金貸し支配の市場社会を超える可能性はあるのか
今後、このシリーズの中で可能性を提示していきたいと思います。
それでは 😀

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