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止まらない円高=世界通貨戦争どうなる?5〜為替の変動要因〜

こんにちは〜
今シリーズでは、今起こっている『世界通貨戦争』を解き明かしていく為に、

プロローグ [1]
2 〜『通貨クライシス・・・世界が落ちた罠』より疑問抽出〜 [2]
3〜外国為替市場の仕組み〜 [3]
4〜為替変動の影響☆円高(円安)になるとどんな影響があるの??〜 [4]

と、為替の基礎勉強してきました。
そして今回は、そのラストとして、『為替変動の要因』について勉強していきたいと思います。
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まず、為替変動の大きな要因として、「ファンダメンタルズ [6]」があります。
これらを見て投資家達は「この国が発展するかどうか?」を判断し、投資先を選びます。
もう少し具体的に見ていきたいと思います。
今回は、直接的要因として以下の4つを見ていきます。
 
①.経常収支(貿易収支)
②.購買力の差
③.金利差
④.為替介入

 
それでは、早速その中身を一緒に見ていきましょう♪
 
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応援ありがとうございます。
①経常収支(貿易収支)
 

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画像はこちら [8]からお借りしました
  
経常収支(貿易収支)が黒字の国は、製品を売って得た外貨を自国通貨に換える必要があるため、自国通貨の価値が上がっていく。
例えば、日本の輸出企業が自動車をアメリカに輸出してドルを得た場合、ドルのままでは使えないので、ドルを売って円を買う。この時、為替は「円高ドル安」に動いていくことになる。

最近の外国為替市場での取引において貿易(輸出、輸入含めて)が占める割合は1割に満たないので、貿易黒字だからといって円高に進むとは限らないのです。
あくまで一要因であるということなのです。
 
 
②購買力の差
 

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画像はこちら [10]からお借りしました。
 
為替レートの変動によって、各国通貨ごとの購買力に差が出ると、それを平準化させようとする方向で、レートが動く。
例えば、ここに100円のハンバーガーが一つあったとする。1ドル=100円ならば、アメリカでは1ドルで購入することが可能。
しかし、1ドル=120円なら、日本では100円のものがアメリカでは(1ドル=)120円出さないと買えない。この場合、ドルの価値が下がり(円の価値が上昇し)1ドル=100円に戻ろうとする。
1994年当時、1ドル=100円であったが、90年代後半から現在に至るまで、アメリカは2%程度のインフレであり、日本は1%程度のデフレであった。これは、物に対する通貨の価値が、アメリカでは下がり、日本では上がってきたことを意味している。
つまり、1994年当時はハンバーガーが1ドル=100円で買えたとすると、15年経つとアメリカでは1.3ドル出さないと買えない、日本では85円程度にまで値下がりすることになる。つまり1.3ドル=85円→1ドル=65.4円でもおかしくないことになる。

これを見ると、日本円の本当の価値が65円でもおかしくないと理解する事ができます。一方で、現在1ドル=約80円で円高と問題視される声があがっていますが、今の水準が問題なのでしょうか?
少し疑問が湧いてきますよね。
この問題も本シリーズ後半で扱いたいと思います。
③金利差
 
 

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画像はこちら [12]からおかりしました。
  
上記二つは、実体経済が及ぼす為替レートへの影響ですが、これ以上に大きな影響を持つと言われているのが、投機マネーであり、主に金利差によって投機先が決まります。(実態:投機=3:7)
1995年から2008年のリーマンショックまで、日米で5%程度の金利差が存在し続けた。少しでも利ざやを稼ごうとするファンドは、低金利の日本で借りて、高金利のアメリカで運用してきた。日本の金融市場で資金を調達して、その円をドルに換え(円売りドル買い→円安ドル高)、ドルをアメリカの金融市場に投資してきた。

 
①経済収支(貿易収支)は実体経済だが、為替変動は上記にあるようなマネー経済が大部分を占めています。
マネー投機(投機経済)で動いた結果が、貿易や私たちの生活用品の価格など(実体経済)に影響が出てきているのです。
何かこう、投資家にもてあそばれている感じがしますね。。。
 
 
④為替介入
 

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画像はこちら [14]からお借りしました。
現在、日本が行なっている為替介入とは、
「円高となれば、アメリカに対する輸出国である日本の輸出が不利になってしまう。そのため、日本は円を売ってドルを買う(円安ドル高に誘導する)必要がある。従って、日本政府は政府短期証券(返済期間60日の短期国債)を発行し円を集めて、大量にドルを買うという為替介入を行なう。」

 
前回の記事 [4]でもあるように、トヨタ自動車だったら1円の為替変動で約300億円もの損失)が出てしまう為、日本政府が円安ドル高に誘導しようとしています。
短期国債を発行し円を集めて、ドルを買うという行為をしているのです。
要するに、借金をして介入しているのですね。
また、介入すればする程、日本の借金が増えていき、大抵は米国債に変わっているのです。
一体、なにをしているのでしょうか・・・?
 
 
 今回のまとめ
①〜④まで具体的に「どうなったら、通貨高(通貨安)になっていくの?」を見てきました。
一旦、図解にしてまとめたいと思います。
 
 
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次回は、週間東洋経済より今後の「通貨戦争」はどうなっていくのか?の可能性の1つとして、興味深い記事〜「1㌦=50円」掲げて、世界各国は協調せよ。 浜知子 氏同志社大学大学院教授〜を見つけたのでコラム風に紹介予定です。
それでは、お楽しみに〜☆
〜参考サイト・投稿リンク・書籍〜
為替が変動する要因・・・70円/ドルでもおかしくない 内藤琢 [16] 
・GRAND THEORY VOL.4(p23 )

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